◆ 「骨太」方針の中身 (東京新聞【本音のコラム】)
ロシア・ウクライナ戦争は停戦に至ることなく、破壊と死者をふやし続けている。
その間に進んでいるのが、政府の「防衛力強化」の画策である。
防衛費は毎年、過去最大更新を記録して、いまや五兆四千億円。さらにこれを倍増して十一兆円にするとは、今回の戦争以前の方針だった。
対日貿易赤字を解消したいトランプとの首脳会談(二〇一八年九月)で、安倍元首相が「防衛力強化」を約束していた。
その年に策定された「防衛計画の大綱」に先駆け、「GDP(国内総生産)比2%」と自民党がすでに提言していた。
そして急速にふえたのがFMS(対外有償軍事援助)に基づく契約だった。
防衛省中央調達契約額をインターネットで引くと、二〇年度に米空軍省から購入したF35戦闘機一式だけでも、千百五十七億円。
FMSの総額は四千億円余り。
日本トップを独走してきた三菱重工を上まわっている。
前年度はおよそ七千億円にも達していて、三菱重工の倍以上。
FMSは代金先払い、米側が金額を勝手に変更して、価格高騰を招いている。
日本経済は、トランプ、バイデンと続くバイ・アメリカン(米国製品を買え)政策に支配されてきた。
国債残高千二十六兆円。
骨太方針どころか白骨方針。
戦争はすべてを破壊し、膨大な死者をつくり出す。
兵器のバカ買いで平和は守れない。
『東京新聞』(2022年6月14日【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)
ロシア・ウクライナ戦争は停戦に至ることなく、破壊と死者をふやし続けている。
その間に進んでいるのが、政府の「防衛力強化」の画策である。
防衛費は毎年、過去最大更新を記録して、いまや五兆四千億円。さらにこれを倍増して十一兆円にするとは、今回の戦争以前の方針だった。
対日貿易赤字を解消したいトランプとの首脳会談(二〇一八年九月)で、安倍元首相が「防衛力強化」を約束していた。
その年に策定された「防衛計画の大綱」に先駆け、「GDP(国内総生産)比2%」と自民党がすでに提言していた。
そして急速にふえたのがFMS(対外有償軍事援助)に基づく契約だった。
防衛省中央調達契約額をインターネットで引くと、二〇年度に米空軍省から購入したF35戦闘機一式だけでも、千百五十七億円。
FMSの総額は四千億円余り。
日本トップを独走してきた三菱重工を上まわっている。
前年度はおよそ七千億円にも達していて、三菱重工の倍以上。
FMSは代金先払い、米側が金額を勝手に変更して、価格高騰を招いている。
日本経済は、トランプ、バイデンと続くバイ・アメリカン(米国製品を買え)政策に支配されてきた。
国債残高千二十六兆円。
骨太方針どころか白骨方針。
戦争はすべてを破壊し、膨大な死者をつくり出す。
兵器のバカ買いで平和は守れない。
『東京新聞』(2022年6月14日【本音のコラム】)
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