《河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 都庁前通信》
● 天皇夫妻の「奉迎」に八王子市の3小学校が子どもたちを動員
~学校は「臣民」を育成するのか
4月23日に天皇夫妻が昭和天皇の墓に退位の報告に来るにあたり、墓のある八王子市では町会自治会連合会(以下、「連合会」)が中心となって「天皇奉迎実行委員会」(以下、「実行委員会」)がつくられた(連合会の会長が実行委員会の代表に就任し、市から報酬が出ている)。その実行委員会が奉迎に子どもたちを動員させた。
● 「市教委は情報を提供しただけ」
市教委は「実行委員会から『天皇陛下を乗せた車が何時にどこを通過する』という情報が寄せられたから、甲州街道沿いの3校(二小、横山二小、陵南中)にその情報をメールで提供した。立たせろとは言っていない」と言う。
学校教育法は、決定の権限を校長としているし、陵南中は立たせなかったのだから、かたちの上では「情報の提供」だったのだろう。
しかし、校長の一人は筆者の質問に、「メールが来る前に、指導担当部長から『対処してください』と言われた。対処ということは、立たせろと命令はしないが、忖度しろということ」と答えた。
市教委はメール文で、「参加の可否」を報告させた。このことからも、忖度を求めていたことが十分にうかがえる。
墓を訪問した後、夫妻は高尾みころも霊堂を訪問した。その際に沿道となる浅川小は5、6年生に出迎えと見送りをさせた。
校長は「連合会から要請を受けたからやったのではない。校長である私が決めたのだ。連合会が教えてくれたから、(『御出迎えと御見送り』が)できた。連合会は子どもたちに旗も準備してくれた」と言った。
「出迎えと見送りは敬意の意思表示。思想の強制になるとは考えなかったのか」と訊くと、「連合会から話があって、あえてそれをやらないのは、反対の意思表明になる。敬意を持つのは、日本の国のルールであり、文化だ。あなたのように反対する人がいるのは承知だが、多くの国民が天皇に敬意を持っている。共産党も赤旗で代替わりに賛意を表明している。」と校長。少数の意思は踏みつぶしてもいいと考えるようだ。
2004年の園遊会で、都教委の米長委員が平成天皇に「日本中の学校で日の丸を掲げ君が代を歌わせます」と話し、天皇は「強制にならないように」と答えている。
今回、天皇夫妻は子どもたちのエキストラさながらの動員を知ったら喜ぶのだろうか。
● 「子どもたちが前列でお迎えできるよう御配慮」を
実行委が出した4月15日付文書は言う、「天皇皇后両陛下 武蔵陵昭和天皇山陵に親謁の儀に伴う八王子奉迎(沿道お迎え)対応について」は、「国旗小旗は、当日沿道にて、町会自治会連合会の方から配布します。沿道では、子どもたちが前列でお迎えできるよう御配慮方お願いします。」。子どもを動員することに力点を置いていることは一目瞭然だ。
戦前の天皇制のもとで子どもたちは天皇奉迎に度々動員された。同じことがまた繰り返されている。
憲法1条は「天皇は日本国民の象徴」と謳うが、同19条で「思想・良心の自由」、20条で「信教の自由」を各人に保障している。敬意の表明を押し付けてはならないのだ。公教育がそれをしてはならないのは当然の理だ。
『河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会』(2019/7/25)
● 天皇夫妻の「奉迎」に八王子市の3小学校が子どもたちを動員
~学校は「臣民」を育成するのか
4月23日に天皇夫妻が昭和天皇の墓に退位の報告に来るにあたり、墓のある八王子市では町会自治会連合会(以下、「連合会」)が中心となって「天皇奉迎実行委員会」(以下、「実行委員会」)がつくられた(連合会の会長が実行委員会の代表に就任し、市から報酬が出ている)。その実行委員会が奉迎に子どもたちを動員させた。
● 「市教委は情報を提供しただけ」
市教委は「実行委員会から『天皇陛下を乗せた車が何時にどこを通過する』という情報が寄せられたから、甲州街道沿いの3校(二小、横山二小、陵南中)にその情報をメールで提供した。立たせろとは言っていない」と言う。
学校教育法は、決定の権限を校長としているし、陵南中は立たせなかったのだから、かたちの上では「情報の提供」だったのだろう。
しかし、校長の一人は筆者の質問に、「メールが来る前に、指導担当部長から『対処してください』と言われた。対処ということは、立たせろと命令はしないが、忖度しろということ」と答えた。
市教委はメール文で、「参加の可否」を報告させた。このことからも、忖度を求めていたことが十分にうかがえる。
墓を訪問した後、夫妻は高尾みころも霊堂を訪問した。その際に沿道となる浅川小は5、6年生に出迎えと見送りをさせた。
校長は「連合会から要請を受けたからやったのではない。校長である私が決めたのだ。連合会が教えてくれたから、(『御出迎えと御見送り』が)できた。連合会は子どもたちに旗も準備してくれた」と言った。
「出迎えと見送りは敬意の意思表示。思想の強制になるとは考えなかったのか」と訊くと、「連合会から話があって、あえてそれをやらないのは、反対の意思表明になる。敬意を持つのは、日本の国のルールであり、文化だ。あなたのように反対する人がいるのは承知だが、多くの国民が天皇に敬意を持っている。共産党も赤旗で代替わりに賛意を表明している。」と校長。少数の意思は踏みつぶしてもいいと考えるようだ。
2004年の園遊会で、都教委の米長委員が平成天皇に「日本中の学校で日の丸を掲げ君が代を歌わせます」と話し、天皇は「強制にならないように」と答えている。
今回、天皇夫妻は子どもたちのエキストラさながらの動員を知ったら喜ぶのだろうか。
● 「子どもたちが前列でお迎えできるよう御配慮」を
実行委が出した4月15日付文書は言う、「天皇皇后両陛下 武蔵陵昭和天皇山陵に親謁の儀に伴う八王子奉迎(沿道お迎え)対応について」は、「国旗小旗は、当日沿道にて、町会自治会連合会の方から配布します。沿道では、子どもたちが前列でお迎えできるよう御配慮方お願いします。」。子どもを動員することに力点を置いていることは一目瞭然だ。
戦前の天皇制のもとで子どもたちは天皇奉迎に度々動員された。同じことがまた繰り返されている。
憲法1条は「天皇は日本国民の象徴」と謳うが、同19条で「思想・良心の自由」、20条で「信教の自由」を各人に保障している。敬意の表明を押し付けてはならないのだ。公教育がそれをしてはならないのは当然の理だ。
『河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会』(2019/7/25)
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