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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

2・28国連勧告を活かすシンポ開催

2009年03月12日 | 人権
 ★ 国際水準から遅れた日本の人権
 ―「公共の福祉論」での表現の自由制約はノー
 ~~国連勧告を活かすシンポ開催

永野厚男(教育ライター)

 国連自由権規約委員会(以下、「委員会」)は第5回日本政府報告審査で昨年10月31日、日本の人権状況が国際水準から遅れていることを強く批判する総括所見(勧告)を公表した。
 国連経済社会理事会の特別協議資格を持ち、日本の社会や職場における差別・人権侵害をなくすよう国際機関や日本政府への働きかけを行っているNGO・国際人権活動日本委員会などの人権団体は2月28日、委員会勧告を日本社会でどう活かすか、考え話し合うシンポジウム&トークを都内で開いた。
 国家権力が政治ビラのポスティングを弾圧したり学校に"君が代"を強制したりする"根拠"にしている「公共の福祉論」について、鈴木亜英(つぐひで)弁護士は、委員会勧告が「日本の『公共の福祉』の概念は曖昧、かつ範囲が大まかで、規約の下で許容される制約を越える制約を許すことになるという懸念を繰り返し表明する」と、93年や98年の勧告より強い記述になっていることを紹介。表現の自由への政府による抑圧状況を改善させる必要性を語った。
 また、国連自由人権規約で保障された権利を侵害された人が委員会に直接救済の申し立てができる「個人通報制度」は、自由人権規約とセットになった第一選択議定書を、日本はまだ批准していないため、私たちは個人通報権がない。国連の自由権規約日本政府報告審査傍聴ツアーの事務局長を務めた吉田好一さんは、「日本政府は個人通報制度ができると、異議申し立てが沢山出てくるとか、三審制や再審制度があるとか、欺瞞的な理由を主張しているが、早期批准が必要だ」と訴えた。
 この後、賛同団体や参加者が発言。10・23通達(03年)後の卒業式で"君が代"時、不起立しただけで都教育委員会に不当処分された上、定年後の再雇用職員への道を絶たれた都立高元教諭は、「予防訴訟東京地裁判決(06年9月)以外の判決は、一部損害賠償を認めた場合も含め、『公共の福祉』を拡大解釈し、文科省や教委に阿(おもね)る判決を出している。かつて自由で創造的だった学校から、生徒や教職員の思想・良心・表現の自由を奪うようになっている」と訴えた。この他、過労死・過労自殺、自白強要や冤罪事件の実態を告発したり、裁判官への人権教育の必要性を訴えたりする発言が相次いだ。

―『週刊新社会』3月17日号の記事の詳細版―

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