◆ 12・25JRFS【補足要請】 国際人権条約で文科省に関わる事項
この日要請を受けたのは、大臣官房国際課国際協力企画室の森 祐介氏。国際人権条約で文科省に関わる事項について、参加会員から3項目の補足要請が追加提出された。
(1)高校授業料無償化について
社会権規約13条2(b)(c)(無償教育の漸進的な導入)の留保を撤回された努力に敬意を表しつつも、現政権の下で高校授業料無償化に所得制限が付いたことは条約の精神から後退するものと思われます。
朝鮮人学校の無償化除外廃止も含めて、すべての子どもに中等・高等教育の無償化が1日も早く導入されるよう、文科省の責任においてご尽力をお願いします。
(2)第6回自由権規約日本政府審査List of Issues への対応について
別添資料の通り、『自由権規約一般的意見34』の「パラグラフ38」において、「国旗・国歌」の扱いについて厳罰に処すべきではない、とされているところ、
第6回日本政府審査において自由権規約委員会から本年11月に示された『List of Issues』には、「パラグラフ17」において、教職員の不起立不斉唱を処罰することについて政府に説明を求めています。
この回答においては、国内法はもちろん、国際人権条約や一般的意見、過去の総括所見に示された国際人権の理念に合致する、人権理事国に相応しい質問に正対した回答をなされるよう、要請いたします。
(3)学習指導要領の中の「国際人権」の取扱いについて
『子どもの権利条約』の精神から、学校教育において人類普遍の権利として「国際人権」を学ぶことは極めて重要です。
しかし現行『学習指導要領』の中には、明示的に体系化された「国際人権教育」は記載がないと思われます。
子どもたちが小さい時から、国際水準の人権感覚が身につくように、『学習指導要領』の中に、国際人権諸条約の紹介を含めた国際人権学習の推進を明記していただけるよう、お願いいたします。
<別添資料.1>
◎ 自由権規約19条に関する『一般的意見34』(2011年7月21日採択)から
38. As noted earlier in paragraphs 13 and 20, concerning the content of political discourse, the Committee has observed that in circumstances of public debate concerning public figures in the political domain and public institutions, the value placed by the Covenant upon uninhibited expression is particularly high. Thus, the mere fact that forms of expression are considered to be insulting to a public figure is not sufficient to justify the imposition of penalties, albeit public figures may also benefit from the provisions of the Covenant. Moreover, all public figures, including those exercising the highest political authority such as heads of state and government, are legitimately subject to criticism and political opposition. Accordingly, the Committee expresses concern regarding laws on such matters as, lese majeste, desacato, disrespect for authority, disrespect for flags and symbols, defamation of the head of state and the protection of the honour of public officials, and laws should not provide for more severe penalties solely on the basis of the identity of the person that may have been impugned. States parties should not prohibit criticism of institutions, such as the army or the administration.
38.上記パラ13および20で述べたように、政治的言説の内容に関して、委員会は、政治的領域および公的機関の公人に関する公共の議論においては、規約が自由な表現に対して特に高い価値を認めていることに留意してきた。したがって、たとえ、公人もまた規約の規定から恩恵を受けることができるとしても、表現の形態がある公人に対して侮辱的とみなされるという事実だけで、処罰を科すことが十分に正当化されるわけではない。さらに、国家元首や政府の最高責任者等の最高政治権力の行使者をはじめ、すべての公人は、合法的に、批判および政治的反対の対象になる。 したがって、委員会は、不敬罪、侮辱罪、権威に対して敬意を払わないこと、旗やシンボルに対して敬意を払わないこと、国家元首に対する名誉毀損、 および公務員の名誉の保護等に関する法令に対して、懸念を表明する。また、法令は、非難の対象となったとされる人物が誰であるかということのみを根拠にして、より厳しい処罰を与えるべきではない。締約国は軍隊や行政等の組織に対する批判を禁ずるべきではない。
<別添資料.2>
◎ 自由権規約第6回日本政府審査List of Issues(2013年11月12日)から
Freedom of religion, opinion and expression (arts. 18 and 19)
17. In light of the Committee's previous concluding observations (CCPR/C/JPN/CO/5, para. 10) please indicate if the State party intends to adopt legislation defining the concept of "public welfare" and specifying that any restrictions placed on freedom of religion, opinion and expression on grounds of "public welfare" may not exceed those permissible under the Covenant. Please comment on reports that teachers and school personnel have been subjected to sanctions, including salary cut, suspension and dismissal, for refusing to stand and sing the national anthem at school ceremonies.
宗教、意見、および表現の自由(規約18条および19条)
17.締約国(日本)は、規約委員会の前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5パラ10)に照らして、「公共の福祉」概念を定義し、「公共の福祉」に基づく宗教、意見、および表現の自由に対するいかなる制約も規約の許す範囲を超えないことを規定する立法措置を講じるるつもりがあるのかどうか、示されたい。教職員が学校儀式において起立し国歌を斉唱しないことに対して、減給、停職、および解雇を含む処罰を受けているという報告に関してコメントされたい。
(完)
『今 言論・表現の自由があぶない!』(2013/12/25)
http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/25727412.html
この日要請を受けたのは、大臣官房国際課国際協力企画室の森 祐介氏。国際人権条約で文科省に関わる事項について、参加会員から3項目の補足要請が追加提出された。
(1)高校授業料無償化について
社会権規約13条2(b)(c)(無償教育の漸進的な導入)の留保を撤回された努力に敬意を表しつつも、現政権の下で高校授業料無償化に所得制限が付いたことは条約の精神から後退するものと思われます。
朝鮮人学校の無償化除外廃止も含めて、すべての子どもに中等・高等教育の無償化が1日も早く導入されるよう、文科省の責任においてご尽力をお願いします。
(2)第6回自由権規約日本政府審査List of Issues への対応について
別添資料の通り、『自由権規約一般的意見34』の「パラグラフ38」において、「国旗・国歌」の扱いについて厳罰に処すべきではない、とされているところ、
第6回日本政府審査において自由権規約委員会から本年11月に示された『List of Issues』には、「パラグラフ17」において、教職員の不起立不斉唱を処罰することについて政府に説明を求めています。
この回答においては、国内法はもちろん、国際人権条約や一般的意見、過去の総括所見に示された国際人権の理念に合致する、人権理事国に相応しい質問に正対した回答をなされるよう、要請いたします。
(3)学習指導要領の中の「国際人権」の取扱いについて
『子どもの権利条約』の精神から、学校教育において人類普遍の権利として「国際人権」を学ぶことは極めて重要です。
しかし現行『学習指導要領』の中には、明示的に体系化された「国際人権教育」は記載がないと思われます。
子どもたちが小さい時から、国際水準の人権感覚が身につくように、『学習指導要領』の中に、国際人権諸条約の紹介を含めた国際人権学習の推進を明記していただけるよう、お願いいたします。
<別添資料.1>
◎ 自由権規約19条に関する『一般的意見34』(2011年7月21日採択)から
38. As noted earlier in paragraphs 13 and 20, concerning the content of political discourse, the Committee has observed that in circumstances of public debate concerning public figures in the political domain and public institutions, the value placed by the Covenant upon uninhibited expression is particularly high. Thus, the mere fact that forms of expression are considered to be insulting to a public figure is not sufficient to justify the imposition of penalties, albeit public figures may also benefit from the provisions of the Covenant. Moreover, all public figures, including those exercising the highest political authority such as heads of state and government, are legitimately subject to criticism and political opposition. Accordingly, the Committee expresses concern regarding laws on such matters as, lese majeste, desacato, disrespect for authority, disrespect for flags and symbols, defamation of the head of state and the protection of the honour of public officials, and laws should not provide for more severe penalties solely on the basis of the identity of the person that may have been impugned. States parties should not prohibit criticism of institutions, such as the army or the administration.
38.上記パラ13および20で述べたように、政治的言説の内容に関して、委員会は、政治的領域および公的機関の公人に関する公共の議論においては、規約が自由な表現に対して特に高い価値を認めていることに留意してきた。したがって、たとえ、公人もまた規約の規定から恩恵を受けることができるとしても、表現の形態がある公人に対して侮辱的とみなされるという事実だけで、処罰を科すことが十分に正当化されるわけではない。さらに、国家元首や政府の最高責任者等の最高政治権力の行使者をはじめ、すべての公人は、合法的に、批判および政治的反対の対象になる。 したがって、委員会は、不敬罪、侮辱罪、権威に対して敬意を払わないこと、旗やシンボルに対して敬意を払わないこと、国家元首に対する名誉毀損、 および公務員の名誉の保護等に関する法令に対して、懸念を表明する。また、法令は、非難の対象となったとされる人物が誰であるかということのみを根拠にして、より厳しい処罰を与えるべきではない。締約国は軍隊や行政等の組織に対する批判を禁ずるべきではない。
<別添資料.2>
◎ 自由権規約第6回日本政府審査List of Issues(2013年11月12日)から
Freedom of religion, opinion and expression (arts. 18 and 19)
17. In light of the Committee's previous concluding observations (CCPR/C/JPN/CO/5, para. 10) please indicate if the State party intends to adopt legislation defining the concept of "public welfare" and specifying that any restrictions placed on freedom of religion, opinion and expression on grounds of "public welfare" may not exceed those permissible under the Covenant. Please comment on reports that teachers and school personnel have been subjected to sanctions, including salary cut, suspension and dismissal, for refusing to stand and sing the national anthem at school ceremonies.
宗教、意見、および表現の自由(規約18条および19条)
17.締約国(日本)は、規約委員会の前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5パラ10)に照らして、「公共の福祉」概念を定義し、「公共の福祉」に基づく宗教、意見、および表現の自由に対するいかなる制約も規約の許す範囲を超えないことを規定する立法措置を講じるるつもりがあるのかどうか、示されたい。教職員が学校儀式において起立し国歌を斉唱しないことに対して、減給、停職、および解雇を含む処罰を受けているという報告に関してコメントされたい。
(完)
『今 言論・表現の自由があぶない!』(2013/12/25)
http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/25727412.html
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