《立川テント村通信から》
☆ 2024年のオスプレイ
一年前、つまり2024年の年頭、世界中のオスプレイが飛行を停止していた。
23年11月に、鹿児島県・屋久島沖で墜落事故を起こし、8人の米兵が死亡していたからである。
この事故の原因調査と再整備には4ヶ月以上を要し、米軍が飛行再開したのは24年の3月(事故を起こした空軍機が所属する横田では7月まで飛行停止)。自衛隊機も、同じく3月まで木更津での飛行を止めて点検・整備にあてている。
24年10月には、今度は陸自機が沖縄で機体損壊事故。3週間の飛行停止を経て「パイロットの操縦ミス」で片づけた。
その飛行停止があけたと思ったら、11月20日に今度は米本土(ニューメキシコ州)で墜落直前の事故。しかも23年屋久島事故と同様の「ギアボックス破損」が原因というオソマツぷり。米軍・自衛隊ともにふたたび2週間の飛行停止に。
ざっと計算してみたが、米軍・自衛隊共に年間4カ月は飛行停止していたことになる。一年の三分の一を整備にあてないと飛べない飛行機なんてあるのだろうか?
防衛省は「オスプレイは災害対策にも有用」というが、いまだ実績は皆無だ。今後もありえないだろう。
防災活動に携わっている方たちにこそ、オスブレイ反対の声をあげてもらいたい。
☆ 琉球弧では毎月のように緊急着陸
丹念にニュースを追うと、飛行中の異常発生でオスブレイが緊急着陸を繰り返していることも鮮明だ。昨年からの緊急着陸をまとめよう。
●10月23日 陸自機が鹿児島・鹿屋基地に。
●11月14日 米海兵隊機計3機が鹿児島・奄美空港に。
●11月21日 米海兵隊機が鹿児島・奄美空港に。修理のため3週間居座る。
●25年1月14日 米海兵隊機が鹿児島・沖永良部島に。
緊急着陸というが、11月21日のもののように修理に長期間を要するものもあり、相当不安定な状態で飛行していることがよく分かる。
☆ それでも拡大を続けるオスプレイの運用
しかし一番恐ろしいことは、米軍も自衛隊もオスプレイに固執し、諦めることができない点にある。
米軍は世界で500機を運用し、容易に代替手段を準備できない。日本でも昨年11月、山ロ県の岩国基地に海軍機の新配備を始めている。
自衛隊も昨年3月の飛行再開から時間をおかず、6月に15機目~17機目のオスブレイを木更津に持ち込んだ。
これで米国から3500億円かけて購入した全17機の配備が完了したことになる。
3月の飛行再瀦直後から木更津では住宅地上空を飛び回っていたというし、5月の富士総合火力演習にも堂々参加している。配慮も何もないのだ。
☆ 7月佐賀移転迫る 本当にできるのか?
その自衛隊オスブレイは、今年7月に木更津の暫定配備を終えて、新設の佐賀基地に移転する計画だ。
佐賀では、地権のある漁協調係者の一部の反対を無視して接収・工事が急ピッチで進められており、複数の差し止め裁判が進行中だ。
佐賀のオスプレイ基地は、佐世保まで約50㎞。一体的な運用が想定され、普天間所属の米軍機の使用も予定されている。同県の目達原駐屯地からヘリ50機も同時に移転する。
豊かな漁場である有明海はオスブレイなどの軍用機飛び交う海となり、対中国の重要な後方拠点となる。
オスブレイの佐賀移転に反対しよう!
『立川テント村通信 564号』(2025年2月1日)
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