沖縄タイムス
◆ 日本の「犠牲区域」 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)
米軍の意向にひたすら追随の破廉恥。政府の沖縄・辺野古新基地建設。それにたいして病を押して抵抗、いわば憤死を遂げた翁長雄志前知事の死から三年四カ月がたつ。
杜撰(ずさん)な計画の破綻を「計画変更」で乗り切ろうとする国策に、翁長さんの衣鉢を継ぐ玉城デニー知事が「不承認」として全面対決。
米軍キャンプ・シュワブ前で、コロナ禍を衝(つ)いて一年ニカ月ぶりに開かれた県民集会で発言した。残念ながら私は二年ほど参加していない。
玉城知事は国には負けない、と演説した。
「軟弱地盤があると分かっていたにもかかわらず、見切り発車で始まった不法な埋め立てだ」
「国はあらゆる手段を使って辺野古の埋め立てを進めようとするだろうが、国の横暴に負けてはいけない。一致団結して行動していきましょう」(五日「沖縄タイムス」)
圧倒的多数の県民が反対し、県議会が反対し、県知事が反対しても、政府は「辺野古が唯一の解決策」と機動隊とともに攻めてくる。
野蛮な侵略といってまちがいない。
「沖縄に基地を押し付けて平然としているヤマトウンチュー(日本人)の差別と無関心が、沖縄の苦しみの根源にある。日本全体の利益のためには沖縄を犠牲にしてかまわない。沖縄を『捨て石』にする構造は、沖縄戦のときも現在も変わっていない」(目取真俊『ヤンバルの深き森と海より』)
『東京新聞』(2021年12月7日【本音のコラム】)
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