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米プロフットボール界でも人種差別に不起立行為で抗議

2017年08月30日 | 人権
  《US SPORTS ONLINE (東京新聞)》
 ◆ 差別へのノー 抗議の拳 NFLでも
樋口浩一(スポーツライター)

 米バージニア州シャーロッツビルで12日、白人至上主義者団体と反対派が衝突して死傷者を出す事件が起きた。これに米プロフットボールNFLの選手たちが敏感に反応した。
 9月開幕に向け、21日にジャイアンツとのプレシーズンマッチに臨んだブラウンズの選手12人が、試合前の国歌斉唱で膝をつき人種差別への抗議を表明。
 他チームにも同様の意を示す選手は数人いたが、これほど組織化された抗議は初めてだった。白人選手のディバルブも輪に加わった。アイビー・リーグの名門プリスントン大出身で、夫人は黒人。
 「国旗も国歌も愛している。国民は平等でなければいけない。多くの人にわれわれが取り組むべき問題に関心を持ってほしかった」という。
 米プロスポーツで最高の人気を誇るNFLだけに影響力は大きそうだ。

 昨年来、NFLでは人種差別に対する抗議行動がニュースになってきた。きっかけは49ers(フォーティナイナーズ)のキャパニック。白人警官による黒人の射殺が続いたことに抗議し、シーズンを通じて試合前の国歌斉唱で起立をしなかった
 この行為は多くの非難を浴びた一方、当時のオバマ大統領のように「表現の自由の範囲内」と理解を示す意見もあり、キャパニックに続く選手も現れた。
 キャパニックは昨季限りで49ersを退団後、いまだに所属先が決まっていない。厄介者として各球団に敬遠されているのだろうか。
 この抗議行動で、1968年メキシコ五輪の陸上男子200m表彰式の写真を思い出した。金メダルのスミスと銅メダルのカーロス。黒人の米国2選手が表彰台で黒い手袋をはめた拳を突き上げている姿である。
 米国では64年に公民権法が成立したが、同五輪の半年前に公民権運動の指導者だったキング牧師が暗殺され、黒人の怒りが沸騰していた時代だった。
 それから半世紀。社会はずいぶん変わったが、差別はいまだ根絶できていない。

『東京新聞』(2017年8月28日夕刊)

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