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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ジェンダーギャップG7最下位日本の政治家によるジェンダー差別煽動発言の数々

2020年02月01日 | 平和憲法
 ◆ 「性差別発言をやめない」日本の政治家の非常識
   麻生太郎副総理は2年連続ワースト1位

小川 たまか 2020/01/24 18:00 (東洋経済 On-line)

 1月11日、大学教授らで作る市民団体「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」が、「政治家による性差別発言のワースト投票」の結果を発表しました。3820人が最大2票を投じることができる投票キャンペーン。まず、順位とそれぞれの失言を見てみましょう。
 ◆ 政治家たちの性差別発言
 1位 麻生太郎副総理兼財務大臣・衆議院議員の発言 2588票(34.1%)
 「(日本人の平均寿命が延びたのは)いいことじゃないですか。すばらしいことですよ。いかにも年寄りが悪いみたいなことを言っている変なのがいっぱいいるけど間違ってますよ。子どもを産まなかったほうが問題なんだから」
 2位 安倍晋三内閣総理大臣・衆議院議員の発言 1765票(23.2%)
 「お父さんも恋人を誘って、お母さんは昔の恋人を探し出して投票箱に足を運んで」

 3位 平沢勝栄衆議院議員の発言 866票(11.4%)
 「LGBTで同性婚で男と男、女と女の結婚。これは批判したら変なことになるからいいんですよ。もちろんいいんですよ。ただ、この人たちばっかりになったら国はつぶれちゃうんですよ」
 4位 三ツ矢憲生衆議院議員の発言 844票(11.1%)
 「この6年間で吉川有美(参議院議員)は何をしてきたのか。一番大きな功績は子どもをつくったこと」
 5位 桜田義孝衆議院議員の発言 599票(7.9%)
 「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」
 6位 増子輝彦参議院議員の発言 355票(4.7%)
 「ご覧のとおり決して美人ではないが、非常にチャーミング」「見た目は優しい感じでチャーミングでしょう。美人ではないけど」
 7位 萩生田光一文部科学大臣・衆議院議員の発言 326票(4.3%)
 (女性現職候補の一番大きな功績は子どもをつくったことだとした三ツ矢憲生衆議院議員の街頭演説内容について)「母親になってひとつ大きくなった候補を応援してほしいという趣旨だ」「聴衆からは一番拍手があった」
 8位 稲田朋美衆議院議員の発言 250票(3.3%)
 「自分と森さんの共通点は2人とも美人ということ」「森さんがいるだけで華やかだ」
 麻生太郎副総理は、2年連続のジェンダー差別発言ワースト1位です。
 麻生さんの失言があったのは昨年2月3日、福岡県芦屋町での国政報告会のこと。年の始まりに近い2月の発言が人々の記憶に色濃く残り、1位に選ばれることから、この失言のインパクトの強さがうかがえます。
 当時の記事を検索すると、この件を追及した立憲民主党議員の質問中に笑い、この議員から「なにを笑っているんですか、大臣」と問いただされたと報じられています。
 麻生さんの議会や会見での質疑応答といえば、恫喝・マウンティング・質問への質問返しが有名です。質問に対して笑うというのも、相手の質問を矮小化する意図が見え隠れします。
 よく聞くと全然内容のない説明をしているのに、態度で威圧して黙らせる。それで数十年間、政治家として今日まで乗り切ったところにすごみを感じます。
 ◆ なぜ政治家たちは失言を繰り返すのか?

 さて、ノミネートされた8つの失言中、1位、4位、5位、7位の4つは「子どもを産む」ことに言及する内容でした。3位についても、LGBTへの差別的発言であると同時に、少子化を懸念する内容です。
 ジェンダー関連の失言を集めた投票なので、出産・妊娠・育児に関する発言が目立ちます。しかし、こうした失言は2019年に始まったものではありません。
 これまでも散々、問題視されているにもかかわらず、政治家たちが差別的な発言を漏らすのは、彼らの本音だからなのか、こうした発言が支持者に喜ばれるからなのか、あるいはその両方なのかもしれません。
 ご存じのように今の若い世代は、子どもを育てるだけの金銭的余裕がありません。1人か2人子どもがいる家で、気持ち的にはもう1人欲しいけれど、金銭的な不安から諦めたという話もよく聞きます。
 これを言うと、上の世代の方々からは「僕らの世代のほうがお金がなかったけど、それでも苦労して子育てしたんだよ」とよく言われます。私も飛行機で隣席に座った優しそうなおじいさんから言われました。
 悪気はないだろうし気持ちはわかります。ですが、ジャパンアズナンバーワンだった過去と今の違いを無視しないでほしい。
 待機児童問題が解決されず、散々的外れと指摘された幼児教育・保育の無償化も推し進められ、子どもの相対的貧困率が先進国中2番目に高い日本で、産まない責任を個人に押し付けるのはお門違いです。
 政治家たちは「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」と言うよりも、「育児中の若い夫婦を助けましょう」とか「出産や育児をしやすい環境を整えるためにさらに努力します」と言ったほうが、若い世代はよっぽど安心する気がします。
 寓話『北風と太陽』のように、上から目線の説教根性論で若い世代が子どもを産みたいと思うはずがありません。
 6位と8位の、女性のルックスに関する発言も気になりました。
 稲田朋美さんは、2017年の国際会議で「見たらわかるように、(私たち女性大臣3人には)共通点がある。同じ性別で、同じ世代で、全員がグッドルッキング」と発言し、海外記者をドン引きさせた過去を忘れたのでしょうか。
 このニュースが報じられた当時、ネット上では、「自分のことを美しいなんて、そりゃ失笑を買うわ」といったコメントがあったことを覚えています。違う違う、そうじゃ、そうじゃない。
 政治家は容姿で評価されるべき仕事ではありません

 しかしとくに女性の場合、どんな職業であったとしても簡単に容姿の評価に晒されてしまう傾向があります。
 美人と褒めたり、ブスとけなしたりすることが問題ではなく、そもそも職場で女性の容姿を評価しようとする姿勢自体が問題なのです
 オバマ前大統領も在任中の2013年、司法長官に就任した女性を「アメリカの司法長官としては抜群の美人」と「評価」し、国中から「性差別主義者」「女性を容姿で判断している」などの批判を招きました。
 そんなご時世に、女性大臣自らがルックス評価を始める日本。ジェンダーギャップが153カ国中121位、G7中最下位なのもうなずけます。
 ◆ 止まらない政治家の性差別発言

 前回のこの投票キャンペーンでは、セクハラ・性暴力に関する失言が複数入りました。今回は入っていませんし、この投票キャンペーンの対象は国会議員ですが、昨年末に区議会議員らが伊藤詩織さんの民事訴訟勝訴について、こんなツイートをしていたことが注目を集めました。
 【沓沢(くつざわ)亮治・豊島区議員】 
 「性交相手の男を、女性が社会的・経済的に攻撃できるという判例ができてしまいました。恋をして結婚したい男女にとって最悪な判決です」
 「性交事後訴訟から男性を守る目的で『性交承諾書』のフォーマットを作成してみました」※実際に手作りしたと思われる「性交承諾書」の画像を添付
 【吉田康一郎・中野区議】 
 私は一般論として、薬を盛られたのでなく自主的に「男性の前で記憶がなくなるまでお酒を飲んだ」女性は「女として落ち度がある」と思いますし、性別が逆でも同じだと思います。「セカンドレイプに当たる」と考える方は、法廷にお呼び出し下さい。
 こういった発言の何が問題か、すでに批判を紹介する記事が出ていますし、「わかっている人にとっては耳タコの内容」「わからない人は何を言っても理解する気がない内容」だと思いますので繰り返し解説はしません。
 ですが、吉田元都議も沓沢議員も、普段どんな人のツイートを参考にしているのか手に取るようにわかる内容です。
 そんなに自信があるなら次回出馬の際にはぜひこのコメントを選挙カーと事務所に掲示すればいいのでは。
『東洋経済 On-line』(2020/01/24)
https://toyokeizai.net/articles/-/325905
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