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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

調査書改ざんで元校長逮捕

2008年08月24日 | 平和憲法
 ■ 調査書改ざん:前校長を逮捕 大学推薦入試で 静岡県警

 静岡県立高校の大学推薦入試調査書改ざん問題で、県警は22日、浜松市浜北区内野台4、前県立天竜林業高校校長、北川好伸容疑者(60)を虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで逮捕した。
 調べでは、北川容疑者は06年9~11月、東京都内の大学を志望する当時、3年生の男子生徒の調査書を応募資格基準に達するよう担当教諭らに指示して改ざん、大学に提出した疑い。「改ざんを指示したように、とらえられるのは心外だ」と容疑を否認している。

 県教委の調査で発覚し、県警に告発していた。19科目19カ所を書き換え、5点満点の評定平均を3.1から3.5に引き上げていたらしい。さらに生徒1人分の調査書も改ざんされていることが分かっている。北川容疑者は04年4月から08年3月に退職するまで同高の校長を務めた。【田口雅士】

『毎日新聞』(2008年8月22日 22時25分)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080823k0000m040115000c.html

 ■ 生徒の調査書「改ざん」指示、前県立高校長を静岡県警が聴取


 静岡県立天竜林業高校(浜松市)で、大学推薦入試に提出した調査書の評定のかさ上げが行われ、静岡県警は21日、改ざんを教諭らに指示していたとして前校長(60)(退職)から虚偽公文書作成・同行使容疑で事情聴取した。
 県教委が告発していた。

 県教委によると、前校長は在職中の2006年度、推薦基準に達していなかった評定平均値3・1の生徒について、教諭に働きかけ、19科目で基準の3・5にかさ上げさせたとされる。また、基準を満たしていた評定平均値4・2の生徒について、合格が確実になるよう教諭に3科目を改ざんさせ、4・3にかさ上げさせたとされる。生徒2人はいずれも、出願先の大学に推薦で入学した。

 県教委に4月、内部通報があった。調査の結果、前校長は否定したが、4人の教諭が改ざんを認めた。4教諭を減給の懲戒処分とするとともに、3月末で定年退職していた前校長を7月に告発していた。
 前校長は、読売新聞の取材に「希望の進学先に入学するのが困難な生徒の担任に対し、『何とかしよう』『頑張ろう』などとは言ったが、改ざんを指示したことはない」と話していた。

『読売新聞』[2008年8月22日3時5分]
http://news.www.infoseek.co.jp/society/story/20080821_yol_oyt1t01013/

 ■ 生徒募集に危機感 現校長が指摘 天竜林業高校の調査書改ざん【静岡】


 「指導熱心で前向きな先生」-。生徒2人の調査書の改ざんを教員に指示したとして逮捕された地元の伝統校、天竜林業高校の元校長北川容疑者。少子化、過疎化の問題を抱える中山間地の専門高校のトップに就き、生徒募集を有利に進めるため学校の知名度アップにも熱心だった
 森谷睦男・現校長は「改ざんは絶対に許されない」という認識を前提に「教諭4人は生徒に希望の学校にいってもらいたかったという気持ちが強かったと思う」と話した。
 同校の大学進学率は10%前後。「希望の大学に入ってくれれば、学校の知名度も上がる」と明かす。

 林業が盛んな天竜地域の特性を生かした伝統校で、林業専門教育や森林環境教育に力を入れているが、生徒数は減少傾向にあり、現在は400余人。「二俣高校と合併する話もでているほどで、学校は必死」と訴える。
 北川元校長について地元からは「前向きで積極的、人柄もよく指導熱心な先生だった」(地元経済界の男性)と評価する声がある一方で、同校OBの男性からは「強引でワンマンな一面もあった」との声も聞かれた。
 この日夜、同校でも県警などによる家宅捜索があり、電灯で照らされた職員室や事務所の中を、捜査員が慌ただしく行き来していた。

『中日新聞』(2008年8月23日)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20080823/CK2008082302000212.html

 ■ 調査書改ざん問題:当時の校長を逮捕

 静岡県立天竜林業高校(浜松市天竜区)で大学推薦入試の調査書が改ざんされて成績が水増しされていた問題で、静岡県警は8月22日、教諭らに改ざんを指示したとして、当時の校長(2008年3月に定年退職)を虚偽有印公文書作成・同行使容疑で逮捕しました。

 この問題は2006年に発生しました。2008年になって地元有力者の身内でもある特定生徒の成績について、この生徒が推薦入試受験を希望したことを受けて、入試調査書で水増しがおこなわれた」という通報が静岡県教育委員会にありました。静岡県教委は2008年6月、改ざんに関わった教諭4人を懲戒処分にしています。一方で当時の校長については、定年退職しているために懲戒処分にできないとして刑事告発しました。
 教諭らは「校長の指示だった」と話し、一方で校長は「指示を働きかけていない」としているということです。

 真偽については今後の捜査次第でしょうが、少なくとも静岡県教育委員会としての組織的・構造的な問題であり、また調査書重視の推薦入試制度の弱点が露骨に現れたケースだといえます。実際問題として、別の県(兵庫県)でも同様な改ざん問題が発覚したことがあり、現行システムである限りこのような事件は起こりうるものだと考えられます。
 捜査の状況次第では校長に必要な刑事処分が下されるのもやむを得ないでしょうが、校長個人に刑事責任をなすりつけるだけで終わりにするのならば全くの的はずれです。組織的・構造的な問題ととらえて再発防止システムを構築しなければいけません。


『きょういくブログ』
http://edugarden.blog50.fc2.com/blog-entry-1052.html

 「生徒のため」と称して不正をおこなって結局生徒のためにはならない、という結末を招いたのは、2006年に社会問題化した「高校必修科目未履修問題」と同じ構図だといえるのではないかと思います。

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