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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

和田中「夜スペ」第五回控訴審の報告

2011年04月23日 | こども危機
<転送歓迎>(重複ご容赦)
・「都教委包囲首都圏ネットワーク」・「千葉高教組」・「新芽ML」の渡部です。

 本日(4月21日)、東京高裁において、和田中「夜スペ」第五回控訴審がありました。
 本日は控訴人側の「準備書面15」「陳述書」に基づく意見陳述がありました。
 「準備書面15」は、藤原校長後の代田(しろた)校長(現職)時に起きた教員による生徒への「ワイセツ事件」の隠蔽について、学校や教育委員会の体質を問うものでした。
 この事件は外部の新聞報道により暴露されたもので、それに対する処分も1年後になされたものでした。
 しかも該当教員(数学、3年担当)は当時すでに「病欠」で休んでおり、その間、藤原校長によって廃止されたPTAは機能せず、保護者説明会でも明確な報告はなく、さらには数学の授業補充は「非常勤」ではない(公的に)「身分不明(?)」の人間があたり、その結果「学級崩壊」が起きていたというのです。
 こうした結果をもたらしたのは、個人の価値観でPTAを廃止し、校長会からも脱退をした藤原前校長の責任が大きいのですが、そのように「何でも自由にできる特別扱い」を容認し、監視能力を失っていた、山田区政下の杉並区教委の責任でもあることを追求するものでした。
 「陳述書」(A4版16ページ)は、東大名誉教授で教育社会学の藤田英典さんによるものでした。
 内容の骨子は以下の通りです。

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 1、陳述人の略歴

 2、和田中「夜スペ」の教育上の問題性
 (1)和田中「夜スペ」の運営主体と実施主体
 (2)「夜スペ」実施の目的とその目的達成のための受講者募集及び選抜方針の問題性
 (3)高校入試競争のアンフェア化と新たな受験競争の激化の危険性
 (4)「ふきこぼれ」の背景要因と対応課題
 (5)教育産業の公的教育参入と公教育の危機
 (6)教育機会の制度的差別化と格差社会の深刻化

 3、和田中「夜スペ」に公共性・公益性があると言えるか
 (1)和田中「夜スペ」は「公の支配に属しない・・教育・・・の事業」に当たるか
 (2)和田中「夜スペ」は公益性を有すると言えるか
 (3)営利企業である特定の進学塾に委託して「夜スペ」を実施することの問題性

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 この「陳述書」の2の(5)教育産業の公的教育参入と公教育の危機、には次のような記述もあります。
 「夜スペ」や全国学力テストは、日本の公教育がテスト学力偏重・進学実績偏重とそのための歪んだ競い合いに駆り立てられ、その果たすべき教育役割を矮小化し、教育産業への過度の依存を強めていく、その「トロイの木馬」になりかねません。
 また、3では、
  ・憲法89条 「公の財産の支出利用の制限」
  ・学校教育法137条 「社会教育への利用」
  ・教育基本法13条 「学校、家庭及び地域住民の相互の連携協力」
 にてらして、「公共性・公益性」を検討、

  ・「夜スペ」事業は「公の支配に属しない教育事業」ということになります。
  ・同事業は公益性に反すると考えられます。
  ・サピックスは、利益をあげることはできなくとも社員の経費を確保するという点でのメリットがあり、その「公認」という利益やそれに伴う信頼・安心の確保という利益を享受することになり、そして、和田中及び杉並区教育委員会はその利益を供与したことになります

 と述べ、

 「以上のような理由により、私は、和田中『夜スペ』は、日本の教育の現状及び将来にとっても、そしてまた、公共性・公益性という点でも、問題が多く、将来に禍根を残すことになりかねないと考えます」
 と結んであります。

 なお、控訴人は
  ・前教育委員の<あきもとゆみ>氏
  ・区教委元教育改革推進課長・<なかむらいちろう>氏

 を証人申請していましたが、採用するかどうかは次回以降決定ということになりました。
 次回は、7月12日(火)11:30~ の予定です。
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