『田中龍作ジャーナル』から
◆ 嘉田・小沢初の合同演説 聴衆、マスコミ報道との違いに驚き
剛腕で鳴らした小沢氏らしからぬ場面に会場が沸く。女性が主役の時代となったことを告げるシーンだ。=15日、有楽町イトシア前。写真:島崎ろでぃ撮影=
新しい政権の枠組みを決める衆院選挙は明日(16日)投票が行われる。選挙運動最終日のきょう、有楽町で嘉田由紀子・未来の党代表と小沢一郎氏が初めて一緒に演説した。
「未来の党に大物の影」「嘉田代表は小沢氏の操り人形」…新党結成直後マスコミが喧伝したこともあり、小沢氏は選挙戦序盤つとめて表に出なかったのである。
小沢氏は真っ向からマスコミを批判した。国会議事堂前での昨夜の演説よりも遥かにトーンアップした―「選挙戦に入って“原発”“消費税”“TPP”がマスコミ報道からどんどん消去されてゆく」
「政・官・業の癒着による既得権益構造のメインは官僚機構、メディアがこの中に組み込まれている」。
小沢氏は北朝鮮のミサイル発射や中国機の領空侵犯で勢いづく右傾化に釘を刺すことも忘れなかった。「選挙戦(真っただ中)の時期に憲法改正を議論すべきでしょうか?」
嘉田代表は党のイメージカラーである淡いグリーンのジャケット姿で現れた。選挙期間中ずっとこのカラーで通した。
「あの原発事故で郷土のきれいな水と命が蝕まれた。福島を忘れてはいけません」。公示日(4日)に飯舘村であげた第一声と同じである。「福島を忘れない」、選挙戦の最後に来て「未来の党」の原点に立ち返った。
嘉田代表は女性の立場からも訴えた。「(景気対策には)稼ぎ手を増やすこと。今稼げていないのが、子育て世代の女性。この人たちが稼げば7兆円、女性全体で稼げば25兆円の内需拡大となる。消費増税分は出るんです。女性が稼げば子供も増える…(中略)憲法改悪して子供を戦争にやるようなことをしてはならない。それが母親の願いです」。
小糠雨の降るなか、道行く有権者は足を止めて耳を傾けた。
「初めて小沢演説を聴いた。新聞・テレビが“小沢は悪玉”をデッチあげていることが分かった。(自民過半数の報道については)会社の同僚に自民に入れるという人はいない。マスコミの意図的なものを感じざるを得ない。もし自公で300議席を超える事態になったら、戦争に行きたくないので海外に逃げる」(会社員・30代男性=文京区在住)
「マスコミは未来について報道しない。不公平だ。マスコミの選挙予想が本当なのか、信じられない。大ドンデン返しが楽しみ」(自由業・60代男性=亀戸在住)
安倍自民は“国防軍”など日本の実情にそぐわないテーマを作りあげ、“原発” “TPP”など自らに都合の悪い政策は争点化しない。マスコミは見事なまでに同調する。
報道機関が進軍ラッパを吹き鳴らした大政翼賛体制は「いつか来た道」につながりはしないだろうか。
《文・田中龍作 / 諏訪都》
『田中龍作ジャーナル』(2012年12月15日)
http://tanakaryusaku.jp/2012/12/0005845
◆ 嘉田・小沢初の合同演説 聴衆、マスコミ報道との違いに驚き
剛腕で鳴らした小沢氏らしからぬ場面に会場が沸く。女性が主役の時代となったことを告げるシーンだ。=15日、有楽町イトシア前。写真:島崎ろでぃ撮影=
新しい政権の枠組みを決める衆院選挙は明日(16日)投票が行われる。選挙運動最終日のきょう、有楽町で嘉田由紀子・未来の党代表と小沢一郎氏が初めて一緒に演説した。
「未来の党に大物の影」「嘉田代表は小沢氏の操り人形」…新党結成直後マスコミが喧伝したこともあり、小沢氏は選挙戦序盤つとめて表に出なかったのである。
小沢氏は真っ向からマスコミを批判した。国会議事堂前での昨夜の演説よりも遥かにトーンアップした―「選挙戦に入って“原発”“消費税”“TPP”がマスコミ報道からどんどん消去されてゆく」
「政・官・業の癒着による既得権益構造のメインは官僚機構、メディアがこの中に組み込まれている」。
小沢氏は北朝鮮のミサイル発射や中国機の領空侵犯で勢いづく右傾化に釘を刺すことも忘れなかった。「選挙戦(真っただ中)の時期に憲法改正を議論すべきでしょうか?」
嘉田代表は党のイメージカラーである淡いグリーンのジャケット姿で現れた。選挙期間中ずっとこのカラーで通した。
「あの原発事故で郷土のきれいな水と命が蝕まれた。福島を忘れてはいけません」。公示日(4日)に飯舘村であげた第一声と同じである。「福島を忘れない」、選挙戦の最後に来て「未来の党」の原点に立ち返った。
嘉田代表は女性の立場からも訴えた。「(景気対策には)稼ぎ手を増やすこと。今稼げていないのが、子育て世代の女性。この人たちが稼げば7兆円、女性全体で稼げば25兆円の内需拡大となる。消費増税分は出るんです。女性が稼げば子供も増える…(中略)憲法改悪して子供を戦争にやるようなことをしてはならない。それが母親の願いです」。
小糠雨の降るなか、道行く有権者は足を止めて耳を傾けた。
「初めて小沢演説を聴いた。新聞・テレビが“小沢は悪玉”をデッチあげていることが分かった。(自民過半数の報道については)会社の同僚に自民に入れるという人はいない。マスコミの意図的なものを感じざるを得ない。もし自公で300議席を超える事態になったら、戦争に行きたくないので海外に逃げる」(会社員・30代男性=文京区在住)
「マスコミは未来について報道しない。不公平だ。マスコミの選挙予想が本当なのか、信じられない。大ドンデン返しが楽しみ」(自由業・60代男性=亀戸在住)
安倍自民は“国防軍”など日本の実情にそぐわないテーマを作りあげ、“原発” “TPP”など自らに都合の悪い政策は争点化しない。マスコミは見事なまでに同調する。
報道機関が進軍ラッパを吹き鳴らした大政翼賛体制は「いつか来た道」につながりはしないだろうか。
《文・田中龍作 / 諏訪都》
『田中龍作ジャーナル』(2012年12月15日)
http://tanakaryusaku.jp/2012/12/0005845
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