=立川テント村通信=
★ 朝雲レポート(8/3~9/21号)
★ 稲田防衛大臣がついに市ケ谷を去る。
PKO日報問題をめぐって、官僚、自衛隊トップとの責任のなすりつけ合いの末の辞任劇。うわさでは、制服組との相性はそうとう悪かったらしい。
「朝雲」紙によれば、同大臣辞任とあわせて、将軍連中も新しい顔ぶれに。ずらりと並んだ男の顔写真のかたわらに、稲田の退任会見の小さな記事が。
岸田文雄外粕が一週間だけ防衛大臣も兼務したのち、小野寺新大臣が就任。新大臣は、着任行事をへてすぐに市ヶ谷内のPAC3部隊を視察し、「皆さんが首都防衛の最後の砦」と激励。自衛官心理をくすぐるこの辺の機微は、稲田よりは長けていそうだ。(8/3、8/10号)
★ 稲田の数少ない「手柄」が女性隊員の地位向上(?)。
そうなのだ、女性隊員の戦闘部隊への参加が、ついに解禁されたのである。
第1号はAH1ヘリ(対戦車ヘリ)乗りの3佐。この女性、以前の配属先は立川基地でUH1に乗っていた。(8/3号)
男性隊員の家事・育児教育を基地で行う試みも。料理の作り方や、赤ちゃんの抱き方、おむつの替え方を基地で指導。護衛艦乗りなどは、出撃中に子どもが生まれた場合、初対面が数ヶ月たってから、ということもあるという。(8/10号)
★ 朝鮮のミサイル発射に『朝雲』紙も大フィーバー。
石原都政のブレーンをつとめた元陸将の志方俊之インタビューから。
「日本列島は28カ所の防空レーダーサイトをもつ『巨大なイージス艦』のようなもの。陸上配備のイージスアショアは最適」と米国からの大セールスを後押し。それにしても我らが祖国は、「不沈空母」から「イージス艦」になったわけだ。
さらに「北朝鮮崩壊に備えて難民対策が欠かせない。24時間体制で、25万人の難民を隔離・保護できるのは陸自しかない。1万5千人が任務に必要で、増員は避けられない」
「2040年には中国が米国を軍事的にも凌駕する。自衛隊は2~3倍の軍拡が必要で、武器輸出で収入を得るしかない。核とICBMの保有技術を潜在的に持ち続けることも必要だ」とも。
言いたい放題ですな。(8/31号)
★ 米軍の主力爆撃機B1を空自戦闘機が護衛する共同訓練が頻繁に紹介されている。
これはまず自衛隊機が朝鮮の防空網を破壊して、米軍が爆撃する露払いをすることを意味する。本当に大変なことになってきた。(8/31号など)
★ 政治学者の三浦瑠麗が『朝雲』のコラム担当に。
「日報問題が終わったとは思っていない」と鋭い切り込み。最大の問題は、「『日報』がPKO5原則違反の証明になるのを恐れて、各部署が上を付度したこと」という。
一見正しく見えるが、「国家と安保の根本にある誤魔化しを排することこそ、真の再発防止策」という結論に、この人やっぱりなー、の感想。要するに、「PKO5原則や憲法9条が誤魔化しだからこそ、こういう問題が起きるのだ」というオチなのだ。
この人は、基本、長いものにまかれろ、の人。(8/17号)
★ 沖縄の自衛隊と米軍が防災演習「美ら島レスキュー」を実施。
沖縄で地震・津波が発生したとの想定で、那覇駐屯地で図上演習と小規模な救助訓練。自衛隊と沖縄県の初めての共同開催、初の米軍参加、と初めてづくし。
辺野古で国と鋭く対立する翁長知事も視察し、在沖米軍トップ、沖縄自衛隊トップと写真に納まった。こういう風に防災は使われてきたし、これからも使われていく。(9/7号)
★ コラム『朝雲寸言』が、米国で南北戦争時の南軍の英雄リー将軍の像が撤去される動きを批判的に紹介。
「我が国では乃木・東郷の像も健在だ」で結ばれている。実はリー将軍の銅像は、60年代に公民権運動に対するバックラッシュとして建てられたものが多いという事実も踏まえていない粗雑な記事。(9/14号)
★ 外交評論家の伊藤努がアフガン戦争に言及。
17年目に突入したアフガン戦争は、米国史上最長の戦争。「出口戦略」はいっこうに見えず、撤収と増派を繰り返しながら現在も1万5千人を派兵し、タリバン相手に戦闘中。「目算が狂った」というが、「米国の目算」ほど怖いものはない。朝鮮を巡る事態でも変な目算しないといいが。(9/21号)
『立川自衛隊監視テント村 通信476号』(2017年10月1日)
★ 朝雲レポート(8/3~9/21号)
★ 稲田防衛大臣がついに市ケ谷を去る。
PKO日報問題をめぐって、官僚、自衛隊トップとの責任のなすりつけ合いの末の辞任劇。うわさでは、制服組との相性はそうとう悪かったらしい。
「朝雲」紙によれば、同大臣辞任とあわせて、将軍連中も新しい顔ぶれに。ずらりと並んだ男の顔写真のかたわらに、稲田の退任会見の小さな記事が。
岸田文雄外粕が一週間だけ防衛大臣も兼務したのち、小野寺新大臣が就任。新大臣は、着任行事をへてすぐに市ヶ谷内のPAC3部隊を視察し、「皆さんが首都防衛の最後の砦」と激励。自衛官心理をくすぐるこの辺の機微は、稲田よりは長けていそうだ。(8/3、8/10号)
★ 稲田の数少ない「手柄」が女性隊員の地位向上(?)。
そうなのだ、女性隊員の戦闘部隊への参加が、ついに解禁されたのである。
第1号はAH1ヘリ(対戦車ヘリ)乗りの3佐。この女性、以前の配属先は立川基地でUH1に乗っていた。(8/3号)
男性隊員の家事・育児教育を基地で行う試みも。料理の作り方や、赤ちゃんの抱き方、おむつの替え方を基地で指導。護衛艦乗りなどは、出撃中に子どもが生まれた場合、初対面が数ヶ月たってから、ということもあるという。(8/10号)
★ 朝鮮のミサイル発射に『朝雲』紙も大フィーバー。
石原都政のブレーンをつとめた元陸将の志方俊之インタビューから。
「日本列島は28カ所の防空レーダーサイトをもつ『巨大なイージス艦』のようなもの。陸上配備のイージスアショアは最適」と米国からの大セールスを後押し。それにしても我らが祖国は、「不沈空母」から「イージス艦」になったわけだ。
さらに「北朝鮮崩壊に備えて難民対策が欠かせない。24時間体制で、25万人の難民を隔離・保護できるのは陸自しかない。1万5千人が任務に必要で、増員は避けられない」
「2040年には中国が米国を軍事的にも凌駕する。自衛隊は2~3倍の軍拡が必要で、武器輸出で収入を得るしかない。核とICBMの保有技術を潜在的に持ち続けることも必要だ」とも。
言いたい放題ですな。(8/31号)
★ 米軍の主力爆撃機B1を空自戦闘機が護衛する共同訓練が頻繁に紹介されている。
これはまず自衛隊機が朝鮮の防空網を破壊して、米軍が爆撃する露払いをすることを意味する。本当に大変なことになってきた。(8/31号など)
★ 政治学者の三浦瑠麗が『朝雲』のコラム担当に。
「日報問題が終わったとは思っていない」と鋭い切り込み。最大の問題は、「『日報』がPKO5原則違反の証明になるのを恐れて、各部署が上を付度したこと」という。
一見正しく見えるが、「国家と安保の根本にある誤魔化しを排することこそ、真の再発防止策」という結論に、この人やっぱりなー、の感想。要するに、「PKO5原則や憲法9条が誤魔化しだからこそ、こういう問題が起きるのだ」というオチなのだ。
この人は、基本、長いものにまかれろ、の人。(8/17号)
★ 沖縄の自衛隊と米軍が防災演習「美ら島レスキュー」を実施。
沖縄で地震・津波が発生したとの想定で、那覇駐屯地で図上演習と小規模な救助訓練。自衛隊と沖縄県の初めての共同開催、初の米軍参加、と初めてづくし。
辺野古で国と鋭く対立する翁長知事も視察し、在沖米軍トップ、沖縄自衛隊トップと写真に納まった。こういう風に防災は使われてきたし、これからも使われていく。(9/7号)
★ コラム『朝雲寸言』が、米国で南北戦争時の南軍の英雄リー将軍の像が撤去される動きを批判的に紹介。
「我が国では乃木・東郷の像も健在だ」で結ばれている。実はリー将軍の銅像は、60年代に公民権運動に対するバックラッシュとして建てられたものが多いという事実も踏まえていない粗雑な記事。(9/14号)
★ 外交評論家の伊藤努がアフガン戦争に言及。
17年目に突入したアフガン戦争は、米国史上最長の戦争。「出口戦略」はいっこうに見えず、撤収と増派を繰り返しながら現在も1万5千人を派兵し、タリバン相手に戦闘中。「目算が狂った」というが、「米国の目算」ほど怖いものはない。朝鮮を巡る事態でも変な目算しないといいが。(9/21号)
『立川自衛隊監視テント村 通信476号』(2017年10月1日)
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