パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

☆ 神田香織が広島で『はだしのゲン』の緊急講談会

2023年03月23日 | 平和憲法

  広島市教委の平和教育教材はずしに寄せて (週刊新社会)
 ☆ 『はだしのゲン』と私

講談師 神田香織

 広島市教育委員会が「はだしのゲン」を小学3年王の平和教育教材から削除するという衝撃のニュースに接した時、10年前の松江市教育委員会が図書館からこの漫画を排除しようとした事件が蘇りました。
 これは黙ってはいられないと、すぐにSNSに以下のような怒りの声をあげました。

「この度の広島市教育委委員会の、平和教育から『はだしのゲン』を外すという報道には大変驚くと同時に憤りを感じております!被爆の実態に迫りにくい、とのことですが、逆です。
 被爆の実態をリアルに表現、自分の身に起きたらと思うと、想像させる力がある漫画だからこそ、世界中で読まれているのです。
 ウクライナ戦争でロシアが核兵器の使用に言及した今だからこそ、ますます『はだしのゲン』は平和教育に欠かせないと思います。
 浪曲の説明が大変?浪曲は日本の三代話芸の一つ、その時代の空気感がよくわかるし、なんならついでに講談についても子ども達に教えて欲しい、戦争を通じて大衆話芸や戦時中の食にも触れる、平和教育のテキストとして『はだしのゲン』は最適です。教育委員会には再考して欲しいです」

 多くの賛同を得ることができました。

 ☆ 『ヒロシマ』で緊急講談会

 たまたま広島県三次市にZOOM講談教室の生徒、小武正教さん(作夏、国葬反対の国会前集会で発言した三次市の西善寺の住職)がいらして、『はだしのゲン』を広島でやりたいと伝えたところ、とんとん拍子に話が進み、彼と「教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま」が中心となり、削除撤回を求める電子署名とともに、緊急講談会を企画してくれました。
 こうした電光石火の働きで3月4日に弁護士会館ホールで緊急講談会開催の運びとなり、ほぼ満席の120人が参加し、新聞、TVの取材も各社集まりました。

 講談の後、被爆者の元高校教諭、豊永恵三郎さん(88歳)が登壇され、「戦争は教育から始まる」ときっぱり。
 続く意見交換も熱気をおび、小学校の『はだしのゲン』、中学校の『第五福竜丸』削除のみならず高校でも中沢さんのインタビユーが2ページから1ページに減らされ、被爆体験の部分が抜けてしまったとの報告がありました。

 広島で一体何が起きているのでしょうか。
 5月のG7サミットを前に、トマホークの大量購入など米国の言いなりになっている広島県選出の岸田首相に「忖度」しているのだとしたら、教育者としては最も恥ずべき判断だと言えます。
 また、一連の騒動について教育委員会のメンバーは「こんな騒ぎになるとは思わなかった」と。世界中から高い評価を得ているこの漫画に対するリスペクトがないのは、非常に残念です。

 ☆ 『はだしのゲン』との出会い

 講談『はだしのゲン』はサイパン玉砕の戦跡を見たのがきっかけで1986年8月8日に国立演芸場で発表しました。
 当時舞台俳優を目指して、発声法の勉強に最適だからと友人に勧められ、2代目神田山陽師匠の元にお稽古として通い始めたのです。
 講談独特の力強い発声法や軍談を学ぶうちに、声が大きくなり、また一人芝居のように演じる楽しさに触れて、一年後には講談協会に所属し前座修業に入ったわけです。

 3年間の修行を終えてプロとしてスタートする「ニツ目」に昇進した時、友人たちと記念にサイパンへ遊びに行きを、バンザイクリフなど観光するうちに多くの戦争犠牲者の上に今の暮らしがあることに気づかされ、帰国後「戦争」をテーマに講談を作ろうと、沖縄、広島、長崎と戦跡巡りをしていた時に、広島の原爆資料館の売店で漫画『はだしのゲン』と出会ったのです。
 以来37年語り続けて、全国の自治体や学校、NGO、市民団体など、公演の回数は延べ通算で1000回を超えています

 ☆ 全国キャンペーン開始

 ロシアのウクライナ侵攻開始から一年、おびただしい血が流され家族は引き裂かれ、その上、ロシアは核使用をちらつかせています。
 一方で、トルコ、シリアを襲った大地震では5万人以上もの犠牲者が出てしまいました。
 天災と人災、せめて人災の戦争は我々の手で終えさせなければと強く思いますし、戦争に向かわせないために「新しい戦前」の今が踏ん張りどきだと思うのです。

 はじめるのは簡単だが、終えるのが難しいの戦争。今はどう考えも、削除ではなく『はだしのゲン』を生すときだど思うのです。
 取り返しのつかない事態になる前に、この流れに棹を刺さねば!と、削除撤回を求め、ちょっとオーバーですが『はだしのゲン』の全国キャンペーンに取り組みます。

 今回の事態を踏まえて通常の半額の15万(音響スタッフ含む)で対応させていただきます。「はだしのゲン」を全国で!ご連絡お待ちしてます。

お問合せはオフィス・パパン内「神田香織とはだしのゲン」の会
papan@ppn.co.jp
03-33731-0425

『週刊新社会』(2023年3月22日)

 


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