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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

全国都道府県HPに見る「請願法」違反の要件加重の事例

2020年07月07日 | こども危機
  <教科書比較の私見②-3>
 ◆ 都道府県「議会宛請願案内」も請願法違反事項のてんこ盛り!
   皆さま     高嶋伸欣です


 「請願権」についての啓発学習を阻害しているものについて、なおこだわっています。
 先のメール<私見②-2>で紹介したように都道府県公式HPが「議会宛請願案内」にすり替えられている詐術を見逃すことはできませんが、改めてすり替え画面自体を、丹念に精査していくと、「議会宛請願案内」においても、請願法違反の要件加重等をしている事例がぞろぞろと出てきます(6月19日時点のものです)。
 最も多いのが、「請願書」提出の日時を制限しているもので、議会事務局の執務時間中に限るとして「土・日、祝日以外の午前8:30~午後5:00」(滋賀県・京都府など。岡山県は8:30~12:00、13:00~17:00)という具合です。
 「郵送でも可能です」という説明を付記して上で、窓口の業務時間を示しているケースの方が多いのですが、これら3府県は郵送について触れていません
 加えて「請願権」は、「日本国内在住の人であれば、国籍・年齢を問わず、全国どこの官公署に対しても、住所と氏名を記した請願文書を様式自由で提出できる権利」であることをきちんと認識しているとは思えない「案内」が多数あります。
 この範疇で最も多いのが、「県民(都民)の皆さんは~できます」というケース(山形、東京、千葉、福井、滋賀、島根、岡山、広島、山口、佐賀、長崎、宮崎、沖縄など)で、同様に「国民に保証されている権利です」などと説明しているものもあります(福岡、大分)。
 県内居住者に限る、日本国籍の人に限る、と思い込ませることになる説明です。

 その他、請願の文字数を1500字以内などと制限しているもの(鹿児島)や2部(岩手、岐阜)、3部(石川)の提出を義務付けているものがあります。
 さらに、「住所・氏名」とともに「電話(番号)」の明記を求めているところも複数あります。鳥取県の場合は「できれば電話番号かメールアドレスなど日中の連絡先を書き添えて下さい」として、任意であることと必要になる事情を明らかにした説明になっています。
 *ちなみに、偶々、滋賀県草津市教育委員会の請願規定をPCで見たところ、「住所・氏名」に加えて「職業及び年齢」の記載が要件に加えられていました。もちろん、請願法違反です。全国1500を超える市町村議会や独立委員会などの「請願案内」を精査すると、まだまだ様々なケースがみつかりそうです。
 WEB授業などで、こうした既存の「請願案内」の精査・点検をして、不都合なケースについては是正を申し入れる体験をする機会を児童生徒や学生が創るというのはいかがでしょうか。
 対象が「議会宛請願案内」であった場合、請願のあて先を「議会(議長)」にすると、「議員の紹介」というハードルに直面しますが、あて先を「議会事務局長」など事務方の責任者にすれば、「議員の紹介」という要件をかわせるのではないかと思います。
 念のためですが再確認すると、「請願書」は「自治体内の住民に限らず日本国内に在住の外国人を含むすべての人びとが、年齢に関係なく、住所・氏名のみを記載した様式自由で請願内容を明示した文書」であればよく、居住地域に関係なく、全国すべての官公署に提出可能なものです。
 「請願書」の提出について、上記以外の制約・委縮させる条件を加重することは「請願法」違反に該当し、憲法16条に定められた基本的人権「請願権」の侵害になります。
 以上、「請願権」についての高嶋の私見です。ご参考までに。

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