パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

経営支援センターの行き詰まり

2006年12月01日 | 暴走する都教委
切実な「要請書」の中から、「経営支援センター」設置失敗の酷い実態が垣間見られる。「支援センター」どころか「破壊センター」の陰口も。

                    2006年11月20日
東京都教育委員会
教育長 中村正彦 殿
               東京都公立学校事務職員組合
               執行委員長 田子榮一
               東京都高等学校教職員組合
               執行委員長 若林泰直

  「都立学校経営支援センター」についての要請書

 本年4月に「都立学校経営支援センター」(以下、支援センター)が開設され、既に半年以上を経過しました。
 この半年における支援センターと学校との関係では、都教委の「事務の集中・効率化による学校事務の負担軽減」という狙いに反して、学校現場の事務は軽減されていません。それどころか、学校と支援センター、学校と都教委各課との連絡・調整が輻輳し、重複するような事例が生ずるなど、学校現場に負担をかけているのが実態です。
 都教委は支援センター設置等を理由として今年度、都立学校事務職員を459人も大幅削減しましたが、私たちはこの定数削減は都立学校事務職員の労働条件の悪化を来すことは必至であることを再三指摘し、強く反対してきました。この半年間の実態は、その指摘が杞憂でなかったことを裏付けるものです。
 また、支援センター管理課各係に勤務する職員においても、長時間の時間外勤務が常態化しています。机上の「スケールメリット」を追求する余り、各支援センターが各90校近い学校の契約、庶務、施設管理を集約しようとすることに無理があると言わざるを得ません
 私達は生徒の教育条件をより良いものとするための視点から、支援センターの問題点として以下の事例を指摘し、その具体的改善を求めるとともに、学校事務職員の定数基準を復元するよう強く要請するものです。

               記

1 予算執行について
 ① 支援センターで契約した分の契約金額の、学校への通知が遅すぎます
 2ヶ月後、もしくはそれ以上遅い場合もあります。
 執行状況(執行残額)の把握が遅れることになり、補正予算の編成や落差金の使用など効率的予算執行が困難です。
 ② 住宅供給公社を通じて依頼する修繕に要した金額についても、学校への通知が遅すぎます。
 6月に施工した修繕の金額が10月末でも確定していない例があります。
 また、依頼通知がそのまま発注になりますが、金額が分からないまま施工されるのは不安です。学校で行っていた金額より高額の事例も少なくありません。限られた予算の迅速・効率的執行が困難です。
 ③ 学校への金額の連絡の遅延は、一件算定に関する契約についても生じています。
 ④ 「経理業務システム」について、センター契約分の反映が遅いため、活用できる状況にあるとはいえません。
 また、都財務会計システムと経理業務システムが連動していないため、予算額・執行額の統一把握のために事務が煩瑣になっています。
 年度の下半期になり、毎月、決算見込報告が求められる時期になりましたが、①~③項ともども、正確な決算見込を作成するには、支援センター側のシステム改善が急務です。
 ⑤ 支援センターの契約金額にスケールメリットが感じられません。
 従前、学校契約をしていたときと比較して低価格になった倒は少なく、逆に高価格になったと感じるものがあります
 業者が支援センター管轄内広範囲の学校に少量ずつ配送するデメリットを感じていると思います。スケールメリットが実感できるよう、契約方法の改善を求めます。

2 予算執行場所について
 ① 当初、「学校で契約することはない」と言われていましたが、いまでは「40万円までの契約は学校でできます」と方針が変わったようです。
 「40万円」という額では、学校調達の多くが該当します。支援センターの設置意義を問われます
 このことが「学校側からの要求」というなら、それはセンター契約が発注から2ヶ月後の納品であるなど学校の希望に沿って機能していない(できない)から、やむを得ず学校で対応しようとすることの表れです。
 定数を減らして、仕事を学校に残すような状況が続くならば、センター設置の意味がなくなり、大きな問題です。
 契約請求から納品までの期間を短縮する、執行場所振替手続きを簡易にするなど契約に関する業務を見直すとともに、学校事務職員定数を復元することを求めます。

3 旅費・認定事務等について
 ① 旅費等の諸手当について、支援センターから学校へ不明点の問い合わせが返されてきますが、その内容は事務職員が係わらなければ教員には十分理解できない事例が多くあります。このため、事務処理の手間が今まで以上にかかっています
 また、支援センターが業務委託している受託会社の職員が旅費等に関する知識不足で、全く的はずれな問い合わせを寄せてくることがあり、庶務担当事務職員の負担を増しています。
 ② 近接塘内旅行命令簿の書き方について、無用な記入や表示を強制してくることが多すぎます。
 例えば、旅行命令簿の欄外に通勤経路を記入する必要があるのか不明です。「お願い」と言いながら、実質上強制されています。
 ③ いままで、規則等により学校側で認定できなかった通勤経路も支援センターでは認定している例があります。
 学校に確認をしないで認定することで、過去の認定されなかった分について損害として請求をされた場合どう対応するのか、問題があるといえます。
 ④ 行政職員の週休日の振替について、命令権者が真にやむを得ない理由と判断し・週休日の属する週以外に変更しようとした際、支援センターが協議に応じない事例がありました。
 また、「真にやむを得ない理由」をしつこく聞いてきたこともありました。本来週休日の変更手続については、組合と勤労課との確認もあり、著しい場合を除いてはなんの問題もなかったはずで、このような事例は大きな問題であるといえます。
 週休日の振替は多くの学校で行われていますが、支援センター間で取扱いが異なる例、同一センター内でも学校によって取扱いが異なる事例があり、統一した取扱いが求められます

4 学校事務職員定数について
 支援センター設置に伴い学校事務職員配置基準が改悪されたため、全定併置校でも4名の配置になっている学校があります。
 支援センターの業務の実態と相まって学校経営を支える事務室機能を低下させる結果となっています。全定併置校ではB勤務回数の増により、休暇や出張がしづらい環境も生まれています。生き生きとした都立高校づくりをすすめるためには、経営企画室の人的配置による機能充実が不可欠です。
 支援センター設置に伴い削減された学校事務職員定数を復元し、学校現場の力を圓復することを強く求めます

コメント    この記事についてブログを書く
« 「通すな!!通信」(6) | トップ | 中高生のための憲法教室 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

暴走する都教委」カテゴリの最新記事