パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

不正をしても、公務員や政治家は責任をとらなくていいんですよ―というのが日本の「道徳」

2018年06月25日 | こども危機
  《『東京新聞』【新聞を読んで】》
 ◆ 道徳を教えられるのか
森 健(ジャーナリスト)

 この四月から小学校では道徳が、成績が必要な「教科」となった。記述で教師が評価するのだという。
 道徳の教科化は第一次安倍政権の教育再生会議で推進されたものだ。その道徳の授業で、教師はいまの社会をどう伝えるのだろう。
 不正をしても、公務員や政治家は責任をとらなくていいんですよー。そんなことが教えられるだろうか。
 森友学園への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題。先月末、大阪地検特捜部は馬虚偽公文書作成容疑などで告発された佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官らを不起訴にした。
 東京新聞は翌六月一日の1面で「不正の背景に何があったのか」と重要な問いを突きつけた。
 一連の問題で明かされなかったのが、「何のために」という理由だからだ。
 経緯の詳細が不明な部分は複数ある。財務省が公表した九百五十ページの森友交渉記録。安倍昭恵氏付きの職員・谷査恵子(さえこ)氏が学園の要望を受けて賃料優遇を問い合わせた記録があった(5月23日夕刊1面)。
 この関係はどうだったのか。八億円もの値引きの立件も見送られた。財務省の調査報告でも詳細な解明はなされず、トップである麻生太郎財務相頭を下げずにおわびを読み上げ、進退は決せず会見を十五分で退席した(6月5日社会面)。
 加計学園問題でも不自然な経緯は明かされていない。
 先月27日、東京新聞は1面で首相と加計孝太郎理事長との面会が二〇一三年から一七年までの記録で一三~一四年は七回、一五~一六年は十二回と増えているのに、一七年以降はゼロと明かした。
 獣医学部新設計画を首相が知ったのは一七年一月二十日。誰しもが違和感をもつ話だろう。
 こうした状況を踏まえて、特報面では、全体主義の問題を指摘したハンナ・アーレントの人気に参照したり(5月21日)、日大アメフット部の反則問題から都合の悪いことは認めない政治家や宮僚と「構図は同じ」として全共闘OBが考察したり(26日),と、工夫をこらして警鐘を鳴らしてきた。
 これだけ不正や不誠実な振る舞いが横行するなら、小学校で道徳をどう教えればよいのだろう
 そんな中、晴れ間が見えたのが、憲法九条を詠んだ俳句、をさいたま市の公民館が掲載拒否したことでの訴訟。東京高裁は思想を理由に不公正な扱いをした違法性を認めた
 この問題は俳人の故金子兜太さんが作家のいとうせいこうさんとの対談で取り上げ、それが「平和の俳句」につながった。
 その「平和の俳句」がこの八月中旬、一日限定で復活するという。
 実は昨夏、筆者も金子さんに取材した。公式には「最後」という取材から一年、無理を承知で「平和の俳句」に応募してみようかと考えている。
※この批評は最終版を基にしています。

『東京新聞』(2018年6月17日)

コメント    この記事についてブログを書く
« 増え続ける日本のプルトニウ... | トップ | 「日の丸・君が代」問題等全... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

こども危機」カテゴリの最新記事