◆ 「安倍首相の靖国参拝は、政教分離に対する敵視」
「私はこの訴訟を英霊本人による訴訟、本人による異議申し立てだと思っている」
~違憲訴訟弁論で原告の関さん陳述
安倍晋三首相が靖国神社を参拝(昨年12月)したことは政教分離を定めた憲法に違反し、首相の参拝によって苦痛を受けたとして戦没者遺族ら273人が安倍首相と国、靖国神社を相手取って4月21日に起こした訴訟の第一回口頭弁論が9月22日、東京地裁で行われ、原告2人が意見陳述した。
女学校2年・13歳の時に広島への原爆投下で同級生のほとんどを亡くした関千枝子さん(82歳)は、「(祭政一致の国家によって)戦争の悲惨さなど考えることもできない人間がつくられてきた歴史を真摯に反省するとき、政教分離(憲法20条)が神道の否定であり、9条と対をなす非常に重要な平和思想であることを痛感する」と述べ、憲法の政教分離の意義を強調。
小泉純一郎元首相の靖国参拝に対する違憲判決(福岡地裁、大阪高裁)が確定しているにもかかわらず、安倍首相が参拝を強行したことは「憲法が定める政教分離への敵視だ」と指摘した。
1945年8月6日、関さんはたまたま病気のため休んでいたが、級友たちは爆心地から南へ約1・1キロの所にあった広島市役所裏での建物の強制撤去の勤労動員中で39人中38人が亡くなった。
亡くなった級友は戦後、68年に準軍属として靖国神社に合祀された。70年代にそのことを知った関さんは、「原爆投下によって無残な死を遂げた少女がなぜ英霊なのか」という強い疑問と違和感を持った。だから、「私はこの訴訟を英霊本人による訴訟、本人による異議申し立てだと思っている」と弁論冒頭で述べ、訴訟参加の理由を説明した。
関さんはまた、「教育体制の改変、秘密保護法、集団的自衛権など、今、安倍首相のやろうとしているすべてのことが、憲法の平和的生存権、基本的人権の思想に違反しており、絶対に許せない。その凝縮がこの靖国参拝(政教分離違反)だ」と主張。
「戦争ができる国・戦争する国」へと暴走する安倍内閣の危険性を裁判を通じて明らかにし、警鐘を鳴らす決意を示した。
韓国の民族問題研究所の責任研究員でキョンヒ(慶煕)大客員教授のキム・ミンチョルさんは、「靖国神社が私とは何の関係もない、よその国のことではない」と原告になった理由を強調した上で、「帝国日本の勢力膨張とともに、植民地と占領地に神社が建立された。したがってこれらの神社は、帝国主義的膨張をイデオロギー的に裏付ける施設であり、この施設の最高位に靖国神社がある。したがってアジアの人々にとって靖国神社は、ただ日本の特別な宗教などではなく、2000万人以上の人を死に追い込み、強姦や拷問、殺獄、家族破壊、そして人間の尊厳を抹殺する侵略の象徴だった」と述べた。
なお、安倍首相や国側の代理人は、「参拝は私人として行われたもので、原告らの信教の自由が侵害されたとは言えない」と訴えを棄却するよう求め、争う姿勢を示している。
次回の弁論は、12月1日。
『週刊新社会』(2014/10/21)
「私はこの訴訟を英霊本人による訴訟、本人による異議申し立てだと思っている」
~違憲訴訟弁論で原告の関さん陳述
安倍晋三首相が靖国神社を参拝(昨年12月)したことは政教分離を定めた憲法に違反し、首相の参拝によって苦痛を受けたとして戦没者遺族ら273人が安倍首相と国、靖国神社を相手取って4月21日に起こした訴訟の第一回口頭弁論が9月22日、東京地裁で行われ、原告2人が意見陳述した。
女学校2年・13歳の時に広島への原爆投下で同級生のほとんどを亡くした関千枝子さん(82歳)は、「(祭政一致の国家によって)戦争の悲惨さなど考えることもできない人間がつくられてきた歴史を真摯に反省するとき、政教分離(憲法20条)が神道の否定であり、9条と対をなす非常に重要な平和思想であることを痛感する」と述べ、憲法の政教分離の意義を強調。
小泉純一郎元首相の靖国参拝に対する違憲判決(福岡地裁、大阪高裁)が確定しているにもかかわらず、安倍首相が参拝を強行したことは「憲法が定める政教分離への敵視だ」と指摘した。
1945年8月6日、関さんはたまたま病気のため休んでいたが、級友たちは爆心地から南へ約1・1キロの所にあった広島市役所裏での建物の強制撤去の勤労動員中で39人中38人が亡くなった。
亡くなった級友は戦後、68年に準軍属として靖国神社に合祀された。70年代にそのことを知った関さんは、「原爆投下によって無残な死を遂げた少女がなぜ英霊なのか」という強い疑問と違和感を持った。だから、「私はこの訴訟を英霊本人による訴訟、本人による異議申し立てだと思っている」と弁論冒頭で述べ、訴訟参加の理由を説明した。
関さんはまた、「教育体制の改変、秘密保護法、集団的自衛権など、今、安倍首相のやろうとしているすべてのことが、憲法の平和的生存権、基本的人権の思想に違反しており、絶対に許せない。その凝縮がこの靖国参拝(政教分離違反)だ」と主張。
「戦争ができる国・戦争する国」へと暴走する安倍内閣の危険性を裁判を通じて明らかにし、警鐘を鳴らす決意を示した。
韓国の民族問題研究所の責任研究員でキョンヒ(慶煕)大客員教授のキム・ミンチョルさんは、「靖国神社が私とは何の関係もない、よその国のことではない」と原告になった理由を強調した上で、「帝国日本の勢力膨張とともに、植民地と占領地に神社が建立された。したがってこれらの神社は、帝国主義的膨張をイデオロギー的に裏付ける施設であり、この施設の最高位に靖国神社がある。したがってアジアの人々にとって靖国神社は、ただ日本の特別な宗教などではなく、2000万人以上の人を死に追い込み、強姦や拷問、殺獄、家族破壊、そして人間の尊厳を抹殺する侵略の象徴だった」と述べた。
なお、安倍首相や国側の代理人は、「参拝は私人として行われたもので、原告らの信教の自由が侵害されたとは言えない」と訴えを棄却するよう求め、争う姿勢を示している。
次回の弁論は、12月1日。
『週刊新社会』(2014/10/21)
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