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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

★ NHK「マクナマラは最後までベトナムを理解しないでこの世を去った」は間違い

2023年06月01日 | 平和憲法

 ★ <「映像の世紀」に異議あり>
  29日放送の「マクナマラの誤謬」に重大な事実誤認あり!
  皆さま     髙嶋伸欣です

1 昨夜(29日)放送のNHKTV<映像の世紀 バタフライエヘェクト>「ベトナム戦争・マクナマラの誤謬」を視聴して仰天しました。
 同番組は、下記の番組紹介にある通りに政治の場での統計第一主義は判断ミスを招くという意味での”マクナマラ誤謬”の定義に即したものです。それを他の事例ではなく語源となったマクナマラの言動を映像で実証しようとしたものでした。

 ※ ベトナム戦争 マクナマラの誤謬(ごびゅう)
   初回放送日: 2023年5月29日

 数字にばかりこだわり物事の全体像を見失うことを「マクナマラの誤謬(ごびゅう)」という。
 この言葉の由来となったのが米国防長官を務めたロバート・マクナマラ。
 神童と呼ばれたマクナマラはデータ分析を駆使してベトナム戦争に勝利しようとしたが、数値では計れないベトナム人の愛国心やアメリカ市民の反戦感情に目を向けず、300万以上の犠牲者を出す泥沼の戦争を招いた。アメリカを敗北に導いた一人の天才の物語である。

2 その限りにおいて、番組内容の大半は制作趣旨に即しているといえそうです。

 けれども、全体としてはマクナマラの人格・人間像について”マクナマラバッシング”一辺倒のものでした。
 まるで、ベトナム戦争を泥沼化させた張本人はマクナマラ1人で、彼は欠陥人間だったかのような扱いの番組でした。

3 その点に私は仰天しました。理由は下記の通りです。

 ① 第1に、番組は「マクナマラは最後までベトナムを理解しないでこの世を去った」旨の捨てセリフで終わっています。
 でも、この決めつけは明らかに誤りです。

 番組でも紹介されているボー・グエンザップ将軍との面会の後に、改めて本格的に両国の当事者たちが数日間の対話(討論)の機会(「ハノイ対話」)をマクナマラの提唱で開催しています。
 その討論を通じて、マクナマラはベトナムについて理解を深めたのだと証明したのが<Nスペ・我々はなぜ戦ったのか>です。

*今、沖縄にいて上記<Nスペ>をVHSからDVDに転換した映像や関連資料類が手元にないので、東京に戻り次第に改めてこの点についての証拠の提示をするつもりです。

 ② 第2に、ベトナム戦争における米国の誤りは、日本軍の敗戦と同時にベトナムで声を挙げたホー・チンミンらの民族自決の声を聴く機会が何度もあったのに、それらの機会をことごとく生かすことなかった歴代の大統領たちの政権の落ち度に起因しているとされています。

 そのことを立証したドキュメント番組(3部作)があります。同番組をNHKは<BS世界のドキュメンタリー>で放送しています。

 ③ 従って、べトナム戦争は、マクナマラ一人の責任ではないのです。東西対決情勢下で共産主義脅威論に染まり切って、東南アジア政策を組み立てていたダレスなどの強硬論者が敷いたレールの上の”誤謬”だった、と「映像の世紀」制作者たちは気づけたはずです。

*この3部作のドキュメントもVHSからDVDにダビングしたものが東京にあるので、詳しくは東京に戻ってから詳しく説明します。


 4 他の細かいことは後日としますが、昨日の<映像の世紀>は①と②の点だけでも大いにあやまった内容だと、私には思われます。

*予告では、6月7日(水)夜11時50分から再放送とのことです。それまでには東京にもどります。

   昨夜の放送を見逃しているかもしれませんが米国政府関係者、特にマクナマラ氏の遺族などが視聴していたら、人格攻撃につながる事実歪曲だとして抗議の声を挙げそうな気さえします。

*最後の”捨てセリフ”がなぜそのまま放送されたのか疑問です。

  以上 中途半端な話題提起ですが、とりあえずの私見表明です。ご参考までに。


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