◆ 逆転不当判決から1年を経て!
昨年の7月19日に再雇用拒否撤回を求める第二次訴訟において最高裁が逆転不当判決を言い渡してから1年が経った。
一部勝訴とは言え2015年の東京地裁・高裁の判決は、必ずしも私たちの主張を全面的に認めたとは言えないものであった。君が代斉唱を強制することが思想信条の自由を侵すこと(憲法19条違反)であり、君が代斉唱の強制に耐え得ない者の採用を拒否することが思想信条による採用差別(憲法14条違反)である、という私たちの主張に明確に応える判決文ではなかったからである。
しかし、都教委の違法行為を厳しく糾弾するものではあった。地裁は、2007年のピアノ裁判で「君が代強制」の職務命令が憲法違反には当たらないとした最高裁判例があったことから、憲法問題としての判断をあえて避けようとしたとも考えられる。
それでも高裁においては、2011年の一連の君が代裁判における最高裁判例を引きつつ、『職務命令違反に対して過大な不利益が課せられることになるとこれら(思想および良心)の自由の侵害になり得るものである。…現状の運用自体も憲法上の自由との関係で問題がある』とし、都教委は裁量権逸脱・濫用につき賠償せよと、都教委の施策が憲法違反であるとの判決にあと一歩と迫った。
この時点で私たちは、再雇用闘争で今まで越えられなかった高裁の壁を破ったと一瞬の達成感を味わった。
2011年から2012年にかけて最高裁の日の丸・君が代関連裁判の判決文には判事個人の意見表明が多く見られた。主文では10.23通達および君が代斉唱の職務命令は憲法違反には当たらないとしたものの、行政としての取るべき態度にふれた意見がいくつか見られたのである。今次高裁判決は、このような論理の延長の上に立って行われたと考えられるのである。
昨年の最高裁逆転不当判決に対しては、主要新聞の社説のみならず、各種の出版物において声明あるいは研究論文等が最高裁の判断に対する論評を掲載しており、その多くは批判的な論調であった(法学セミナー3月号、九州産業大学地域共創学会誌『思想による差別』(堀口悟朗)、岩波書店『最高裁に告ぐ』(岡口基一)等々)。
私たちはマスコミ・ミニコミに多くの最高裁に対する批判が現れたことが、これからも続く日の丸・君が代強制反対の闘争を支える力となるのではないかと期待している。しかし、現実の問題としては、最高裁で確定勝利判決が出ない限り事態の本質的な変化を手にすることはできない。
都教委は最高裁判決が出るや否や『都の主張が認められたものと考え…非常勤教員等の採用選考については適正に実施していく』とますます教員の自由を奪おうとしている。
すでに今春再任用の雇止めを予告するという暴挙に出ている。この間の政府もまた自らの誤りを認めず、独断専横のとどまるところを知らない。私たちはこれからも現場での抵抗を粘り強く続けなければならない。
再雇用拒否撤回を求める第二次原告団
昨年の7月19日に再雇用拒否撤回を求める第二次訴訟において最高裁が逆転不当判決を言い渡してから1年が経った。
一部勝訴とは言え2015年の東京地裁・高裁の判決は、必ずしも私たちの主張を全面的に認めたとは言えないものであった。君が代斉唱を強制することが思想信条の自由を侵すこと(憲法19条違反)であり、君が代斉唱の強制に耐え得ない者の採用を拒否することが思想信条による採用差別(憲法14条違反)である、という私たちの主張に明確に応える判決文ではなかったからである。
しかし、都教委の違法行為を厳しく糾弾するものではあった。地裁は、2007年のピアノ裁判で「君が代強制」の職務命令が憲法違反には当たらないとした最高裁判例があったことから、憲法問題としての判断をあえて避けようとしたとも考えられる。
それでも高裁においては、2011年の一連の君が代裁判における最高裁判例を引きつつ、『職務命令違反に対して過大な不利益が課せられることになるとこれら(思想および良心)の自由の侵害になり得るものである。…現状の運用自体も憲法上の自由との関係で問題がある』とし、都教委は裁量権逸脱・濫用につき賠償せよと、都教委の施策が憲法違反であるとの判決にあと一歩と迫った。
この時点で私たちは、再雇用闘争で今まで越えられなかった高裁の壁を破ったと一瞬の達成感を味わった。
2011年から2012年にかけて最高裁の日の丸・君が代関連裁判の判決文には判事個人の意見表明が多く見られた。主文では10.23通達および君が代斉唱の職務命令は憲法違反には当たらないとしたものの、行政としての取るべき態度にふれた意見がいくつか見られたのである。今次高裁判決は、このような論理の延長の上に立って行われたと考えられるのである。
昨年の最高裁逆転不当判決に対しては、主要新聞の社説のみならず、各種の出版物において声明あるいは研究論文等が最高裁の判断に対する論評を掲載しており、その多くは批判的な論調であった(法学セミナー3月号、九州産業大学地域共創学会誌『思想による差別』(堀口悟朗)、岩波書店『最高裁に告ぐ』(岡口基一)等々)。
私たちはマスコミ・ミニコミに多くの最高裁に対する批判が現れたことが、これからも続く日の丸・君が代強制反対の闘争を支える力となるのではないかと期待している。しかし、現実の問題としては、最高裁で確定勝利判決が出ない限り事態の本質的な変化を手にすることはできない。
都教委は最高裁判決が出るや否や『都の主張が認められたものと考え…非常勤教員等の採用選考については適正に実施していく』とますます教員の自由を奪おうとしている。
すでに今春再任用の雇止めを予告するという暴挙に出ている。この間の政府もまた自らの誤りを認めず、独断専横のとどまるところを知らない。私たちはこれからも現場での抵抗を粘り強く続けなければならない。
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