=小池都政1年【第2部】都職員アンケート⑤印象・都政運営 (都政新報)=
◆ 「独断専行」に募る不満
行動力はあるが、決断力がない--都職員はこうした印象を小池知事に持っていることが本紙のアンケートで分かった。

「知事にどのような印象を持っているか」との設問では、職員の62・3%が行動力があると「思う」と回答したのに対し、「思わない」が21・6%だった。
しかし決断力について聞くと、あると「思う」が14・3%、「思わない」が57・1%と逆の結累となった。
行動力に関し、40代課長代理級は「無電柱化や時差通勤など『小池印』の政策への注力は目を見張る」と評価。40代本庁課長も「政策決定が進みやすくなっている」とコメントした。
一方で、決断力については「考え方や政策上のスタートはいいが、決断力が遅い」(40代課長代理級)、「(五輪会場見直しや市場移転に関し)実態を理解できないまま結論めいたことを言い、後始末に時間を要している印象」(40代出先部長)など厳しい意見が目立った。
40代の本庁課長級は「これまでの都政に対する偏見をなくし、大局的な都政運営を行ってほしい」と注文。
「東京大改革」の旗印の下、独自視点で都政に切り込んだ小池知事は、本紙のインタビューに知事就任1年目を「創造的破壊の年」と総括したが、ビジョンが見えにくい中での「破壊」が職員には大局観の欠如と映ったようだ。
こうした点は、パフォーマンス先行との印象も職員に喚起する。
知事の都政運営に関する設問のうち「パフォーマンス先行」では、94・4%の職員が「思う」と回答した。
自由意見では、「パフォーマンス先行。豊洲移転延期は失策で、五輪の競技会場(見直し)も他自治体まで巻き込み、工程をいたずらに遅らせた」(40代本庁課長)、「マスコミ受けする政策しかなく、背景や実現可能性は考慮していない」(40代本庁課長代理)などの批判の声が寄せられた。
◆ 高まる「知事不信」

「都民・職員参加の考え方が強いと思わない」が82・3%、「職員の声に耳を傾けていると思わない」は88・3%。
知事の印象で74・9%の職員が「独断専行」と回答したように、職員の大半は職員と対話しない知事の姿勢に不満を抱いていることも分かった。
これは知事と職員との信頼関係の問題に直結し、75・3%の職員が知事は「職員を信頼していない」と回答。
50代の本庁部長以上は「政治主導は結構だが、都職員を信頼して庁内で十分検討した上で(新たな施策を)打ち出すぺき」と求め、30代の本庁課長代理は「特別顧問を通じて情報が入ることもあり、知事本人の意向なのか、職員が疑心暗鬼になっている」とコメントした。
こうした政策形成過程での職員軽視は知事周辺への不信感につながり、「(職員を信用していない知事の下では)職員も知事のために働こうとは思わない」(20代一般職)との意見まで上がった。
知事は8月10日の会見で市場移転の基本方針に関する記録の不存在を問われ、「一言で言えは政策判断」としてけむに巻いた。
ただ50代本庁部長以上は「政策とは組織として練り上げ、メリット・デメリットを検証して打ち出すもの」と指摘した上で、「知事が打ち出すものは『思いつき』の類い」と一蹴。「無買任な側近政治、利害関係者無視の政策」(40代本庁課長)との声も上がった。
職員を生かさない知事の姿勢に、職員は苛立ちを隠さない。知事は組織のトップとして職員を躍動させることが今後の課題と言えそうだ。
『都政新報』(2017年9月1日)
◆ 「独断専行」に募る不満
行動力はあるが、決断力がない--都職員はこうした印象を小池知事に持っていることが本紙のアンケートで分かった。

「知事にどのような印象を持っているか」との設問では、職員の62・3%が行動力があると「思う」と回答したのに対し、「思わない」が21・6%だった。
しかし決断力について聞くと、あると「思う」が14・3%、「思わない」が57・1%と逆の結累となった。
行動力に関し、40代課長代理級は「無電柱化や時差通勤など『小池印』の政策への注力は目を見張る」と評価。40代本庁課長も「政策決定が進みやすくなっている」とコメントした。
一方で、決断力については「考え方や政策上のスタートはいいが、決断力が遅い」(40代課長代理級)、「(五輪会場見直しや市場移転に関し)実態を理解できないまま結論めいたことを言い、後始末に時間を要している印象」(40代出先部長)など厳しい意見が目立った。
40代の本庁課長級は「これまでの都政に対する偏見をなくし、大局的な都政運営を行ってほしい」と注文。
「東京大改革」の旗印の下、独自視点で都政に切り込んだ小池知事は、本紙のインタビューに知事就任1年目を「創造的破壊の年」と総括したが、ビジョンが見えにくい中での「破壊」が職員には大局観の欠如と映ったようだ。
こうした点は、パフォーマンス先行との印象も職員に喚起する。
知事の都政運営に関する設問のうち「パフォーマンス先行」では、94・4%の職員が「思う」と回答した。
自由意見では、「パフォーマンス先行。豊洲移転延期は失策で、五輪の競技会場(見直し)も他自治体まで巻き込み、工程をいたずらに遅らせた」(40代本庁課長)、「マスコミ受けする政策しかなく、背景や実現可能性は考慮していない」(40代本庁課長代理)などの批判の声が寄せられた。
◆ 高まる「知事不信」

「都民・職員参加の考え方が強いと思わない」が82・3%、「職員の声に耳を傾けていると思わない」は88・3%。
知事の印象で74・9%の職員が「独断専行」と回答したように、職員の大半は職員と対話しない知事の姿勢に不満を抱いていることも分かった。
これは知事と職員との信頼関係の問題に直結し、75・3%の職員が知事は「職員を信頼していない」と回答。
50代の本庁部長以上は「政治主導は結構だが、都職員を信頼して庁内で十分検討した上で(新たな施策を)打ち出すぺき」と求め、30代の本庁課長代理は「特別顧問を通じて情報が入ることもあり、知事本人の意向なのか、職員が疑心暗鬼になっている」とコメントした。
こうした政策形成過程での職員軽視は知事周辺への不信感につながり、「(職員を信用していない知事の下では)職員も知事のために働こうとは思わない」(20代一般職)との意見まで上がった。
知事は8月10日の会見で市場移転の基本方針に関する記録の不存在を問われ、「一言で言えは政策判断」としてけむに巻いた。
ただ50代本庁部長以上は「政策とは組織として練り上げ、メリット・デメリットを検証して打ち出すもの」と指摘した上で、「知事が打ち出すものは『思いつき』の類い」と一蹴。「無買任な側近政治、利害関係者無視の政策」(40代本庁課長)との声も上がった。
職員を生かさない知事の姿勢に、職員は苛立ちを隠さない。知事は組織のトップとして職員を躍動させることが今後の課題と言えそうだ。
『都政新報』(2017年9月1日)
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