俵義文です。
抗議談話を出しましたのでお送りします。
強行採決に抗議する怒りのFAXを集中しましょう。
抗議先 自由民主党総裁 安倍晋三 殿 FAX:03-5511-8855
公明党代表 太田昭宏 殿 FAX:03-3353-9746
参院議長に、本会議での採決をやめ、特別委員会で引き続き徹底審議を行うよう要請しましょう。
要請先 参議院議長 扇 千景 殿 FAX:03-3592-0407
【談話】政府・与党の参議院特別委員会での教育基本法案の強行採決に抗議する。
俵 義文(子どもと教科書全国ネット21事務局長)
政府・与党は、12月14日18時過ぎに参議院特別委員会で政府の教育基本法案を強行採決した。これはあらゆる点で絶対に許すことのできない暴挙であり、心からの怒りを込めて抗議する。
第1に、国会のルールを無視し、議会制民主主義を踏みにじるものである。このような法案の採決にあたっては総理出席で総括質疑を行うことがルールである。本日の委員会では一般質疑しか行われていない。しかも安倍首相も出席していない中での採決であり、ルール違反の不当な採決である。
第2に、世論、国民の意見をまったく無視した採決である。
各種の世論調査でも、政府法案反対と今国会での成立反対は70%を超えている。自民党支持者でさえ60%が反対している。今国会での成立を支持するのは10数%(自民党支持者でも25%)にすぎない。
公立小中学校校長の64%が政府法案に反対している。教育基本法「改正」で教育がよくなると考える人は、わずか4%に過ぎず、変わらない46%、悪くなる28%というのが世論である。
政府法案の成立を望む人はごくわずかであり、こうした世論を無視した強行採決は民主主義の否定である。
第3に、法案審議はきわめて不十分であり、採決する条件がないのに審議時間だけを理由に強行採決したのは、立法府の役割を放棄するものである。
与党推薦者のほうが多い公聴会公述人の半数以上が、政府法案反対、徹底審議を求めていた。
公述人・参考人の20名が連名で、審議はきわめて不十分であり、国民の代表として述べた数々の問題点がほとんど議論されていないことを指摘し、徹底審議を求めるアピールを出した。このアピールに対するインターネットによる賛同署名は、92時間という短期間で18,724筆にもなった。
東京大学教育学部教員34名中23名が連名で徹底審議を求め、今国会での採決に反対する声明を出したのをはじめ、多くの大学人や研究者が法案反対・徹底審議を求める声明を出している。
これらのアピールや声明は、政府法案の多くの問題点を指摘し、これらについて国民が納得いくような審議はきわめて不十分であり徹底審議・慎重審議を求めていた。
第4に、いま何故、教育基本法を「改正」する必要があるのか、政府法案によって「いじめ」をはじめとした教育が改善されるのかについても、まともな政府答弁はなされていない。教育が良くなるという展望を示すことができない法案の強行採決は、教育の破壊をめざすものである。
第5に、タウンミーティング(TM)における「やらせ」「サクラ」問題について、政府は13日に調査報告書を出したが、教育基本法「改正」に関する教育改革TMについての「やらせ」の責任者名はいまだ公開されていない。政府報告書は「世論を誘導した」ことを認めているのであるから、そうした偽造された世論を基にした法案はいったん廃案にすることが民主主義のルールである。この点からもみてを強行採決は許しがたいものである。
教育基本法は憲法と一体の教育における根本法規である。政府法案は、憲法との関係を断ち切り、憲法改悪をねらう「自民党の新憲法草案との整合性を考えて」(伊吹文明文科相)つくられた、憲法改悪を先取りしたものである。政府法案は、個人の「人格の完成」を「個人の尊厳」にもとづいて行う教育から「国家のための教育」に変え、個人の権利としての教育を、国家の権利に変質させるものである。国家や行政は教育に介入してはならないという重要な規定を変質させ、政府や行政による教育への介入を無制限に許すものである。政府法案は、学校教育はもちろん全ての人びとの精神活動について、国定の道徳規範を「目標」として、その達成を強制するものであり、国民の内心の自由は容易に蹂躙されることになる。政府法案によって教育における競争はいっそう熾烈なものになり、教育格差はいっそう拡大し、子どもたちは早くから「勝ち組」「負け組」に選別されることになる。子どもたちの心はいま以上に荒廃して「いじめ」などの「教育危機」はさらに激しくなることが危ぐされる。政府法案のこれらの問題点は憲法に反する疑義が濃厚である。
この3年以上、私たちは教育基本法改悪に反対して全国各地で草の根の活動をすすめてきた。特に、通常国会に政府法案が提出されて以降は、全国の活動はいっそう広まり、高まってきた。こうした私たちのたたかいが、世論を動かし、前述のような世論状況をつくりだしてきた。国会では自民・公明の巨大与党は絶対多数であるが、教育基本法案に関しては、国民の中では少数派であり、国会審議を通じてそのことがますます明白になってきた。また、政府法案の問題点や教育基本法改悪のねらいも徐々に国民の中で明らかになってきた。こうして、追い込まれた政府・与党が強行採決という暴挙にでたのである。これは国を滅ぼす行為である。
政府の教育基本法案は、「戦争をする国」をつくるために、国のために「命を捧げる人」(安倍晋三首相)をつくる教育をめざすためのものである。私たちはまだあきらめてはいない。私たちは、この法案の強行採決に抗議し、明日の本会議での成立を阻止するために、野党議員と連携して最後までたたかいぬくことを呼びかけるものである。
2006年12月14日
子どもと教科書全国ネット21
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2-6-1-201
℡:03-3265-7606 Fax:03-3239-8590
抗議談話を出しましたのでお送りします。
強行採決に抗議する怒りのFAXを集中しましょう。
抗議先 自由民主党総裁 安倍晋三 殿 FAX:03-5511-8855
公明党代表 太田昭宏 殿 FAX:03-3353-9746
参院議長に、本会議での採決をやめ、特別委員会で引き続き徹底審議を行うよう要請しましょう。
要請先 参議院議長 扇 千景 殿 FAX:03-3592-0407
【談話】政府・与党の参議院特別委員会での教育基本法案の強行採決に抗議する。
俵 義文(子どもと教科書全国ネット21事務局長)
政府・与党は、12月14日18時過ぎに参議院特別委員会で政府の教育基本法案を強行採決した。これはあらゆる点で絶対に許すことのできない暴挙であり、心からの怒りを込めて抗議する。
第1に、国会のルールを無視し、議会制民主主義を踏みにじるものである。このような法案の採決にあたっては総理出席で総括質疑を行うことがルールである。本日の委員会では一般質疑しか行われていない。しかも安倍首相も出席していない中での採決であり、ルール違反の不当な採決である。
第2に、世論、国民の意見をまったく無視した採決である。
各種の世論調査でも、政府法案反対と今国会での成立反対は70%を超えている。自民党支持者でさえ60%が反対している。今国会での成立を支持するのは10数%(自民党支持者でも25%)にすぎない。
公立小中学校校長の64%が政府法案に反対している。教育基本法「改正」で教育がよくなると考える人は、わずか4%に過ぎず、変わらない46%、悪くなる28%というのが世論である。
政府法案の成立を望む人はごくわずかであり、こうした世論を無視した強行採決は民主主義の否定である。
第3に、法案審議はきわめて不十分であり、採決する条件がないのに審議時間だけを理由に強行採決したのは、立法府の役割を放棄するものである。
与党推薦者のほうが多い公聴会公述人の半数以上が、政府法案反対、徹底審議を求めていた。
公述人・参考人の20名が連名で、審議はきわめて不十分であり、国民の代表として述べた数々の問題点がほとんど議論されていないことを指摘し、徹底審議を求めるアピールを出した。このアピールに対するインターネットによる賛同署名は、92時間という短期間で18,724筆にもなった。
東京大学教育学部教員34名中23名が連名で徹底審議を求め、今国会での採決に反対する声明を出したのをはじめ、多くの大学人や研究者が法案反対・徹底審議を求める声明を出している。
これらのアピールや声明は、政府法案の多くの問題点を指摘し、これらについて国民が納得いくような審議はきわめて不十分であり徹底審議・慎重審議を求めていた。
第4に、いま何故、教育基本法を「改正」する必要があるのか、政府法案によって「いじめ」をはじめとした教育が改善されるのかについても、まともな政府答弁はなされていない。教育が良くなるという展望を示すことができない法案の強行採決は、教育の破壊をめざすものである。
第5に、タウンミーティング(TM)における「やらせ」「サクラ」問題について、政府は13日に調査報告書を出したが、教育基本法「改正」に関する教育改革TMについての「やらせ」の責任者名はいまだ公開されていない。政府報告書は「世論を誘導した」ことを認めているのであるから、そうした偽造された世論を基にした法案はいったん廃案にすることが民主主義のルールである。この点からもみてを強行採決は許しがたいものである。
教育基本法は憲法と一体の教育における根本法規である。政府法案は、憲法との関係を断ち切り、憲法改悪をねらう「自民党の新憲法草案との整合性を考えて」(伊吹文明文科相)つくられた、憲法改悪を先取りしたものである。政府法案は、個人の「人格の完成」を「個人の尊厳」にもとづいて行う教育から「国家のための教育」に変え、個人の権利としての教育を、国家の権利に変質させるものである。国家や行政は教育に介入してはならないという重要な規定を変質させ、政府や行政による教育への介入を無制限に許すものである。政府法案は、学校教育はもちろん全ての人びとの精神活動について、国定の道徳規範を「目標」として、その達成を強制するものであり、国民の内心の自由は容易に蹂躙されることになる。政府法案によって教育における競争はいっそう熾烈なものになり、教育格差はいっそう拡大し、子どもたちは早くから「勝ち組」「負け組」に選別されることになる。子どもたちの心はいま以上に荒廃して「いじめ」などの「教育危機」はさらに激しくなることが危ぐされる。政府法案のこれらの問題点は憲法に反する疑義が濃厚である。
この3年以上、私たちは教育基本法改悪に反対して全国各地で草の根の活動をすすめてきた。特に、通常国会に政府法案が提出されて以降は、全国の活動はいっそう広まり、高まってきた。こうした私たちのたたかいが、世論を動かし、前述のような世論状況をつくりだしてきた。国会では自民・公明の巨大与党は絶対多数であるが、教育基本法案に関しては、国民の中では少数派であり、国会審議を通じてそのことがますます明白になってきた。また、政府法案の問題点や教育基本法改悪のねらいも徐々に国民の中で明らかになってきた。こうして、追い込まれた政府・与党が強行採決という暴挙にでたのである。これは国を滅ぼす行為である。
政府の教育基本法案は、「戦争をする国」をつくるために、国のために「命を捧げる人」(安倍晋三首相)をつくる教育をめざすためのものである。私たちはまだあきらめてはいない。私たちは、この法案の強行採決に抗議し、明日の本会議での成立を阻止するために、野党議員と連携して最後までたたかいぬくことを呼びかけるものである。
2006年12月14日
子どもと教科書全国ネット21
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2-6-1-201
℡:03-3265-7606 Fax:03-3239-8590
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