《松尾ゆりの杉並区議会報告 2009年06月11日》
◎ 区議会で区長の政治姿勢を問いました
2009年6月9日、松尾ゆりは杉並区議会一般質問に立ち、山田区長の政治姿勢、教科書選定への歴史認識、和田中学校での夜スペについて質問しました。質問原稿を紹介します。これは発言原稿で議事録とは細かな点では違いがあることをご了承下さい。
(略)
3番目に和田中「夜スペ」についてうかがいます。
この問題については、これまで何度となくとりあげて来ましたが、どう考えても、公立学校のルールに反していることが多すぎます。
●不適切な学校使用の実態
まず、予算特別委員会で質問しました「夜スペ」事業への学校施設使用許可の問題です。第一に、平日の授業時間帯に部屋を貸していることです。学校の授業が行われている時間帯に、たまたま授業には使っていない部屋とはいっても目的外使用を許可する例があるのでしょうか。第二に、土曜日に3年生の普通教室を使って「夜スペ」を開催しています。毎週です。こういうことが、他の学校でやられている例があるのでしょうか。前例があるかどうかお聞きします。
普通教室は、一般的に子どもの私物があったり、成績物が張り出されていたりします。クラスの教室ですから、当然、誰がどこの席ということもきまっています。そこに民間の塾の先生や地域の人たち、そして違うクラスの子どもが入ってきた場合に起こりうることして、特定の生徒の席にいたずらされたり、モノがなくなったり、そういうトラブルの可能性を考えないのでしょうか。別の時間帯に事業を行うことがなぜできないのでしょうか。
和田中の学校施設使用をめぐって、最近は利用者団体から、使用が難しくなったとか、地域本部の会議とダブルブッキングされていたという苦情が出ているとききます。
どうも和田中においては地域本部と夜スペの施設使用が最優先で、学校側は変更を申し入れることなど考えもつかないようです。
●塾が学校内で進路指導
次に、進路指導についてです。これは予算委員会でも指摘しましたが、昨年12月、学校側が3年生を対象に進路の三者面談を行っている同じ日、同じ時間帯に、「夜スペ」参加者に対して私塾が進路面談を平行して行っていました。
学校施設の目的外使用は学校教育法の定めにもとづいていますが、その条件は、あくまでも「学校教育上支障のない範囲」です。義務教育9年間の集大成である進路指導を、なんと塾がやるのです。どう考えても学校教育への重大な妨害であり「学校教育上の支障」ですので、目的外使用として認めてはならないと思いますが、あらためて見解を伺います。
ところで、最近、他の自治体の事例で、放課後や土曜日の補習という事業が増えてきましたので、電話で問い合わせてみました。
たとえば大田区では小中学生対象に、各学校に講師が派遣されます。講師の時給は2500円、保護者負担はゼロです。渋谷区でも小学生を対象にやはり時給2500円で講師を募集し、保護者負担は無料で補習をしています。
●「夜スペ」は「非営利」といえない
ひるがえって、和田中の夜スペですが、保護者から1か月あたり24000円を徴収しています。他区では本人負担ゼロでやっていることをなぜ夜スペはこれだけ高額の授業料をとるのか。もちろん公費負担がないので、一定の負担が生じるのはやむをえないですが、講師の時給を他区同様の2500円として計算してみると、現在の80人の受講生で毎回3人分の人件費を負担しても、生徒一人当たりは1か月5000円で運営できます。営利事業でないというなら、せめてこの程度の値段でやるのが妥当です。それが24000円ということはどこかに利益が流れているということで、非営利とはいえません。
それなのに、夜スペは使用料を免除されています。免除を決定したのは教育委員会です。毎月ごとに200万円近くもの会費を集める事業に学校施設を無料で貸しているケースが果たしてほかにあるのでしょうか。多分ないと思います。
夜スペに対しては民間の営利企業と同等に使用料を徴収して当然ではないでしょうか。たとえば同じ学校施設の使用ですが、中学校で英検の試験会場として学校を使う場合があります。その場合、やはり外部団体の目的外使用ということになりますが、英検に教室使用を認めた場合、使用料は徴収しているでしょうか。また、その場合の使用料はいくらでしょうか。お答えください。
●区外からの通学者が増えている
もうひとつ問題なのは、最近、和田中に区外から入学する人が急激にふえているらしいことです。
和田中には、もともと区外から多くの入学者が集中しており、昨年1月私が視察にうかがったとき、藤原前校長は、「生徒の約3分の1が学区の子。3分の1が隣接学区の子。のこり3分の1はそれ以外から来ている」と断言しました。現在はさらに外部からの入学が増えていると推測されます。極端な例では、東北や九州からも、わざわざ出てくるほど和田中には全国区で人が集まっているそうです。
人が集まるのはいいのですが、問題なのは、生活の実態がないのに、住民票だけをうつす、いわゆる「寄留」とよばれるケースです。人が集まるのはいいですが、杉並区には税金を払わず、サービスだけを受ける人があまりにも多くなると困ります。一種の食い逃げのようなものです。
そこで伺いますが、区外からの杉並区立中学への進学は可能でしょうか。どのような条件の場合に区外からの入学を認めるのでしょうか。ルールをお示しください。また、和田中には区外在住の生徒が何人在籍していますか。それから学区内や隣接学区に寄留している生徒は何人でしょうか。
●なぜ和田中だけが無抽選?
昨年10月段階の学校希望調査によりますと、和田中の学区の新中1の子の住基人口105名に対し、学区外から希望している子が115名でした。ちなみに、住基人口に対して、外部からの希望者のほうが上まわっているという学校は和田中だけです。
学校希望制において、学区外からの希望者40名以上の場合には原則抽選が行われますが、和田中だけはなぜかこれまで一度も抽選が実施されていません。そのため人数もずいぶん増えました。他校とくらべずいぶん不公平なやりかたです。また、抽選をしないので地域外からくる人がどんどん増えてしまい、地域の子が少数になり、地域とのかかわりの薄い学校に変質していると思われます。学区外からの希望者が多数の場合は当然抽選を実施すべきであると考えますが、ご所見をうかがいます。
●民間人校長はもういらない
さらに、和田中では、藤原前校長時代に「PTAを廃止する」と発表して物議を醸しました。実際には廃止とまではいきませんでしたが、この件について、最近、また藤原氏は新聞紙上で「PTA制度が時代にあっていない。多くのお母さんが不幸になる」とまで言ってPTAを強烈に否定しています。区はPTAについて、藤原氏と同じ、否定的考え方をとるのでしょうか、ご所見をうかがいます。
杉並区の民間人校長登用はすでに7年の長きに及んでいますが、これまで述べたように不適切な教室使用許可がだされたり、越境入学の問題、PTA活動への介入など、他校にはありえないような問題を起こしてきました。公立のルールを無視して、学校を好き勝手にするばかりの民間人校長はもうやめて、教員としての経験と資質を備えた人物を校長として、公立学校としての秩序を取り戻すべきではありませんか。この点について最後にうかがって質問を終わります。
※杉並わくわく会議 杉並区議会議員 松尾ゆり HP
http://suginami-waku2.net/2009/06/200969.html
◎ 区議会で区長の政治姿勢を問いました
2009年6月9日、松尾ゆりは杉並区議会一般質問に立ち、山田区長の政治姿勢、教科書選定への歴史認識、和田中学校での夜スペについて質問しました。質問原稿を紹介します。これは発言原稿で議事録とは細かな点では違いがあることをご了承下さい。
(略)
3番目に和田中「夜スペ」についてうかがいます。
この問題については、これまで何度となくとりあげて来ましたが、どう考えても、公立学校のルールに反していることが多すぎます。
●不適切な学校使用の実態
まず、予算特別委員会で質問しました「夜スペ」事業への学校施設使用許可の問題です。第一に、平日の授業時間帯に部屋を貸していることです。学校の授業が行われている時間帯に、たまたま授業には使っていない部屋とはいっても目的外使用を許可する例があるのでしょうか。第二に、土曜日に3年生の普通教室を使って「夜スペ」を開催しています。毎週です。こういうことが、他の学校でやられている例があるのでしょうか。前例があるかどうかお聞きします。
普通教室は、一般的に子どもの私物があったり、成績物が張り出されていたりします。クラスの教室ですから、当然、誰がどこの席ということもきまっています。そこに民間の塾の先生や地域の人たち、そして違うクラスの子どもが入ってきた場合に起こりうることして、特定の生徒の席にいたずらされたり、モノがなくなったり、そういうトラブルの可能性を考えないのでしょうか。別の時間帯に事業を行うことがなぜできないのでしょうか。
和田中の学校施設使用をめぐって、最近は利用者団体から、使用が難しくなったとか、地域本部の会議とダブルブッキングされていたという苦情が出ているとききます。
どうも和田中においては地域本部と夜スペの施設使用が最優先で、学校側は変更を申し入れることなど考えもつかないようです。
●塾が学校内で進路指導
次に、進路指導についてです。これは予算委員会でも指摘しましたが、昨年12月、学校側が3年生を対象に進路の三者面談を行っている同じ日、同じ時間帯に、「夜スペ」参加者に対して私塾が進路面談を平行して行っていました。
学校施設の目的外使用は学校教育法の定めにもとづいていますが、その条件は、あくまでも「学校教育上支障のない範囲」です。義務教育9年間の集大成である進路指導を、なんと塾がやるのです。どう考えても学校教育への重大な妨害であり「学校教育上の支障」ですので、目的外使用として認めてはならないと思いますが、あらためて見解を伺います。
ところで、最近、他の自治体の事例で、放課後や土曜日の補習という事業が増えてきましたので、電話で問い合わせてみました。
たとえば大田区では小中学生対象に、各学校に講師が派遣されます。講師の時給は2500円、保護者負担はゼロです。渋谷区でも小学生を対象にやはり時給2500円で講師を募集し、保護者負担は無料で補習をしています。
●「夜スペ」は「非営利」といえない
ひるがえって、和田中の夜スペですが、保護者から1か月あたり24000円を徴収しています。他区では本人負担ゼロでやっていることをなぜ夜スペはこれだけ高額の授業料をとるのか。もちろん公費負担がないので、一定の負担が生じるのはやむをえないですが、講師の時給を他区同様の2500円として計算してみると、現在の80人の受講生で毎回3人分の人件費を負担しても、生徒一人当たりは1か月5000円で運営できます。営利事業でないというなら、せめてこの程度の値段でやるのが妥当です。それが24000円ということはどこかに利益が流れているということで、非営利とはいえません。
それなのに、夜スペは使用料を免除されています。免除を決定したのは教育委員会です。毎月ごとに200万円近くもの会費を集める事業に学校施設を無料で貸しているケースが果たしてほかにあるのでしょうか。多分ないと思います。
夜スペに対しては民間の営利企業と同等に使用料を徴収して当然ではないでしょうか。たとえば同じ学校施設の使用ですが、中学校で英検の試験会場として学校を使う場合があります。その場合、やはり外部団体の目的外使用ということになりますが、英検に教室使用を認めた場合、使用料は徴収しているでしょうか。また、その場合の使用料はいくらでしょうか。お答えください。
●区外からの通学者が増えている
もうひとつ問題なのは、最近、和田中に区外から入学する人が急激にふえているらしいことです。
和田中には、もともと区外から多くの入学者が集中しており、昨年1月私が視察にうかがったとき、藤原前校長は、「生徒の約3分の1が学区の子。3分の1が隣接学区の子。のこり3分の1はそれ以外から来ている」と断言しました。現在はさらに外部からの入学が増えていると推測されます。極端な例では、東北や九州からも、わざわざ出てくるほど和田中には全国区で人が集まっているそうです。
人が集まるのはいいのですが、問題なのは、生活の実態がないのに、住民票だけをうつす、いわゆる「寄留」とよばれるケースです。人が集まるのはいいですが、杉並区には税金を払わず、サービスだけを受ける人があまりにも多くなると困ります。一種の食い逃げのようなものです。
そこで伺いますが、区外からの杉並区立中学への進学は可能でしょうか。どのような条件の場合に区外からの入学を認めるのでしょうか。ルールをお示しください。また、和田中には区外在住の生徒が何人在籍していますか。それから学区内や隣接学区に寄留している生徒は何人でしょうか。
●なぜ和田中だけが無抽選?
昨年10月段階の学校希望調査によりますと、和田中の学区の新中1の子の住基人口105名に対し、学区外から希望している子が115名でした。ちなみに、住基人口に対して、外部からの希望者のほうが上まわっているという学校は和田中だけです。
学校希望制において、学区外からの希望者40名以上の場合には原則抽選が行われますが、和田中だけはなぜかこれまで一度も抽選が実施されていません。そのため人数もずいぶん増えました。他校とくらべずいぶん不公平なやりかたです。また、抽選をしないので地域外からくる人がどんどん増えてしまい、地域の子が少数になり、地域とのかかわりの薄い学校に変質していると思われます。学区外からの希望者が多数の場合は当然抽選を実施すべきであると考えますが、ご所見をうかがいます。
●民間人校長はもういらない
さらに、和田中では、藤原前校長時代に「PTAを廃止する」と発表して物議を醸しました。実際には廃止とまではいきませんでしたが、この件について、最近、また藤原氏は新聞紙上で「PTA制度が時代にあっていない。多くのお母さんが不幸になる」とまで言ってPTAを強烈に否定しています。区はPTAについて、藤原氏と同じ、否定的考え方をとるのでしょうか、ご所見をうかがいます。
杉並区の民間人校長登用はすでに7年の長きに及んでいますが、これまで述べたように不適切な教室使用許可がだされたり、越境入学の問題、PTA活動への介入など、他校にはありえないような問題を起こしてきました。公立のルールを無視して、学校を好き勝手にするばかりの民間人校長はもうやめて、教員としての経験と資質を備えた人物を校長として、公立学校としての秩序を取り戻すべきではありませんか。この点について最後にうかがって質問を終わります。
※杉並わくわく会議 杉並区議会議員 松尾ゆり HP
http://suginami-waku2.net/2009/06/200969.html
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