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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ビラ配布有罪

2008年04月20日 | 平和憲法
 ◆ ビラ配布有罪
鎌田慧(ルポライター)


 最高裁は十一日、東京都立川市の自衛隊宿舎で反戦ビラを配った市民を、罰金刑にした東京高裁判決を支持する判決をだした。
 法相の死刑執行のエスカレートといい、最高裁の硬直化といい、この国の司法には暗然とさせられるばかりだ。

 判決文によると、立川市民三人のビラまきは、「ブッシュも小泉も戦場にはいかない」などというものだった。
 派兵を準備していた陸上自衛隊は、あわてて「禁止事項表示板」をフェンスに掲示し、警察に住居侵入の被害届をだした。
 そのあと逮捕、七十五日間もの拘置となった。
 これを弾圧といわずして、なんというべきか

 最高裁は、言論の自由を認めながら、十万-二十万円の罰金刑で相殺した高裁と同じ論理で、官舎内のビラまきは「私生活の平穏を侵害するものといわざるを得ない」というのだが、ビラまきが本当に平穏を侵害したかどうか証明していない
 最高裁もまた、言論の中身は無罪だが、その行使は有罪としたのだが、ビラを受け取る権利をもつ自衛隊員の思想の自由をどうするのか。
 ビラも配れない国になったならどう責任をとるのか。

 原告の高田幸美さんが「今まで当たり前だったことが、警察とか裁判所の判断で突然犯罪になることに、最高裁がゴーサインをだした。憤りを感じる」(十二日付本紙)といったが、おなじ思いだ。

 『東京新聞』(2008/4/15【本音のコラム】)

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