N高等学校代々木キャンパス(現新宿代々木キャンパス)(2021年11月)
《interschool journal》
★ KADOKAWAへのサイバー攻撃 N高・S高生徒の個人情報が流出か
6月にロシアのハッカー組織が出版大手・KADOKAWAにサイバー攻撃を行った事件をめぐり、同社が設立した通信制高校・N高校・S高校(学校法人角川ドワンゴ学園)の生徒・保護者・卒業生の個人情報が流出した可能性が高いことが4日、判明した。
N高校は2016年、KADOKAWAとドワンゴが「ネットの学校」として創設。
以降生徒数は急増し、2021年には2校目となるS高校が開校。
現在ではN高・S高合わせて約2万9000人の生徒が在校する日本最大の通信制高校となっている。
★ サイバー攻撃の2日後には学習アプリを復旧
6月8日未明、データを暗号化し、利用できない状態にする「ランサムウェア」という不正なプログラムが用いられ、KADOKAWAのサーバーにアクセスできない障害が発生。KADOKAWAの主力事業である出版事業や、子会社のドワンゴが運営する動画サービス「ニコニコ」に大きな影響が発生。「ニコニコ」は未だにサービスを本格復旧させられない状態となっている。
N高・S高でも一時サービスが利用不能になったものの、現在は復旧しているという。
この「ランサムウェア」型のサイバー攻撃は、サービスを利用不能にさせた後、ファイルの復号や情報漏洩の防止のために身代金の支払いを要求する悪質な手法だ。
★ N高・S高生の個人情報が流出
7月2日に、ハッカー組織がダークウェブ上にKADOKAWAのサーバーへのランサムウェア攻撃により入手した情報を流出させたと発表。
KADOKAWAによると、
▽ドワンゴの全従業員の個人情報、
▽ドワンゴと取引のあるクリエイターや楽曲収益化サービスを利用するクリエイターの一部の個人情報のほか、
▽N中等部・N高・S高の在校生・卒業生・保護者のうち一部の個人情報
が漏洩した可能性が高く、生徒や卒業生からは不安の声が上がっている。
★ KADOKAWA・学園の対応
KADOKAWAはサイバー攻撃を受けた翌日の6月8日に警察に連絡し、現在、警察が捜査を行っている。またKADOKAWAは現在、漏洩した情報の詳細を調査中で、7月中には外部専門機関の調査結果が得られる見通しである。
KADOKAWAは、事件を受け、N高・S高・N中等部生徒・保護者に向けてお問い合わせフォームを設置し、相談を受け付けている。
そのうえで「被害状況や影響範囲の究明を行うとともに、漏洩の可能性がある情報について鋭意調査を進めてまいります」と回答。
一方、役員や社員の処分や、身代金の支払いを行わなかった理由等について「現時点で当社としてお答えできることはありません。」としている。
『interschool journal』(2024年07月08日)
http://interschooljournal.officeblog.jp/36215148archives/20240708html
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