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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

労契法20条裁判(大阪医大事件・メトロコマース事件)最高裁不当判決

2020年10月15日 | 格差社会
 ◆ 私たちはあきらめない!
   ~最高裁がサイテーの「非正規差別」判決


午後3時、メトロコマース判決

 →動画(6分半)

 「最高裁はサイテーだ!」「ありえない不当判決!」「非正規は見棄てられた!」。
 10月13日午後、非正規差別なくせ裁判(大阪医大事件・メトロコマース事件)の判決が出た最高裁前では、怒号とため息が飛び交った。
 同じ仕事なら有期と無期とで差別をしてはならないという「労働契約法20条」に基づく格差是正の裁判。
 6年の時間を経て、大阪医大事件では「賞与の6割」、メトロコマース事件では「退職金の4分の1」が高裁で認められていた
 そうした格差是正の流れがあるなか、最高裁は完全にそれをひっくり返して「賞与・退職金」をゼロにしてしまったのだ。
 アベの「同一労働同一賃金」「女性総活躍」政策はどこに消えてしまったのか。
 メトロコマース原告の疋田節子さんは最高裁前で、「非正規は奈落の底に突き落とされた!非正規2千万人の期待を裏切るものだ」と声を震わせた。
 判決理由は何なんだろう。
 第三小法廷・林景一裁判長は判決文で「退職金は継続的な勤務に対する報償の性格があり、人材の確保やその定着を図る目的がある」などの理由に挙げ、正社員の退職金制度を正当化し、10年勤めようと非正規社員は関係ない、という判断を下した。
 判決文はくどくどしい文章で「4分の1退職金」がなぜだめなのか、非常にわかりにくいものだった。ただ一つ言い訳のようにあったのは、一名の裁判官(宇賀克也裁判官)の「原審の判断は是認することができる」との反対意見が付されていることだった。
 判決朗読でとんでもないことがあった。
 林裁判長が、原告の加納一美(ひとみ)さんのことを「かのうかずみ」と読み間違えたのだ。
 その場で注意する人はいなかったので、全部で4回も間違えたままだった。前代未聞である。
 「陳述書にちゃんとルビが振ってあるのになぜ間違えるのか。ばかにされていると思った」と加納さんは、唇をかんだ。
 後呂良子さんは「最高裁には1年7か月も時間を待たされた。それでこんなひどい判決しか書けない。印紙代を返してほしい」と言った。
 原告の名前も平気で間違える、そんなところに、最高裁の非正規労働者を扱う姿勢が表れているのだろう。
 メトロコマースの原告たちは、この日のために新しい横断幕を用意していた。「4人の顔写真」をあしらった横断幕には、大きく「非正規差別撤廃 私たちはあきらめない!」と書かれていた。
 この日は、昼のアピール行動から2回の裁判傍聴など終日100人以上が集まり、大きな盛り上がりを見せた。とくに女性が圧倒的に多い
 午後1時半(大阪医大事件)、午後3時(メトロコマース事件)の不当判決が出るたびに怒りの輪が広がった。
 「最高裁は恥を知れ!」「私たちはあきらめないぞ!」のシュプレヒコールが最高裁の建物に向けて鳴り響いた。
 午後5時50分から参院議員会館で開かれた報告集会には、約150人が集まりぎっしり。
 最後に挨拶した原告の後呂良子さんはこう強調した。
 「きょうが終わりではない。これが新たなスタート。私もコロナ禍で就職苦・生活苦にいま喘いでいる。退職金がないと非正規は定年後が厳しいことを実感している。だから、ますます非正規差別をなくす運動が重要だと思っている。これから新たなたたかいをつくっていきたい」とアピールした。(M)
 →メトロコマース事件 原告団弁護団声明(pdf)
http://www.labornetjp.org/files/1013seimei
 ★レイバーネットTVの次回第153号(10/21放送)では、「特集=非正規差別をなくすために~『労契法20条』最高裁判決を受けて(仮)」をお送りします。メトロコマース原告4人・大阪医大原告Mさん・竹信三恵子さん・柚木康子さんが出演予定です。ぜひご覧ください。
『レイバーネット日本』(2020-10-14)
http://www.labornetjp.org/news/2020/1013metro
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