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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

警察というのはやっていない人に「やった」と言わせる職業

2013年02月21日 | 平和憲法
  取り調べの可視化の実現を!<1>
 ◆ 「布川事件」冤罪被害者の桜井昌司さんの話


 ◆ どんな人の人権も守る観点で
 無実の人が犯罪者にされる冤罪。全く身に覚えのない、やってもいない人が「自白」してしまって、長いこと刑務所に入れられる、裁判で無罪になったが、長いこと拘置所に入れられるという事件がしばしば起きている。
 最近では、宇和島事件志布志事件足利事件厚労省元局長事件布川事件東電OL殺人事件パソコンの遠隔操作による脅迫メール事件などだ。
 しかし、これらは本人や支援者の長い闘いで無実が明らかになったケース冤罪がどれだけあるか、分からない。
 取調べ室という密室での強引な取調べが冤罪を生んでいる。
 多くの国では、取調べの全過程の録画・録音、弁護人の立会いが普通なのに、日本ではやっと録画・録音が法制審の特別部会で議論されている段階だ。
 取調べの可視化を求める市民団体連絡会が1月24日、日弁連と共済して参院議員会館で開いた集会での、冤罪被害者や関係者の発言を連載する。
 ◆ 布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さん
 警察というのはウソがうまいなあ、あの人たちの職業は「ウソつき」ということを改めて感じている。
 私は、こういう体験をさせられるまで、ウソの自白によって冤罪が作られるとは絶対に思わなかった。
 そもそも警察官がそんなひどいことをするはずがない、検察官、裁判所が間違えるはずがないと確信していた。
 私自身が44年間の冤罪を体験して思うことは、警察というのはやっていない人に「やった」と言わせる組織、職業だということ。
 なぜ、そういうことになるのか、簡単だ。ウソの自白をさせれば、おいしい思いができる、出世もできる。そういう組織だということ。
 そもそも可視化の議論が始まったのは、厚労省局長の時に逮捕・起訴された村木厚子さんの冤罪事件、検察官がウソの証拠を作ってしまってどうするのかというところから始まった。
 変えなくちゃいけないが、何も反省していない。法制審議会特別部会委員や幹事には、たくさん検察官がはいっている。あの人たちが悪いことをするのを止めさせようという可視化なのに、なぜ検察官や警察を入れるのか、ここから間違っている。あの人たちにまともな話ができるはずがない。
 泥棒は、自分を縛る縄は決してなわない。残念ながら、検察や警察に自分でやったことを反省する力はない。
 ◆  そもそも可視化は人権を守るということ。
 一般の人もそうだが、逮捕された人の人権を守らなかったら、本当の人権は守れない
 たとえ悪いことをした人でも、人間としての尊厳を守るという考えにならなくては。可視化は、その根本的な部分だと思う。
 冤罪を作らないことも、ひどい取調べを止めさせることも大事だが、その前にどんな人の人権も守るという観点に立ってもらいたい。
 そして、取調べの全過程の録音・録画=可視化の制度化を一日も早く実現してほしい。
『週刊新社会』(2013/2/19)

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