▼ 教員免許更新制 「効果うすい」 文科省アンケート
文部科学省は9月14日、教員免許更新制(07年に安倍政権が教員免許法を改定し導入。10年ごとの講習受講・修了を強制)について「効果なし」と回答する教員や校長が多数を占めるとの調査を、中央教育審議会・特別部会で公表した。
この調査は、文科省が2010年度予算に7400万円を計上し、三菱総合研究所に委託、校長・保護者各1万人、教員2万人、全1840教育委員会等に直送し、無記名回答を求めた、「教員の資質向上方策の見直し及び教員免許更新制の効果検証」と題するアンケート。
眼目の「教員免許更新制は効果がある」は、「児童生徒への質の高い教育の提供」の項目で教員が24.4%、校長が28.9%、「教員としての自信と誇りの高まり」の項目で教員が15.3%、校長が23.3%しかなく、「効果あり」が最も高い「最新の知識技能の習得」の項目でも教員40.0%、校長51.1%に留まった。
また、受講した教員への「他の研修等と比較し免許更新講習が、学校での教育活動にすぐ生かせる内容だったか」との問いへの肯定的回答も、31.8%に留まる。
この他、「教員研修で充実させるぺき内容」の調査では、以下の通り、「子どもに近い側」が授業実践に役立つテーマを望む一方、「行政(に近い)側」は校長権限(マネジメントカ)強化による上意下達の学校組織作りを求め、目線の違いが鮮明になった。
(1)「各教科内容に関する学問分野の専門的知識」の"充実"は、校長26.5%、教委24.8%に留まるのに対し、教員の31.5%、保護者の33.3%が求めている。
(2)「学校組織マネジメント」の"充実"は、教員13.0%、保護者15.5%に留まるのに対し、校長の31.3%、教委の44.3%が求めている。
特別部会では、「講習の不受講や不合格の教員が免許失効となる制度は廃止を」との意見が出たが、御用委員からは「改善による継続」を求める声がかなり出た。
また、品川区の若月秀夫教育長(都教委主任指導主事出身)は、「新規採用教員は1年間、学校現場に配属せず教委預かりとし、給料は支払いつつ、民間企業研修を含む徹底した研修を行う仕組みが、是非とも必要だ」と主張。だが、「若月案は子どもたちから離れた、行政に都合のよい新採教員の育成策」と、反発する傍聴者もいた。
文科省は9月16日、都道府県教委等に「中教審での一定の結論、法改正までの間は、現行制度が有効。現職教員は現行制度に従い、免許更新講習修了が必要」との文書を発出。特別部会は今後、『中間まとめ』の原案作成に入るため、市民による監視が必要だ。
『週刊新社会』(2010/10/5)
永野厚男・教育ライター
文部科学省は9月14日、教員免許更新制(07年に安倍政権が教員免許法を改定し導入。10年ごとの講習受講・修了を強制)について「効果なし」と回答する教員や校長が多数を占めるとの調査を、中央教育審議会・特別部会で公表した。
この調査は、文科省が2010年度予算に7400万円を計上し、三菱総合研究所に委託、校長・保護者各1万人、教員2万人、全1840教育委員会等に直送し、無記名回答を求めた、「教員の資質向上方策の見直し及び教員免許更新制の効果検証」と題するアンケート。
眼目の「教員免許更新制は効果がある」は、「児童生徒への質の高い教育の提供」の項目で教員が24.4%、校長が28.9%、「教員としての自信と誇りの高まり」の項目で教員が15.3%、校長が23.3%しかなく、「効果あり」が最も高い「最新の知識技能の習得」の項目でも教員40.0%、校長51.1%に留まった。
また、受講した教員への「他の研修等と比較し免許更新講習が、学校での教育活動にすぐ生かせる内容だったか」との問いへの肯定的回答も、31.8%に留まる。
この他、「教員研修で充実させるぺき内容」の調査では、以下の通り、「子どもに近い側」が授業実践に役立つテーマを望む一方、「行政(に近い)側」は校長権限(マネジメントカ)強化による上意下達の学校組織作りを求め、目線の違いが鮮明になった。
(1)「各教科内容に関する学問分野の専門的知識」の"充実"は、校長26.5%、教委24.8%に留まるのに対し、教員の31.5%、保護者の33.3%が求めている。
(2)「学校組織マネジメント」の"充実"は、教員13.0%、保護者15.5%に留まるのに対し、校長の31.3%、教委の44.3%が求めている。
特別部会では、「講習の不受講や不合格の教員が免許失効となる制度は廃止を」との意見が出たが、御用委員からは「改善による継続」を求める声がかなり出た。
また、品川区の若月秀夫教育長(都教委主任指導主事出身)は、「新規採用教員は1年間、学校現場に配属せず教委預かりとし、給料は支払いつつ、民間企業研修を含む徹底した研修を行う仕組みが、是非とも必要だ」と主張。だが、「若月案は子どもたちから離れた、行政に都合のよい新採教員の育成策」と、反発する傍聴者もいた。
文科省は9月16日、都道府県教委等に「中教審での一定の結論、法改正までの間は、現行制度が有効。現職教員は現行制度に従い、免許更新講習修了が必要」との文書を発出。特別部会は今後、『中間まとめ』の原案作成に入るため、市民による監視が必要だ。
『週刊新社会』(2010/10/5)
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