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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

退職を促した卒業式の苦痛

2007年04月02日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 退職を促した卒業式の苦痛
       高校教員 青崎百合雄(神奈川県相模原市 44歳)


 私は今月末に都立高校を退職する。退職願を昨年末に提出した。2年前の卒業式が近づいたある日、休み時間に男子生徒が話しかけてきた。「卒業式の国歌斉唱に参加できません」。心配した私は式の直前、彼に声をかけた。すると彼は「大丈夫。自分の気持に従って行動しますから」と、私を安心させるかのように答えた。
 式の当日、彼は大多数の生徒と共に起立し、国歌を歌っているように見えた。しかし表情は曇っていた。卒業式は彼にとって屈辱の日になったことだろう。
 卒業式や入学式で日の丸を掲げ、起立して君が代を斉唱することを東京都教育委員会は03年に通達した。校長も同じ指示を出した。だが、彼の顔を曇らせた責任は私たち現場の教職員にもある。私は「通達にただ従うのではなく、学校が独自に判断すべきではないのか」と職員会議で食い下がったが、かなわなかった。
 心の葛藤を年々繰り返す中、私の精神的な苦痛は大きくなるばかりで、耐えられなくなった。卒業式や入学式で国旗掲揚や国歌斉唱は誰のために必要なのか、いま一度考えて欲しい。

  『朝日新聞』(2007/3/29「声」)

 石原教育行政の罪
                        澤藤統一郎の憲法日記


 本日の朝日「声」(投書)欄を見て驚いた。
 青崎百合雄さんが投稿している。出だしが、「私は今月末に都立高校を退職する。退職願を昨年末に提出した」というのだ。えっ? 知らなかった。そう言えば、最近集会で顔を会わせていない。

 青崎さんとは、1999年の秋に知り合った。国旗国歌法制定後の「日の丸・君が代 強制反対ホットライン」の企画でご一緒して以来のお付き合い。まだ、30代だった彼が、「自分は、どうしても君が代では起てないように体ができている」と言っていた。
 その青崎さんが、「心の葛藤を年々繰り返す中、私の精神的な苦痛は大きくなるばかりで、耐えられなくなった」と、血を吐くような言葉を連ねている。
 ナイーブな心根に、石原教育行政の仕打ちは耐え難い暴力なのだ。
 一瞬、石原慎太郎や米長邦雄・鳥海巖などの輩の、せせら笑いが聞こえた気がした。青崎さんを支える私たちの力が総体として足りないことを無念にも、申し訳ないとも思う。
 でも、青崎さん。訴訟は継続しよう。運動は続けよう。現場の苦しみを一番分かる人として。
 今度は、晴れやかに胸を張って。


2007年03月29日(木)21:20 この記事のURL 日記 澤藤統一郎

http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/sawafuji/

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