◆ 古賀茂明氏がズバリ 「安倍首相の靖国参拝は金正恩と同じ」 (日刊ゲンダイ)
安倍首相は6日、三重県伊勢市で年頭記者会見に臨み、集団的自衛権の行使容認や憲法改正の議論を加速させるべきだと表明した。昨年末の靖国神社参拝については「真意を説明すれば理解は得られる」と強調。相変わらずの単細胞のタカ派ぶりだったが、こうした安倍の外交姿勢を「北朝鮮と同じだ」と断じた人がいる。改革派官僚で名をはせた論客、古賀茂明氏だ。
古賀氏の発言は昨年末に行われた講演の中で飛び出した。
なぜ、このタイミングで参拝したのか。古賀氏は「国会が終わり、秘密保護法を通し、税制も片付き、予算編成も終えた。東電、銀行を守って、国民の電気料金にしわ寄せさせる仕組みも作った。懸案が片付いたことで、思い切ったことをやって、正月に入る。そういう作戦だったと思う」と解説した上で、こう続けた。
「安倍さんは<中韓は何をやっても同じ>という見立てなんでしょうね。おとなしくしていても強気に出ても結局のところ、うまくいかない。だったら、とりあえず、思いっきり高めの球を投げておく。これって、北朝鮮のやり方ですよ。北朝鮮はむちゃくちゃをやる。国際社会が『ふざけるな』というと、少し戻る。それが外交カードになる」
安倍がやっていることは将軍サマの瀬戸際外交と同じ類い、キワモノ外交だというわけだ。
そのうえで、古賀氏は安倍の瀬戸際外交は失敗するだろう、と断じた。
「これで<毎年、靖国行くのか>と中韓が思ったところで、次は行かなければ<外交カードになる>と思ったのでしょうが、一番気にしなければいけない米国が非難した。日本に一番近い国が非難したことで、他国も対日関係の悪化を気にせず、世界中が靖国参拝を非難する事態になったのです。その裏では中国がずっと、<日本は戦後の平和秩序を壊しにかかっている>というロビー活動をやっていました。しかし、安倍首相はイケイケドンドンですから、こうした情報は聞きたくない。だから、厳しい情報が正確に上がってこない。国家が判断を誤る典型例です」
安倍の靖国参拝で古賀氏が思い出したのは昨年、亡くなったネルソン・マンデラ氏だったという。
実は古賀氏、マンデラ氏が釈放されて牢屋から出てきたときに、ちょうど南アフリカの日本総領事館に出向していたのである。
「マンデラ氏は釈放された直後、各国の大使を集めて会見を開きました。そこで白人政権を非難するのかと思ったら、当時のデクラーク大統領を支持してくれ、と訴えたのです。ベルリンの壁が崩壊し、社会主義革命の失敗は明らかだ。黒人が決起し、白人を追い出しても、その結果、白人の持っている資金や技術が生かせなければ、アフリカは停滞するだけだ。白人への憎しみはあるだろうが、それを抑えて、白人と一緒に国をつくらなければいけない、と懸命に語りかけたのです。
これはマンデラ氏が人格者だったとか、そういう話ではなくて、ずぬけた能力なんですね。情報が遮断された牢屋にいながら、世界を多次元に正確に捉えて、自国が進むべき、正しい道を示した。これぞ、本当のリーダーですが、安倍首相がやっていることは違います。ちょっと支持率が下がると、靖国参拝に突っ走る。中韓が反発すると、保守層は<安倍さん頑張れ>と旗を振りますよね。そうやって、自分の地位を維持しようとする。これはリーダーが絶対にやってはいけないことです。本当のリーダーとはナショナリズムが沸き起こった時にそれを抑えて、相手国と交渉することなのに、安倍首相は間違えています」
さあ、この指摘に安倍はどうこたえるか。おそらく、グーの音も出まい。
『日刊ゲンダイ』(2014年1月7日)
http://gendai.net/articles/view/news/147064
安倍首相は6日、三重県伊勢市で年頭記者会見に臨み、集団的自衛権の行使容認や憲法改正の議論を加速させるべきだと表明した。昨年末の靖国神社参拝については「真意を説明すれば理解は得られる」と強調。相変わらずの単細胞のタカ派ぶりだったが、こうした安倍の外交姿勢を「北朝鮮と同じだ」と断じた人がいる。改革派官僚で名をはせた論客、古賀茂明氏だ。
古賀氏の発言は昨年末に行われた講演の中で飛び出した。
なぜ、このタイミングで参拝したのか。古賀氏は「国会が終わり、秘密保護法を通し、税制も片付き、予算編成も終えた。東電、銀行を守って、国民の電気料金にしわ寄せさせる仕組みも作った。懸案が片付いたことで、思い切ったことをやって、正月に入る。そういう作戦だったと思う」と解説した上で、こう続けた。
「安倍さんは<中韓は何をやっても同じ>という見立てなんでしょうね。おとなしくしていても強気に出ても結局のところ、うまくいかない。だったら、とりあえず、思いっきり高めの球を投げておく。これって、北朝鮮のやり方ですよ。北朝鮮はむちゃくちゃをやる。国際社会が『ふざけるな』というと、少し戻る。それが外交カードになる」
安倍がやっていることは将軍サマの瀬戸際外交と同じ類い、キワモノ外交だというわけだ。
そのうえで、古賀氏は安倍の瀬戸際外交は失敗するだろう、と断じた。
「これで<毎年、靖国行くのか>と中韓が思ったところで、次は行かなければ<外交カードになる>と思ったのでしょうが、一番気にしなければいけない米国が非難した。日本に一番近い国が非難したことで、他国も対日関係の悪化を気にせず、世界中が靖国参拝を非難する事態になったのです。その裏では中国がずっと、<日本は戦後の平和秩序を壊しにかかっている>というロビー活動をやっていました。しかし、安倍首相はイケイケドンドンですから、こうした情報は聞きたくない。だから、厳しい情報が正確に上がってこない。国家が判断を誤る典型例です」
安倍の靖国参拝で古賀氏が思い出したのは昨年、亡くなったネルソン・マンデラ氏だったという。
実は古賀氏、マンデラ氏が釈放されて牢屋から出てきたときに、ちょうど南アフリカの日本総領事館に出向していたのである。
「マンデラ氏は釈放された直後、各国の大使を集めて会見を開きました。そこで白人政権を非難するのかと思ったら、当時のデクラーク大統領を支持してくれ、と訴えたのです。ベルリンの壁が崩壊し、社会主義革命の失敗は明らかだ。黒人が決起し、白人を追い出しても、その結果、白人の持っている資金や技術が生かせなければ、アフリカは停滞するだけだ。白人への憎しみはあるだろうが、それを抑えて、白人と一緒に国をつくらなければいけない、と懸命に語りかけたのです。
これはマンデラ氏が人格者だったとか、そういう話ではなくて、ずぬけた能力なんですね。情報が遮断された牢屋にいながら、世界を多次元に正確に捉えて、自国が進むべき、正しい道を示した。これぞ、本当のリーダーですが、安倍首相がやっていることは違います。ちょっと支持率が下がると、靖国参拝に突っ走る。中韓が反発すると、保守層は<安倍さん頑張れ>と旗を振りますよね。そうやって、自分の地位を維持しようとする。これはリーダーが絶対にやってはいけないことです。本当のリーダーとはナショナリズムが沸き起こった時にそれを抑えて、相手国と交渉することなのに、安倍首相は間違えています」
さあ、この指摘に安倍はどうこたえるか。おそらく、グーの音も出まい。
『日刊ゲンダイ』(2014年1月7日)
http://gendai.net/articles/view/news/147064
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