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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

『東京新聞』「大図解」は、政治家リンカーンの実像を学ぶ良い教材

2017年10月24日 | こども危機
 ◆ <資料紹介>「東京新聞」22日朝刊「大図解」で「リンカーンは奴隷解放論者か?」を提起。
   皆さま   高嶋伸欣です


 本日(22日)の東京新聞朝刊の日曜日別刷り「世界と日本 大図解シリーズ No.1325」で「南北戦争」を取り上げています。
 最近の米国内での白人至上主義者と人種差別反対派の衝突の遠因は南北戦争にあるとの観点に基づくものです。
 そこで注目されるのが、リンカーンは当初、南部地域の黒人奴隷の解放についてはどうでも良いと考えていたという事実(歴史学では常識ですが)を読み取れる資料(彼の発言の変遷一覧)が掲載されているところです。
 極め付きは1862年8月に解放論者のホレス・グリーリから提起された公開質問状への回答の中の下記の一文です。
 「(この戦争の遂行目的は)連邦を救うことであり、奴隷制を守ることでも、つぶすことでもない。一人も解放せずに連邦を救えるなら、そうするだろう。~略~」
 この回答の後、1863年1月1日にリンカーンは「奴隷解放宣言」を発しますが、それは戦略上そうすることが有利な状況になっていたからにすぎない(?)とも解されるわけです。
 その点を指してこの「大図解」ではリンカーンのことを次のように皮肉っています。
 「世界中で敬愛されるリーダーは、政治的社会的風向きを見据えたリアリストでもあったといえる」と。
 中学・高校や大学の歴史授業担当の皆さんにはすでに周知の事柄ですが、私の手元にある現行版「世界史B」教科書では上記の極め付きの発言に言及したものは見当たりません。
 ちなみに山川版『詳説世界史』は「彼は連邦の統一維持を優先させ、奴隷制を新領土へ拡大することだけに反対する穏健派であったが、南部諸州は連邦からの分離を決定した」と的確に記述しています。
  *他の「世界史B」教科書の記述は、私の見る限りあいまです。
  *なお、歴史教科書では「リンカーン」ではなく「リンカン」表記になっています。
 ともあれ、上記の本日の『東京新聞』「大図解」は教材としての活用が見込まれますので、念のためご紹介することにした次第です。
 *伊豆半島東部から北関東にかけての同紙配達地域では新聞販売店か駅の売店等で購入可能?
 *また全国のブロック紙・地方紙では数日遅れで、この「大図解」が掲載されています(沖縄の場合は『琉球新報』です)ので、その時に入手できます。
 (親会社の『中日新聞』も?)
 *さらに「大図解」のバックナンバー入手については、電話03-6910-2557(月~土 9:30~17:30)で受け付けているとのことです。
    以上 文責は高嶋です   転送・拡散は自由です
       以上 ご参考までに

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