文科省・中教審の"チーム学校作業部会"の『答申素案』(特に後半)は児童生徒のための教育でなく、ピラミッド型の管理統制型の学校組織作りです
■ 反対意見のパブコメを、12月2日までに出しましょう。
永野厚男・教育ジャーナリストから
2014年7月の、自民党所属の下村博文文部科学相(当時。61歳)の中央教育審議会への諮問を受け、文科省・初等中等教育企画課が初等中等教育分科会に設置した「チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会」(以下、"チーム学校作業部会"と略記)が、『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』(以下、『答申素案』と略記することもある)なるものを出した。
12月2日深夜11時59分まで、メールかFAXにてパブコメを募集しているが、文科省はこれまでも私たち立憲主義を大切にする側のパブコメを無視し、自民党など政権政党に近い管理統制を強める勢力のパブコメだけ取り入れ、自分たちの都合のよいように『答申』を作り、政権政党と一緒に法改悪に持って行くのが、ほとんどであった。
今回の"チーム学校作業部会"の『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、『答申素案』の真ん中以降は、後掲の「1」~「7」の「意見例」に書いた通り、「児童生徒のための教育でなく、ピラミッド型の管理統制型の学校組織作り」であり、百害あって一利なしです。
特に「2」に詳述した"主幹教諭"の管理職化は、危険です。
この「反対意見のパブコメのお願い」の一番最後の「×印」の「『答申素案』の前半しか伝えない、一部の一面的なマスコミのHPから」にある、『答申素案』の前半の一部(スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカの充実)については、私たちは賛成ですが、「1」~「6」の「意見例」の問題点や欠陥、対案を中心に、文科省に対し、反対意見のパブコメを、12月2日深夜11時59分までに出して頂頂ければ、幸いです。
提出先や、件名を【答申(素案)への意見】と明記すること等、応募要領は、「1」~「7」の「意見例」の後の、「※印」に掲げた、文科省HPのコピペを参考に、お願いします。
【答申(素案)への意見】
1 "主幹教諭"や副校長の増員でなく、一般教諭の加配拡充を
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』47頁が、"改善方策"と称し、
――国は、主幹教諭が本来、期待される役割を十分に担い、校長、副校長、教頭を補佐し、主幹教諭のさらなる配置を促進するための加配措置を拡充することを検討する。――
と主張しているのは、間違っており、撤回すべきです。
児童生徒のためには教員を1人でも多く配置するのが良いのは当然ですが、"主幹教諭"は一般の教諭より給与が高額です。
どのくらい給料表の金額が違うかは、すぐには言えませんが、例えば"主幹教諭"10名分より一般の教諭21人の方が安いかもしれません。
限られた税金からの給与である以上、一般の教諭の加配拡充の方が望まれます。副校長の増員も反対です。
2 "主幹教諭"の管理職化は絶対反対~38の関係団体中、僅か1~2団体が主張しただけだ~パワハラ防止指針策定こそ急務
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』46頁が、
――また、関係団体ヒアリングでは、主幹教諭が期待される役割を果たしていくために、管理職としての位置付けを明確にするべき、という意見もあった。――
と主張しているのは、間違っており、撤回すべきです。
私たちが「予防訴訟を引き継ぐ会」(東京の公立学校の現・元教職員や支援の保護者ら市民で構成)の学習会で取材したところ、"主幹教諭"の中には、管理職気取りで、一般の教諭に対し、パワハラを行う者も少なくありません。
また、文科省の「教員のメンタルヘルス対策会議」で、江戸川区立小岩第三中学校校長の蓮沼千秋先生は、
――「俺は副校長を2人、辞めさせた」と自慢げに語る校長がいた。――
旨、一部校長のパワハラの実態を、勇気を持って告発されました。
このように校長・副校長・"主幹教諭"の中には、管理職気取りで、一般の教諭に対し、パワハラを行う者もいるのですが、都教委はパワハラ防止指針を頑として策定しません("君が代"強制の"職務命令"発出をし易くするため、パワハラ防止指針を策定しないのなら、トンデモナイことです)。
文科省と全国の教委は、セクハラ防止指針だけでなく、パワハラ防止指針もきちんと策定し、一般の教諭が働き易い職場環境を整えるべきです。
"主幹教諭"の管理職化は、8月から9月にかけて、38の関係団体ヒアリングで僅か1~2団体が主張しただけである(38分の1に過ぎない!)である上に、前記の通り、管理職気取りで、一般の教諭に対し、パワハラを行う者が増えかねないので、絶対反対です。
副校長の増員も反対です。
限られた税金なのだから、一般の教諭の加配拡充の方が望まれます。
3 児童生徒の気持ちや実態が分かる教員であり続けるために~"主幹教諭"の授業時数は一般教諭と同時間で
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』46頁は、
――「主幹教諭の授業時数が多く、期待される校務を処理できない」とする指摘が多い。――
と主張しているのは、間違っており、撤回すべきです。
学校で一番大事なのは、言うまでもなく授業です。都教委は"主幹教諭"全国初導入時(2003年)、"主幹"は"教員のリーダー"である、と言っていました。"教員のリーダー"であるならば、"主幹教諭"は管理職化せず、一般の教諭と同時間の授業時数を担当し、部活動もきちんと持ち、児童生徒の気持ちや実態が分かる教員であり続けるべきです。
4 "文科大臣優秀教職員表彰"は拡大でなく廃止を~"表彰"に要する税金は、貧困・経済格差に喘ぐ児童生徒に回すべき
"文部科学大臣優秀教職員表彰"なるものは、『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』52頁が、
――《前略》国においても、学校教育における教育実践等に顕著な成果を上げた教職員を文部科学大臣が表彰し、その功績を広く周知することにより、《後略》――
と述べている通り、対象は「学校教育における教育実践等」(「等」に注目!)であり、例えば、都教委の"経営支援部"設置等、児童生徒の教育の方を向くのではなくだけでなく、上意下達の管理システム作りで"成果"を上げた者の方がむしろ対象になり得るのです。
"文部科学大臣優秀教職員表彰"と称し、①時にはナショナリズムの思想性を持つ政権政党や文科省の教育政策への"忠誠"度が旺盛であったり、②文科省や教委・校長の施策や方針が誤っていても批判的精神を発揮せず従う"出世"競争に"勝ち抜く等、「児童生徒よりも政権政党や文科省・教委・校長の方に目を向ける"教員を"表彰"する」のを加速させるシステムは、廃止すべきです(民主党政権時、"事業仕分け"の対象にすべきでしたが、"事業仕分け"の担当議員が"事業仕分け"の対象にするのを怠ったのは残念です。民主党には、戦争法反対で、立憲主義の重要性を語ってくれる衆参両院議員が少なからずいたのですが・・・)。
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』53頁がこの"文部科学大臣優秀教職員表彰"について、
――国は、《中略》教職員個人だけでなく、学校単位、分掌単位等の取組を表彰することを検討する。あわせて、表彰された教職員の実践や指導力を活用する方策を検討する。――
と"拡大"を主張しているのは、間違っており、撤回すべきです。
税金のムダ遣いでもあります。"文部科学大臣優秀教職員表彰"に要する税金は、貧困・経済格差に喘ぐ児童生徒のために転用すべきです。
『答申素案』の言う「優れた教育実践等で成果を上げた」か否か、教職員を評価(ランク付けでなく、「あの先生、いいね」というもの)するのは児童生徒や同僚教員、保護者であるべきであり、文科省や教委ではありません。
また、"文部科学大臣優秀教職員表彰"は冒頭、"君が代"斉唱というセレモニーがありますが、どうしてもこの税金のムダ遣いの"表彰"を続けるなら、児童生徒と関係のない"君が代"斉唱は式次第から排除し、会場内の日章旗は敬礼を伴わない三脚掲揚にすべきです。そして最低限、「学校教育における教育実践等」の「等」は削除すべきです。
更に『答申素案』が「表彰に伴う措置として、特別な研修機会を付与するなどの取組を進めていくことも大切で」と言っているのも、筑波の(独)研修センター等で、"国家"に忠実な教員(というより管理職)になるための"研修"の"機会"を増やす危険性があります。
なお、現在、全連小や全日中の校長らが年1回、平日に学校から離れ、"文科省詣で"をした後、集団で皇居にバス移動し、天皇に会います(彼らは"拝謁"などという身分差別の語を使用)。あり得ないとは思いますが、"文部科学大臣優秀教職員表彰"の受賞教員がこれに倣い、天皇に会うなどという"栄典"を与えられると、益々児童生徒から離れていく(国家権力の方を向く)恐れがあることを、付記します。
5 「チームとしての学校」像(イメージ図)は、ピラミッド型でなく職員会議を中心とする、全員がフラットな組織図に書き直しを
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』12頁の、
――「チームとしての学校」像(イメージ図)――
なるものは、「主幹教諭」を一般教諭の上に位置付け、ピラミッド型の管理統制型の学校組織作りが正しいかのように宣伝しています。
このようなピラミッド型の管理統制型の組織は、日本国憲法第9条の禁じる軍隊と同じです。ピラミッド型で教諭が(副)校長・教頭・"主幹教諭"の命令・指示通り動かされるというのは屈辱感を高めるだけで、自尊感情・自己肯定観を損ねます。
一番生き生きと働ける理想的な学校組織は、職員会議を中心とする全員がフラットな民主的な組織です(職員会議を校長の上位に位置付けるべきです)。これに次ぐ"次善の策"は、鍋蓋の「蓋」を最小限にすること、即ち「蓋」は(副)校長・教頭のみとし、"主幹教諭"は一般教諭と同列に位置付けると共に、職員会議は最低限、校長と同列に位置付けるべきです。
6 特定の政治歴意図を持つ"調査もの"や"研修"は廃止に
6-1 服部良一衆院議員(当時)のお世話になり開催した文科省交渉でも出た、特定の政治的意図を持つ"調査もの"は廃止に
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』8頁~10頁の、
――(3)子供と向き合う時間の確保等のための体制整備――は、
教職員((副)校長・教頭を含む)の「子どもと向き合う時間」を奪っているのが、文科省と教育委員会の特定の政治的意図を持つ"調査もの"や"研修"の強制にある、という事実に目を閉ざしています。
9頁の最後にある、
――特に、副校長・教頭は、学校内外の複雑な調整業務を中心的に担うとともに、各種調査依頼への対応等《中略》を担うなどしている。――
とある「各種調査依頼」のうち、最も有害かつ不必要な「各種調査依頼」は、卒業式等の"君が代"全国調査です。
この"君が代"全国調査はリクルート事件で逮捕され有罪判決を受けた高石邦男・元文部事務次官(1930年3月3日生。85歳)が始めたもので、過敏な一部教委が式終了直後の"報告"を求めたため、本来、最後の授業の場として児童生徒の成長を祝い、かつ別れを惜しむ多忙な日に、学校現場を戦々恐々とした雰囲気に陥れてしまいました。
後掲の【参考】の『週刊金曜日』2011年8月19日号アンテナ欄に教育ライターの永野厚男さんが執筆した記事の通り、2011年8月12日、学校への"君が代"強制や教育委員会による不当処分撤回の裁判を闘っている全国の教職員やこれを支援する保護者ら市民約50人が衆院第二議員会館(紹介者は服部良一衆院議員(当時))で開催した文科省交渉で、教育課程課の黒沼一郎課長補佐(当時)が「調査は数年前やめた」と述べた通り、現在はもう行っていませんが、こういう百害あって一利なしの"君が代"全国調査を過去、やってしまったことに対し、文科省は猛省するべきです。
2014年に大阪の一部政治家の主張に応じ、初等中等教育企画課がやってしまった、民主的な職員会議の運営を妨げる調査も、有害かつ不必要です。
文科省や教委は、国家主義イデオロギー的の押し付けや上意下達の学校組織作りを謀む"調査もの"は一切やめ、イジメや学校施設の耐震化、食物アレルギー(調布市のある小学校では、給食の食物アレルギーで女子児童が亡くなっているんです!)など、児童生徒の生命身体・安全に関わる調査に特化すべきです。
【参考】
☆ 『週刊金曜日』2011年8月19日号アンテナ欄から転載
「なぜ検定で盗用を見抜けないのか」――教職員ら50人、文科省交渉
永野厚男・教育ライター
学校での「君が代」強制や教育委員会による不当処分撤回の裁判を闘っている全国の教職員と、これを支援する保護者ら市民約五〇人が八月一二日、衆院第二議員会館で文部科学省交渉を行なった。
まず、「つくる会」系の自由社歴史教科書が、東京書籍版の年表をほぼ全て盗用していた問題は六月一三日、市民団体の教科書ネットが記者会見で公表してから二カ月もたつ。市民側が「なぜ文科省は盗用を検定で見抜けなかったのか」と追及すると、教科書課の鈴木宏幸(ひろゆき)課長補佐は「検定制度は内容の適否を審査するものであり、著作権等、権利関係まで審査できるものではない」としつつ、「検定では盗用に気付きませんでした」と、教科書課や教科書調査官の瑕疵を認めた。
次に、大阪府の橋下徹知事率いる府議会「大阪維新の会」の賛成多数で六月三日に可決された「学校行事での君が代斉唱時、教職員は起立により斉唱を行うものとする」という条例について、市民側が「違憲・違法であり差し止め措置を採るべき」と要求。初等中等教育企画課の篠田智志(さとし)課長補佐は「この条例は一般的規範であり義務付けではない。教育委員会から疑義が出れば、文科省として相談に応じる」と開き直った。
続いて教育課程課の黒沼一郎課長補佐が「国旗国歌はあくまでも教育指導上の課題として指導を進めていくが、指導を受け入れたくない生徒がいたら仕方がない」と政府見解に沿い発言。東京の市民らが「多くの都立高校校長が君が代不起立の生徒がいたらマイクを使い数回起立を促せ、という卒業式等の進行表を作っており強制がひどい。高石邦男・元事務次官が始めた文科省による卒業式等の国旗国歌全国調査が元凶だ」と反論すると、黒沼氏は「実施率が一〇〇%になったので、調査は数年前やめた」と答えるに留まった。
翌一三日、約一五〇人が参加した全国学習討論集会では、これまでは「教育委員会が学校の教育課程に関することを管理・執行する」とした地方教育行政法第二三条を {根拠} に各教委が学校に介入してきたが、橋下知事は同法第二五条の「条例に基づく首長の管理・執行権」を利用し政治介入してきており要警戒、との指摘が出た。
6-2" 研修"も特定の政治的意図を持つものは廃止に
"研修"も同様に、例えば管理職研修なら、
――卒業式等の"君が代"起立強制のための職務命令発出や教委への報告のノウハウを教化するとか、"校務改善"と称し民主的な職員会議の運営を妨げるとか――
といった、国家主義イデオロギー的の押し付けや上意下達の学校組織作りを謀む"研修"は一切やめるべき。後掲の【参考】の『週刊金曜日』2013年8月23日号アンテナ欄で教育ライターの永野厚男さんが暴いたような、教員に思想転向を迫る"研修"は、百害あって一利なしです。
管理職研修はイジメや学校施設の耐震化、食物アレルギーなど、児童生徒の生命身体・安全に関わる研修に特化すべきです。
一般教諭や"主幹教諭"の研修も、教科や生活指導、イジメや食物アレルギーなど、児童生徒のためになるものや生命身体・安全に関わる研修に特化すべきです。間違っても、"服務研修"と称し"職務命令"への服従を強制することは、あってはなりません。
【参考】
☆ 『週刊金曜日』2013年8月23日号アンテナ欄から転載
「君が代」不起立の懲罰研修――教員に思想転向迫る?
永野厚男・教育ライター
写真=東京都内の「懲罰研修」会場前で、仁王立ちする都教委指導主事ら。(撮影/永野厚男)
今春の「君が代」不起立を理由に、東京都教育委員会が懲戒処分にした都立学校教員(卒業式五人、入学式三人の計八人)のうち定年退職者を除く全員に「服務事故再発防止研修」(いわゆる懲罰研修)が強制されたが、東京・本郷の都教職員研修センター(高野敬三所長)で実施された個別研修で、同センター幹部が教員に思想転向を迫るような問題発言をした。
「一回目戒告、二・三回目減給、四回目以降停職」と他道府県に例のない累積加重処分を続けていた都教委は、「減給以上は原則違法」という昨年一月の最高裁判決以降、複数回の不起立者にも戒告しか出せなくなった(ただし特別支援学校の田中聡史教諭には、停職に次いで重い減給処分を強行し問題となっている)。その代替として都教委は昨年四月以降、被処分者全員を集める一回目の研修の後、指導主事らが来校する「所属校研修」を課し、さらに「締め括り研修」も課すなど内容を強化している。
今回の発言をしたのは同研修センターの伊東哲研修部長。高校教諭のAさんによると、八月一六日の締め括り研修で、受講報告書に「精神的に苦痛だった」と記述したところ、これを見た伊東部長は「こういう研修は当たり前のことをやっているのだから、あなたの考えを変えてもらわなければならない」などと発言したという。
内心の自由をめぐっては二〇〇四年七月二三日に東京地裁・須藤典明裁判長が「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、非を認めさせようとするなど、内心の自由に踏み込むような研修は違憲違法の問題を生じさせる可能性がある」との「裁判長決定」を出している。
同研修センターは本誌の事実確認に対して、「『考えを変える』という言葉は使ったが、内心を変えろということではなく、ルールに基づいて行動してほしいという趣旨の発言をした」(教育経営課)と釈明している。
7 「学校のマネジメント機能の強化」の下りは全文、削除を
以上、「1」~「6」の「意見」に書いた通り、『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』の、
――3.「チームとしての学校」を実現していくための具体的な改善方策――
のうち、特に
――(2)学校のマネジメント機能の強化――
の下りは、ピラミッド型の管理統制型の学校組織作り以外の何物でもなく、児童生徒のためではなく、改憲論者・安倍晋三氏ら国家権力の側の方を向いた、百害あって一利なしの施策なので、全文カットし、法改悪もすべきではありません。
また、『答申素案』12頁の、
――「チームとしての学校」像(イメージ図)――
なるものは、「5」で述べた通り書き直すよう、強く求めます。
『答申素案』の
――3.「チームとしての学校」を実現していくための具体的な改善方策、(1)専門性に基づくチーム体制の構築――
の中の、
――②教員以外の専門能力スタッフの参画――
の中の、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカ、学校司書の充実だけは、評価できます。
しかし、「1」~「6」で指摘した、ピラミッド型の管理統制型の学校組織作りというムチを正当化する意図を正面に出さず、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカ、学校司書の充実というアメをチラつかせるとしたら、卑怯なやり方と言わざるを得ません。
※ 提出先や、件名を【答申(素案)への意見】と明記すること等、応募要領は、以下の文科省HPのコピペを参考に、お願いします。
チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(答申(素案))に関するパブリックコメント(意見公募手続)の実施について
平成27年11月19日
初等中等教育局・初等中等教育企画課
中央教育審議会は、平成26年7月、文部科学大臣から「これからの学校教育を担う教職員やチームとしての学校の在り方について」に関し、諮問を受け、このうち、「チームとしての学校」に関わる事項に関し、「チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会」において、これまで計16回にわたり議論を行ってきました。
この度、「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(答申(素案))について、広く国民の皆様から御意見を賜るべく、以下の要領にて意見募集を実施いたします。
御意見等がございましたら、下記の要領にて御提出ください。
【1.案の具体的内容】
→【別添】参照 ⇒注、『答申素案』の全文のことですが、かなり頁数が多いので、お時間のない方は、前記「1」~「7」の【答申(素案)への意見例】をご活用下さい。
【2.意見の提出方法】
(1)提出手段郵送・FAX・電子メール
(電話による意見の受付は致しかねますので、御了承ください)
(2)提出期限
平成27年12月2日必着⇒注、12月2日深夜11時59分まで
(3)宛先
住所:〒100-8959 東京都千代田区霞ヶ関3-2-2
文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課宛
FAX番号:03-6734-3731
電子メールアドレス:syoto@mext.go.jp
(判別のため、件名は【答申(素案)への意見】として下さい。また、コンピューターウィルス対策のため、添付ファイルは開くことができません。必ずメール本文に御意見を御記入下さい)
【3.意見提出様式】
「答申(素案)への意見」
・氏名
・性別、年齢
・職業(在学中の場合は「高校生」「大学生」など在学する学校段階を表記。)
・住所
・電話番号
・意見
※複数の論点について御意見をお寄せいただく場合には、とりまとめの都合上、論点毎に別様としてください。(1枚1意見、1メール1意見としてください。)
【4.備考】
① 御意見に対して個別には回答致しかねますので、あらかじめ御了承願います。
② 御意見については、氏名、住所、電話番号を除いて公表されることがあります。なお、氏名、住所、電話番号については、御意見の内容に不明な点があった場合の連絡以外の用途では使用しません。
(初等中等教育局初等中等教育企画課)
× 『答申素案』の前半部分しか伝えない、一部の一面的な報道~NHKのHPから
NHKの「授業の準備や子どもたちに向き合う時間を確保するため」という以下の原稿は、主幹教諭の管理職化に目を閉ざしており、『答申素案』の全貌を正確には伝えていない。
↓
2015年11月16日(月)14時43分のNHK『オンラインN』
“スクールカウンセラーなど学校職員に”
いじめや不登校などの問題に外部の専門職とともに対応する「チーム学校」という仕組みの導入について検討してきた文部科学省の審議会は、法令の整備を行ってスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどを新たに学校職員として位置づけるとする案をまとめました。
「チーム学校」は、教員が授業の準備や子どもたちに向き合う時間を確保するため、いじめや不登校などの問題に外部の専門職や地域の人たちとともに対応する仕組みです。「チーム学校」の導入について検討してきた中教審=中央教育審議会は16日開かれた分科会で答申の案をまとめました。
それによりますと、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど心理や福祉の専門職、それに部活動の指導や顧問をする外部の人材の導入を促すため、法令の整備を行って新たに学校職員として位置づけるとしています。
また、大規模校を中心に養護教諭を複数配置するほか、障害のある子どもたちへの特別支援教育を充実させるため言語聴覚士などの専門職の配置を進めるとしています。
中教審は来月、この案をもとに答申する予定で、文部科学省は来年には必要な法令の整備を進める方針です。
■ 反対意見のパブコメを、12月2日までに出しましょう。
永野厚男・教育ジャーナリストから
2014年7月の、自民党所属の下村博文文部科学相(当時。61歳)の中央教育審議会への諮問を受け、文科省・初等中等教育企画課が初等中等教育分科会に設置した「チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会」(以下、"チーム学校作業部会"と略記)が、『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』(以下、『答申素案』と略記することもある)なるものを出した。
12月2日深夜11時59分まで、メールかFAXにてパブコメを募集しているが、文科省はこれまでも私たち立憲主義を大切にする側のパブコメを無視し、自民党など政権政党に近い管理統制を強める勢力のパブコメだけ取り入れ、自分たちの都合のよいように『答申』を作り、政権政党と一緒に法改悪に持って行くのが、ほとんどであった。
今回の"チーム学校作業部会"の『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、『答申素案』の真ん中以降は、後掲の「1」~「7」の「意見例」に書いた通り、「児童生徒のための教育でなく、ピラミッド型の管理統制型の学校組織作り」であり、百害あって一利なしです。
特に「2」に詳述した"主幹教諭"の管理職化は、危険です。
この「反対意見のパブコメのお願い」の一番最後の「×印」の「『答申素案』の前半しか伝えない、一部の一面的なマスコミのHPから」にある、『答申素案』の前半の一部(スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカの充実)については、私たちは賛成ですが、「1」~「6」の「意見例」の問題点や欠陥、対案を中心に、文科省に対し、反対意見のパブコメを、12月2日深夜11時59分までに出して頂頂ければ、幸いです。
提出先や、件名を【答申(素案)への意見】と明記すること等、応募要領は、「1」~「7」の「意見例」の後の、「※印」に掲げた、文科省HPのコピペを参考に、お願いします。
【答申(素案)への意見】
1 "主幹教諭"や副校長の増員でなく、一般教諭の加配拡充を
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』47頁が、"改善方策"と称し、
――国は、主幹教諭が本来、期待される役割を十分に担い、校長、副校長、教頭を補佐し、主幹教諭のさらなる配置を促進するための加配措置を拡充することを検討する。――
と主張しているのは、間違っており、撤回すべきです。
児童生徒のためには教員を1人でも多く配置するのが良いのは当然ですが、"主幹教諭"は一般の教諭より給与が高額です。
どのくらい給料表の金額が違うかは、すぐには言えませんが、例えば"主幹教諭"10名分より一般の教諭21人の方が安いかもしれません。
限られた税金からの給与である以上、一般の教諭の加配拡充の方が望まれます。副校長の増員も反対です。
2 "主幹教諭"の管理職化は絶対反対~38の関係団体中、僅か1~2団体が主張しただけだ~パワハラ防止指針策定こそ急務
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』46頁が、
――また、関係団体ヒアリングでは、主幹教諭が期待される役割を果たしていくために、管理職としての位置付けを明確にするべき、という意見もあった。――
と主張しているのは、間違っており、撤回すべきです。
私たちが「予防訴訟を引き継ぐ会」(東京の公立学校の現・元教職員や支援の保護者ら市民で構成)の学習会で取材したところ、"主幹教諭"の中には、管理職気取りで、一般の教諭に対し、パワハラを行う者も少なくありません。
また、文科省の「教員のメンタルヘルス対策会議」で、江戸川区立小岩第三中学校校長の蓮沼千秋先生は、
――「俺は副校長を2人、辞めさせた」と自慢げに語る校長がいた。――
旨、一部校長のパワハラの実態を、勇気を持って告発されました。
このように校長・副校長・"主幹教諭"の中には、管理職気取りで、一般の教諭に対し、パワハラを行う者もいるのですが、都教委はパワハラ防止指針を頑として策定しません("君が代"強制の"職務命令"発出をし易くするため、パワハラ防止指針を策定しないのなら、トンデモナイことです)。
文科省と全国の教委は、セクハラ防止指針だけでなく、パワハラ防止指針もきちんと策定し、一般の教諭が働き易い職場環境を整えるべきです。
"主幹教諭"の管理職化は、8月から9月にかけて、38の関係団体ヒアリングで僅か1~2団体が主張しただけである(38分の1に過ぎない!)である上に、前記の通り、管理職気取りで、一般の教諭に対し、パワハラを行う者が増えかねないので、絶対反対です。
副校長の増員も反対です。
限られた税金なのだから、一般の教諭の加配拡充の方が望まれます。
3 児童生徒の気持ちや実態が分かる教員であり続けるために~"主幹教諭"の授業時数は一般教諭と同時間で
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』46頁は、
――「主幹教諭の授業時数が多く、期待される校務を処理できない」とする指摘が多い。――
と主張しているのは、間違っており、撤回すべきです。
学校で一番大事なのは、言うまでもなく授業です。都教委は"主幹教諭"全国初導入時(2003年)、"主幹"は"教員のリーダー"である、と言っていました。"教員のリーダー"であるならば、"主幹教諭"は管理職化せず、一般の教諭と同時間の授業時数を担当し、部活動もきちんと持ち、児童生徒の気持ちや実態が分かる教員であり続けるべきです。
4 "文科大臣優秀教職員表彰"は拡大でなく廃止を~"表彰"に要する税金は、貧困・経済格差に喘ぐ児童生徒に回すべき
"文部科学大臣優秀教職員表彰"なるものは、『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』52頁が、
――《前略》国においても、学校教育における教育実践等に顕著な成果を上げた教職員を文部科学大臣が表彰し、その功績を広く周知することにより、《後略》――
と述べている通り、対象は「学校教育における教育実践等」(「等」に注目!)であり、例えば、都教委の"経営支援部"設置等、児童生徒の教育の方を向くのではなくだけでなく、上意下達の管理システム作りで"成果"を上げた者の方がむしろ対象になり得るのです。
"文部科学大臣優秀教職員表彰"と称し、①時にはナショナリズムの思想性を持つ政権政党や文科省の教育政策への"忠誠"度が旺盛であったり、②文科省や教委・校長の施策や方針が誤っていても批判的精神を発揮せず従う"出世"競争に"勝ち抜く等、「児童生徒よりも政権政党や文科省・教委・校長の方に目を向ける"教員を"表彰"する」のを加速させるシステムは、廃止すべきです(民主党政権時、"事業仕分け"の対象にすべきでしたが、"事業仕分け"の担当議員が"事業仕分け"の対象にするのを怠ったのは残念です。民主党には、戦争法反対で、立憲主義の重要性を語ってくれる衆参両院議員が少なからずいたのですが・・・)。
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』53頁がこの"文部科学大臣優秀教職員表彰"について、
――国は、《中略》教職員個人だけでなく、学校単位、分掌単位等の取組を表彰することを検討する。あわせて、表彰された教職員の実践や指導力を活用する方策を検討する。――
と"拡大"を主張しているのは、間違っており、撤回すべきです。
税金のムダ遣いでもあります。"文部科学大臣優秀教職員表彰"に要する税金は、貧困・経済格差に喘ぐ児童生徒のために転用すべきです。
『答申素案』の言う「優れた教育実践等で成果を上げた」か否か、教職員を評価(ランク付けでなく、「あの先生、いいね」というもの)するのは児童生徒や同僚教員、保護者であるべきであり、文科省や教委ではありません。
また、"文部科学大臣優秀教職員表彰"は冒頭、"君が代"斉唱というセレモニーがありますが、どうしてもこの税金のムダ遣いの"表彰"を続けるなら、児童生徒と関係のない"君が代"斉唱は式次第から排除し、会場内の日章旗は敬礼を伴わない三脚掲揚にすべきです。そして最低限、「学校教育における教育実践等」の「等」は削除すべきです。
更に『答申素案』が「表彰に伴う措置として、特別な研修機会を付与するなどの取組を進めていくことも大切で」と言っているのも、筑波の(独)研修センター等で、"国家"に忠実な教員(というより管理職)になるための"研修"の"機会"を増やす危険性があります。
なお、現在、全連小や全日中の校長らが年1回、平日に学校から離れ、"文科省詣で"をした後、集団で皇居にバス移動し、天皇に会います(彼らは"拝謁"などという身分差別の語を使用)。あり得ないとは思いますが、"文部科学大臣優秀教職員表彰"の受賞教員がこれに倣い、天皇に会うなどという"栄典"を与えられると、益々児童生徒から離れていく(国家権力の方を向く)恐れがあることを、付記します。
5 「チームとしての学校」像(イメージ図)は、ピラミッド型でなく職員会議を中心とする、全員がフラットな組織図に書き直しを
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』12頁の、
――「チームとしての学校」像(イメージ図)――
なるものは、「主幹教諭」を一般教諭の上に位置付け、ピラミッド型の管理統制型の学校組織作りが正しいかのように宣伝しています。
このようなピラミッド型の管理統制型の組織は、日本国憲法第9条の禁じる軍隊と同じです。ピラミッド型で教諭が(副)校長・教頭・"主幹教諭"の命令・指示通り動かされるというのは屈辱感を高めるだけで、自尊感情・自己肯定観を損ねます。
一番生き生きと働ける理想的な学校組織は、職員会議を中心とする全員がフラットな民主的な組織です(職員会議を校長の上位に位置付けるべきです)。これに次ぐ"次善の策"は、鍋蓋の「蓋」を最小限にすること、即ち「蓋」は(副)校長・教頭のみとし、"主幹教諭"は一般教諭と同列に位置付けると共に、職員会議は最低限、校長と同列に位置付けるべきです。
6 特定の政治歴意図を持つ"調査もの"や"研修"は廃止に
6-1 服部良一衆院議員(当時)のお世話になり開催した文科省交渉でも出た、特定の政治的意図を持つ"調査もの"は廃止に
『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』8頁~10頁の、
――(3)子供と向き合う時間の確保等のための体制整備――は、
教職員((副)校長・教頭を含む)の「子どもと向き合う時間」を奪っているのが、文科省と教育委員会の特定の政治的意図を持つ"調査もの"や"研修"の強制にある、という事実に目を閉ざしています。
9頁の最後にある、
――特に、副校長・教頭は、学校内外の複雑な調整業務を中心的に担うとともに、各種調査依頼への対応等《中略》を担うなどしている。――
とある「各種調査依頼」のうち、最も有害かつ不必要な「各種調査依頼」は、卒業式等の"君が代"全国調査です。
この"君が代"全国調査はリクルート事件で逮捕され有罪判決を受けた高石邦男・元文部事務次官(1930年3月3日生。85歳)が始めたもので、過敏な一部教委が式終了直後の"報告"を求めたため、本来、最後の授業の場として児童生徒の成長を祝い、かつ別れを惜しむ多忙な日に、学校現場を戦々恐々とした雰囲気に陥れてしまいました。
後掲の【参考】の『週刊金曜日』2011年8月19日号アンテナ欄に教育ライターの永野厚男さんが執筆した記事の通り、2011年8月12日、学校への"君が代"強制や教育委員会による不当処分撤回の裁判を闘っている全国の教職員やこれを支援する保護者ら市民約50人が衆院第二議員会館(紹介者は服部良一衆院議員(当時))で開催した文科省交渉で、教育課程課の黒沼一郎課長補佐(当時)が「調査は数年前やめた」と述べた通り、現在はもう行っていませんが、こういう百害あって一利なしの"君が代"全国調査を過去、やってしまったことに対し、文科省は猛省するべきです。
2014年に大阪の一部政治家の主張に応じ、初等中等教育企画課がやってしまった、民主的な職員会議の運営を妨げる調査も、有害かつ不必要です。
文科省や教委は、国家主義イデオロギー的の押し付けや上意下達の学校組織作りを謀む"調査もの"は一切やめ、イジメや学校施設の耐震化、食物アレルギー(調布市のある小学校では、給食の食物アレルギーで女子児童が亡くなっているんです!)など、児童生徒の生命身体・安全に関わる調査に特化すべきです。
【参考】
☆ 『週刊金曜日』2011年8月19日号アンテナ欄から転載
「なぜ検定で盗用を見抜けないのか」――教職員ら50人、文科省交渉
永野厚男・教育ライター
学校での「君が代」強制や教育委員会による不当処分撤回の裁判を闘っている全国の教職員と、これを支援する保護者ら市民約五〇人が八月一二日、衆院第二議員会館で文部科学省交渉を行なった。
まず、「つくる会」系の自由社歴史教科書が、東京書籍版の年表をほぼ全て盗用していた問題は六月一三日、市民団体の教科書ネットが記者会見で公表してから二カ月もたつ。市民側が「なぜ文科省は盗用を検定で見抜けなかったのか」と追及すると、教科書課の鈴木宏幸(ひろゆき)課長補佐は「検定制度は内容の適否を審査するものであり、著作権等、権利関係まで審査できるものではない」としつつ、「検定では盗用に気付きませんでした」と、教科書課や教科書調査官の瑕疵を認めた。
次に、大阪府の橋下徹知事率いる府議会「大阪維新の会」の賛成多数で六月三日に可決された「学校行事での君が代斉唱時、教職員は起立により斉唱を行うものとする」という条例について、市民側が「違憲・違法であり差し止め措置を採るべき」と要求。初等中等教育企画課の篠田智志(さとし)課長補佐は「この条例は一般的規範であり義務付けではない。教育委員会から疑義が出れば、文科省として相談に応じる」と開き直った。
続いて教育課程課の黒沼一郎課長補佐が「国旗国歌はあくまでも教育指導上の課題として指導を進めていくが、指導を受け入れたくない生徒がいたら仕方がない」と政府見解に沿い発言。東京の市民らが「多くの都立高校校長が君が代不起立の生徒がいたらマイクを使い数回起立を促せ、という卒業式等の進行表を作っており強制がひどい。高石邦男・元事務次官が始めた文科省による卒業式等の国旗国歌全国調査が元凶だ」と反論すると、黒沼氏は「実施率が一〇〇%になったので、調査は数年前やめた」と答えるに留まった。
翌一三日、約一五〇人が参加した全国学習討論集会では、これまでは「教育委員会が学校の教育課程に関することを管理・執行する」とした地方教育行政法第二三条を {根拠} に各教委が学校に介入してきたが、橋下知事は同法第二五条の「条例に基づく首長の管理・執行権」を利用し政治介入してきており要警戒、との指摘が出た。
6-2" 研修"も特定の政治的意図を持つものは廃止に
"研修"も同様に、例えば管理職研修なら、
――卒業式等の"君が代"起立強制のための職務命令発出や教委への報告のノウハウを教化するとか、"校務改善"と称し民主的な職員会議の運営を妨げるとか――
といった、国家主義イデオロギー的の押し付けや上意下達の学校組織作りを謀む"研修"は一切やめるべき。後掲の【参考】の『週刊金曜日』2013年8月23日号アンテナ欄で教育ライターの永野厚男さんが暴いたような、教員に思想転向を迫る"研修"は、百害あって一利なしです。
管理職研修はイジメや学校施設の耐震化、食物アレルギーなど、児童生徒の生命身体・安全に関わる研修に特化すべきです。
一般教諭や"主幹教諭"の研修も、教科や生活指導、イジメや食物アレルギーなど、児童生徒のためになるものや生命身体・安全に関わる研修に特化すべきです。間違っても、"服務研修"と称し"職務命令"への服従を強制することは、あってはなりません。
【参考】
☆ 『週刊金曜日』2013年8月23日号アンテナ欄から転載
「君が代」不起立の懲罰研修――教員に思想転向迫る?
永野厚男・教育ライター
写真=東京都内の「懲罰研修」会場前で、仁王立ちする都教委指導主事ら。(撮影/永野厚男)
今春の「君が代」不起立を理由に、東京都教育委員会が懲戒処分にした都立学校教員(卒業式五人、入学式三人の計八人)のうち定年退職者を除く全員に「服務事故再発防止研修」(いわゆる懲罰研修)が強制されたが、東京・本郷の都教職員研修センター(高野敬三所長)で実施された個別研修で、同センター幹部が教員に思想転向を迫るような問題発言をした。
「一回目戒告、二・三回目減給、四回目以降停職」と他道府県に例のない累積加重処分を続けていた都教委は、「減給以上は原則違法」という昨年一月の最高裁判決以降、複数回の不起立者にも戒告しか出せなくなった(ただし特別支援学校の田中聡史教諭には、停職に次いで重い減給処分を強行し問題となっている)。その代替として都教委は昨年四月以降、被処分者全員を集める一回目の研修の後、指導主事らが来校する「所属校研修」を課し、さらに「締め括り研修」も課すなど内容を強化している。
今回の発言をしたのは同研修センターの伊東哲研修部長。高校教諭のAさんによると、八月一六日の締め括り研修で、受講報告書に「精神的に苦痛だった」と記述したところ、これを見た伊東部長は「こういう研修は当たり前のことをやっているのだから、あなたの考えを変えてもらわなければならない」などと発言したという。
内心の自由をめぐっては二〇〇四年七月二三日に東京地裁・須藤典明裁判長が「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、非を認めさせようとするなど、内心の自由に踏み込むような研修は違憲違法の問題を生じさせる可能性がある」との「裁判長決定」を出している。
同研修センターは本誌の事実確認に対して、「『考えを変える』という言葉は使ったが、内心を変えろということではなく、ルールに基づいて行動してほしいという趣旨の発言をした」(教育経営課)と釈明している。
7 「学校のマネジメント機能の強化」の下りは全文、削除を
以上、「1」~「6」の「意見」に書いた通り、『チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について、答申素案』の、
――3.「チームとしての学校」を実現していくための具体的な改善方策――
のうち、特に
――(2)学校のマネジメント機能の強化――
の下りは、ピラミッド型の管理統制型の学校組織作り以外の何物でもなく、児童生徒のためではなく、改憲論者・安倍晋三氏ら国家権力の側の方を向いた、百害あって一利なしの施策なので、全文カットし、法改悪もすべきではありません。
また、『答申素案』12頁の、
――「チームとしての学校」像(イメージ図)――
なるものは、「5」で述べた通り書き直すよう、強く求めます。
『答申素案』の
――3.「チームとしての学校」を実現していくための具体的な改善方策、(1)専門性に基づくチーム体制の構築――
の中の、
――②教員以外の専門能力スタッフの参画――
の中の、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカ、学校司書の充実だけは、評価できます。
しかし、「1」~「6」で指摘した、ピラミッド型の管理統制型の学校組織作りというムチを正当化する意図を正面に出さず、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカ、学校司書の充実というアメをチラつかせるとしたら、卑怯なやり方と言わざるを得ません。
※ 提出先や、件名を【答申(素案)への意見】と明記すること等、応募要領は、以下の文科省HPのコピペを参考に、お願いします。
チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(答申(素案))に関するパブリックコメント(意見公募手続)の実施について
平成27年11月19日
初等中等教育局・初等中等教育企画課
中央教育審議会は、平成26年7月、文部科学大臣から「これからの学校教育を担う教職員やチームとしての学校の在り方について」に関し、諮問を受け、このうち、「チームとしての学校」に関わる事項に関し、「チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会」において、これまで計16回にわたり議論を行ってきました。
この度、「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(答申(素案))について、広く国民の皆様から御意見を賜るべく、以下の要領にて意見募集を実施いたします。
御意見等がございましたら、下記の要領にて御提出ください。
【1.案の具体的内容】
→【別添】参照 ⇒注、『答申素案』の全文のことですが、かなり頁数が多いので、お時間のない方は、前記「1」~「7」の【答申(素案)への意見例】をご活用下さい。
【2.意見の提出方法】
(1)提出手段郵送・FAX・電子メール
(電話による意見の受付は致しかねますので、御了承ください)
(2)提出期限
平成27年12月2日必着⇒注、12月2日深夜11時59分まで
(3)宛先
住所:〒100-8959 東京都千代田区霞ヶ関3-2-2
文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課宛
FAX番号:03-6734-3731
電子メールアドレス:syoto@mext.go.jp
(判別のため、件名は【答申(素案)への意見】として下さい。また、コンピューターウィルス対策のため、添付ファイルは開くことができません。必ずメール本文に御意見を御記入下さい)
【3.意見提出様式】
「答申(素案)への意見」
・氏名
・性別、年齢
・職業(在学中の場合は「高校生」「大学生」など在学する学校段階を表記。)
・住所
・電話番号
・意見
※複数の論点について御意見をお寄せいただく場合には、とりまとめの都合上、論点毎に別様としてください。(1枚1意見、1メール1意見としてください。)
【4.備考】
① 御意見に対して個別には回答致しかねますので、あらかじめ御了承願います。
② 御意見については、氏名、住所、電話番号を除いて公表されることがあります。なお、氏名、住所、電話番号については、御意見の内容に不明な点があった場合の連絡以外の用途では使用しません。
(初等中等教育局初等中等教育企画課)
× 『答申素案』の前半部分しか伝えない、一部の一面的な報道~NHKのHPから
NHKの「授業の準備や子どもたちに向き合う時間を確保するため」という以下の原稿は、主幹教諭の管理職化に目を閉ざしており、『答申素案』の全貌を正確には伝えていない。
↓
2015年11月16日(月)14時43分のNHK『オンラインN』
“スクールカウンセラーなど学校職員に”
いじめや不登校などの問題に外部の専門職とともに対応する「チーム学校」という仕組みの導入について検討してきた文部科学省の審議会は、法令の整備を行ってスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどを新たに学校職員として位置づけるとする案をまとめました。
「チーム学校」は、教員が授業の準備や子どもたちに向き合う時間を確保するため、いじめや不登校などの問題に外部の専門職や地域の人たちとともに対応する仕組みです。「チーム学校」の導入について検討してきた中教審=中央教育審議会は16日開かれた分科会で答申の案をまとめました。
それによりますと、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど心理や福祉の専門職、それに部活動の指導や顧問をする外部の人材の導入を促すため、法令の整備を行って新たに学校職員として位置づけるとしています。
また、大規模校を中心に養護教諭を複数配置するほか、障害のある子どもたちへの特別支援教育を充実させるため言語聴覚士などの専門職の配置を進めるとしています。
中教審は来月、この案をもとに答申する予定で、文部科学省は来年には必要な法令の整備を進める方針です。
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