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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

新しい管理職の導入による学校の階層化

2010年05月13日 | 暴走する都教委
 『子どもの権利条約カウンターレポート(DCI)』から VIII-10-2(2)
 ◎ 新しい管理職の導入による学校の階層化

   ~子どもと向き合う誇りを奪う


 2007年6月の学校教育法の改正は、日本の学校組織を改変する重要な役割を果たした。すなわち、副校長、主幹教諭、指導教諭という新たな管理職を学校現場に導入したのである。
 戦後日本の学校組織は、校長を唯一の学校管理職として出発し、1974年に教頭職が法定化されて以降も、子どもの教育を直接担う教員は、皆対等な一般教員として活動してきた。1975年に主任制が省令化されてからも、その職務は一般教員による持ち回りの仕事として担われてきたため、管理職ポストとして実質を得ることはなかったのである。
 したがって、学校組織は、一般公務員や民間企業の組織と異なり、校長と教頭以外の教員はみな平等であるという単層型の組織が維持されてきた。そしてこのことが、合議制の職員会議の慣行を形成し、教師間の同僚性を育む素地ともなってきたのである。
 ところが、2007年の学校法改正によって導入された「新たな管理職」は、一般教員自体の中に職階を設け、給与表も別個に設定することが前提とされている。
 したがって、学校組織は、「校長―副校長―主幹教諭―指導教諭―教諭」というピラミット型の重層構造へと変容することとなったのである。
 学校法の改正に先駆けて「主幹制」を導入してきた東京都では、主幹以上の管理職によって構成される企画調整会議により学校経営事項が扱われている。
 今後は、職員会議の形骸化と相俟って、このような一般教員の学校運営からの締め出しが全国化していくことが予想される。
 また、学校組織の階層化は、一般教員を分断化し、その関係を水平関係から校長をトップとする上意下達の垂直関係へと変容させた。
 これら新たな管理職の導入は、教師間の同僚性や人間主体的な関係性を阻害し、各教師を孤立化させている
 こうした状況のもと、日本の教師は、教室の子どもと向き合う一教師として教育活動に尽くす誇りを奪われているのである。
(『子どもの権利条約カウンターレポート DCI統一報告書』VIII-10 教師の同僚性および基礎的労働条件の崩壊)

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