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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

子ども救援カンパ、あしなが育英会へ

2009年10月21日 | こども危機
 ◎ 誰もが安心して学べる社会をつくろう
 ~子ども救援カンパ、あしなが育英会へ


 子どもたちの教育・進学支援のため、この春スタートした日教組の‘子ども救援カンパ’は、日教組加盟の各組合や関係する団体のほか、一般の方々からのお振込み・街頭カンパ活動分を含めて、8月11日現在141,193,962円となりました。
 「新聞等で見ました」という一般の方々から、たくさんの温かいお言葉とご支援をいただきました。みなさまのご協力に感謝申し上げます。
 このうち70,000,000円をあしなが育英会に寄付するため、8月17日、あしなが育英会東京本部にて贈呈のセレモニーが行われ、その後、中村讓中央執行委員長と、あしなが育英会 玉井義臣会長が記者会見を行いました。
 会見では、各政党のマニフェストでも奨学金制度の充実や高校授業料無償化などが取り上げられていることに触れ、必要なところに必要な支援を行っていくことが求められているとして、これを一時のブームで終わらせないよう、継続的な支援の必要性を訴えました。
 また、日本の子どもに関する公的支出はOECD諸国のなかでも最低レベルであり、公的支出の拡充や、教育に関わる家庭負担の軽減が必要だとしました。
 今回、寄せられたカンパについては、あしなが育英会のほか、連合「トブ太カンパ」等を通じて、就学・修学支援や雇用と就労・自立支援などを行っているNPO団体へ寄付します。
『JTU NEWS 2009』(2009年8月18日)
http://www.jtu-net.or.jp/2009/08/post-158.html
 ◎ 子どもは大人の声を待つている
工藤長彦 あしなが育英会 奨学担当理事

 日教組さんから最初にお話があった時期は、ちょうどリーマンショック以降の不況で、奨学金に対するみなさまからのご寄付が激減するのではないかと大変心配していた時でした。
 一方で奨学金を希望する遺児が急増していて、それに応えることができるのかどうか、非常に不安な状況だったんです。
 そこに、学校の教職員のみなさんが全国でカンパ活動を展開して、その寄付先の一つとして私どもを選んでいただいた、というお話があって。それは思いもよらない、降って沸いたようなありがたいお話で、大変うれしかったです。ご活動いただいたみなさまに、改めてお礼申し上げます。
 遺児は全国に四十万人もいるので、私どもの団体だけでカバーしていくことはできません。社会的な支援がどうしても必要です。
 それには遺児家庭の生活の実態や、教育費の不足についてしっかりとデータを持って社会に訴えていく必要があるだろうということで、キャンペーンを実施しました。
 それでアンケートを何度もおこなったのですが、そのたびに状況が悪くなるんですね
 三年くらい前までは、奨学金を借りれば進学もできて、就職もできるだろうと希望があったんですが、去年あたりからあきらめに移行しつつある。
 これを放っておくことはできません。
 政権交代で高校授業料無償化のことが出ていますが、授業料だけでなく、交通費や修学旅行積立など、教育にはまだまだ私費負担も多い。
 苦しい環境にある子どもたちが奨学金などの情報を得ることかできるのは「先生からの紹介」という理由が多いんです。四割が学校で紹介されている。世間とのつながりが弱くなってしまう遺児家庭の子どもにとって、学校の存在は本当に大きいんです。
 余計なおせっかいと言われても、学校の教職員の方には一歩踏み込んで子どもに声をかけて、面倒をみてほしい。優しい大人の声を、子どもたちも待っているんです。(談)
 ◎ 各方面に活用されるカンパ

 「子ども救援カンパ」の一部は、連合の「雇用と就労・自立支援カンパ(トブ太カンパ)」に寄付された。
 連合・トブ太カンパの集約額は、九月二日現在で約一億八千万円となっている。
 このカンパからは失業等による影響の深刻な層、例えばシングルマザーへの支援事業などをおこなっている団体へ助成が出ることになっている(助成受付は七月で終了)。
 就学助成や奨学支援事業などで、日教組からも各単組のとりくみが助成を受けた。
 そのなかのひとつ、兵庫県教組では、教育文化・社会貢献事業を継続しておこなっている。
 その一環としての就学支援事業は、県内の小中学校および特別支援学校に在学する小学六年生・中学三年生の要保護家庭・準要保護家庭を対象に、就学助成物品を届けるという活動だ。
 品物は顕微鏡・英和辞典・トートバックなど、実際に子どもが使えるものを基本にセレクトされており、各自が欲しいものを申請できるようになっている。
 子どもに直接渡る支援内容で、昨年は一二、八七一人に配布されている。
 社会貢献事業は社会福祉施設に対する支援で、車椅子や福祉自動車の寄贈、児童養護施設等への資金の支援などをおこなう。
 いずれも、分会・支部を通しての申請となっており、ふだんのつながりの上に成り立っている事業だ。
 ◎ 学校からの情報は頼みの綱

 「子ども救援カンパ」を通して、よく聞かれたことは学校の教職員の役割の大きさである。
 貧困は経済的なものだけではなく、情報の貧困という面が大きい。
 あしなが育英会工藤理事の言葉にもあるように、アンケート結果では、あしなが育英会の奨学金制度を知ったきっかけ(複数回答)は、「学校のパンフレット」が三九パーセント、「先生からの紹介」が三六パーセントである。
 「遺児にとって学校や先生のアプローチがいかに重要であるかがわかる」と、まとめられている。
 逆に行政の対応は弱く、「行政から情報を得たという回答は最低であり、相変わらず行政は『申請主義』に徹していることがわかる」とされている。
 役所に相談すればいい、といっても、何をどう相談すればいいかわからないという状況で、頼みの綱は学校の先生だけ、という場合もある。
 成績を上げて上の学校へ、というだけではなく、どこかに就職できればいい、というだけではなく、どのようなアプローチで社会に出ていくことができるのか、そのような多面的な情報を知っておくことも必要だろう。
 子ども救援カンパをこれで終わりにせず、これをきっかけとして、子どもたちの希望を保障する社会をつくつていこう。
『月刊JTU』(10月号)
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