ピッコロ便り

ピッコロシアター、県立ピッコロ劇団、ピッコロ演劇学校・ピッコロ舞台技術学校など、劇場のトピックをご紹介します。

ピッコロ舞台技術学校「OBのいま」⑥ 村田晴弥 さん

2022年02月24日 | 演劇学校・舞台技術学校

コロナ禍のなか、3年ぶりの合同卒業公演に向けて、現役生たちは日々稽古やプラン作りに頑張っているところです。何とか公演日まで無事走り切ってもらいたいところですが、生徒たちの頑張りだけでは、公演にたどり着けない社会状況のため難しいところです。

今回の『OBのいま』は、舞台技術学校29期生(現役)で『株式会社パソナスマイル公演制作部テクニカルチーム』の村田晴弥さんです。

 

『現役生ですが…』

村田さんは現在、淡路島の「ハローキティショーBOX」「ハローキティスマイル」「波乗亭」「海の屋」などのテーマパークやイベントスペースで音響・照明のオペレーターとして活躍されています。日々現場で働く立派なプロ技術者なのですが、同時に現役の〈ピッコロ舞台技術学校〉の29期生でもあるのです…なぜ??

もともと村田さんは、昨年度の「ピッコロ舞台技術学校 体験講座」の修了生でした。

コロナ禍の影響で半年間のみの開講。卒業公演も出来なかった恵まれない年度だったのにもかかわらず、見事プロ技術者への道を切り拓き、夢を叶えたのですが、ピッコロ生活が楽しすぎたのか?卒業公演が出来なかったのが悔しかったのか?担当職員が止めるのも聞かず、今年度も〈ピッコロ舞台技術学校〉を受験。合格はしましたが案の定、仕事が忙しすぎて授業にほとんど参加できず29期生の間では“幻の有名人”と言われています。

〔実習授業にて〕

 

『燃えた!ハイスクールライフ』

「子どもの頃は将来、仮面ライダーになろうと思っていた」と真顔で話す、ちょっとヤバい村田さんですが、高校時代は、囲碁部・将棋部・弓道部をハシゴするという、よく言えば積極的!なようで実はやりたいことが定まらずフラフラしていたのでした。そんな時、友人から「放送部に入らないか?」と誘われます。正直あまり興味は無かったのですが、いま入部したら部長にしてやるという甘い?言葉に誘われ、4つ目のクラブに入部するのです。村田さんは肩書に弱かったのでした。

入部してすぐ、エントリーしていたNHK放送コンクールに、“部長”として朗読で出場しますが、何の経験もない肩書だけの部長ですので、当然のごとく最下位で落選。審査員の評価も散々で落ち込むも、逆に闘志を燃やし再挑戦を誓います。さすがに朗読は無理だと悟り、映像作品が面白そうだといきなり動画撮影を開始。台本も必要と脚本の執筆も始めました。ともに知識も手法も知らず情熱だけで突き進むそのパワーに刺激されたのか、村田さんの周りにはどんどん協力者が増えていきます。そして多くの仲間に協力してもらい作りあげた映像作品は何回か落選ののち、県大会決勝にまで進出!惜しくも全国大会出場こそ逃がしましたが、短期間に著しい進化を遂げたのです。

 

『燃え尽きた…社会人ライフ』

高校時代の体験から映像制作の道へ進みたいと考えた村田さん。しかし、諸々の事情から医療関係の学校へ進学~就職し、介護士として社会人の第一歩を踏み出します。元来、人の役に立つことが好きな性分でしたので、やりがいを感じていましたが、あまりの激務に、少しずつ自分が擦り切れていくような感覚に囚われるようになっていました。

そんな中でも、わずかな空き時間をみつけて脚本書きは細々と続けていました。生活の中で唯一ほっとする時間…「脚本家になれたらいいなぁ」 淡い願望を描きながら、仕事のこと、高校時代のこと、友達のこと、色々な題材から物語を紡ぎだしていました。一方仕事はさらに多忙を極め、いつしか自分がどこで何をしているのか、なぜこんなことをしているのか、益々わからなくなってきていました。

 

『萌える♡ピッコロライフ』

〈ピッコロ舞台技術学校〉の存在は、募集パンフレットを見かけて気にはなっていました。当時、メンタルが完全に行き詰まっていたこともあり、藁にも縋る思いでその門を叩きました。脚本を書く授業はありませんでしたが、放送部で触っていた機材の感触が懐かしく「音響コース」を選択。これがハマって一気にのめり込み、忙しい業務の合間を縫ってピッコロに通う日々。年齢や職業、立場も様々な同期生たちと切磋琢磨する毎日は楽しくて仕方がないものでした。コロナ禍のため、わずか半年間という短い学校生活でしたが、そこで得たものは村田さんの人生観を大きく変えたのです。

 

『萌えろ!キティーライブ』

一気に音響に目覚めた村田さんは、公演制作会社の技術部門に転職。日夜、演劇・イベント・ショーなどの音響、照明のオペレーションを手掛けるようになりました。「ハローキティショーBOX」「ハローキティスマイル」の名前からもわかる通り、キティちゃん関連のライブショーをメインに行っており、キティちゃんの知識なら、その辺のサンリオマニアには負けないと自負するほどです。とはいえ会社では、まだ1年目のド新人。技術者としては、わからないことや迷う場面も多く、先輩に叱られながら教えを乞い、ネットや専門書を片手に勉強、現場経験を積む毎日です。

 

『今、いちばんハマってることは~♪』

お笑い芸人・タレントの「バナナマン!!」と即答。出演番組は出来る限りチェックしています。あと、脚本書きもまだ続けているそうです。最近では知り合いのバンドの曲の作詞なんかも手掛けているとか。脚本家の夢はまだ継続中です。

 

『後輩たちへ!舞台技術者を目指す人たちへ!』

「よくぞ、この学校を見つけましたねと、まずあなたを褒めてあげたい。この学校は授業料が安すぎるのにもかかわらず、その何倍もの価値があります!頑張る人、頑張ろうとする人を応援してくれる!(いい意味で)中毒性がある、1年通っただけでは足りない、もっともっと居たくなる学校です。ただ、居さえすればいいという訳ではなく、積極性は必要だし同期の仲間たちとのコミュニケーションは必須です。

まだ新人の域の自分が言うのも何ですが、やりたい事があるなら一生懸命取り組めば、必ず出来る!答えが出るまで時間がかかるかも知れないけど、やるなら少しでも早く動きだすことが大事!大変なことも多いけれど好きと言う気持ちがあれば頑張れる。これは自分が実践していることなので自信を持って言えます。

みなさん是非〈ピッコロ舞台技術学校〉へ来てください。プロとして活躍している先輩たちも多いし、講師として後輩を指導くださっている先輩もいらっしゃいます。私も将来、必ず講師として戻って来ますので、一緒に燃える演劇を作りましょう!!」

〔やぁ〕

◆過去に掲載された「OBのいま」もお読みいただけます。

「OBのいま」① 渡辺 舞さん(舞台美術家・みらい舞台美術塾)

「OBのいま」② 竹内哲郎さん(舞台照明家・株式会社ハートス)

「OBのいま」③ 岩花さとみさん(舞台照明家・株式会社ハートス)

「OBのいま」④ 中村あすかさん(株式会社俳優座劇場舞台美術部)

 


ピッコロ舞台技術学校「学習成果発表会」終演!

2021年03月25日 | 演劇学校・舞台技術学校

去る令和3年3月7日、ピッコロシアター大ホールにおいて、令和2年度ピッコロ舞台技術学校〈体験プログラム〉受講生14名による「学習成果発表会」を実施しました。

第一部は「研究発表」と題し、美術コース・照明コースは美術模型と明かりを使ったプレゼンテーション、音響コースは無声映像に効果音を付ける音編集を行いました。

 

第二部では3コース力を合わせて、合同作品『扉』を上演。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一般のお客様には見てもらうことが叶いませんでしたが、半年間の学習の成果を存分に発揮し、素敵な舞台を作り上げました!

 

4月開講予定の令和3年度学校生、絶賛募集中です!

詳細→https://piccolo-theater.jp/school/addmission/

 

【後期選考】

申込締切:4/7(水)

試験日:4/10(土)10時~

 

ピッコロ舞台技術学校の卒業生の活躍はこちらから!

 


【お知らせ】ピッコロ演劇学校・舞台技術学校 令和2年度のカリキュラム変更について

2020年05月06日 | 演劇学校・舞台技術学校

令和年度のピッコロ演劇学校・舞台技術学校の開講について、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点により、月開講を断念し、月から、短縮カリキュラムでの実施を目指すことといたします。


カリキュラムの詳細等については、決まり次第、ホームページでお知らせいたします。
なお、今後の状況によっては更に見直しとなる場合もありますのでご了承ください。

開講を楽しみにされていた皆さまにはご迷惑、ご心配をおかけいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。


【授業料・受験料の返金について】
〈前期入試〉合格者で既に入学手続きをお済ませの方・・・第一期分授業料の返金

〈後期入試〉応募された方・・・受験料の返金
 返金手続きについては、準備が整い次第お知らせいたしますので、今しばらくお待ちくださいませ。

 

【臨時休館中のお問合せ・ご相談】

ピッコロシアター

電話 06-6426-1940(9:00~17:00、火~土曜日)

FAX  06-6426-1943 メール:theater@hyogo-arts.or.jp

※受付時間を短縮させていただきます。

※窓口業務は休止しております。


【ピッコロ舞台技術学校】後期選考試験日の延期と出願受付延長について

2020年04月10日 | 演劇学校・舞台技術学校

緊急事態宣言発令にともない、予定しておりましたピッコロ舞台技術学校〈後期選考〉の選考日が、4月11日(土)から4月23日(木)に延期になりました。

それに伴い、出願締切日も延長することになりましたので、以下お知らせいたします。

すでに出願いただいている皆様には、ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。また当校に興味のある方、不明点などある方はお問い合わせください。

 

ピッコロ舞台技術学校<後期選考試験>

【選考日】2020年4月23日(木)18:30~

【選考方法】面接のみ

※インターネットを利用したWEB面接を行います。スマートフォンまたはインターネット環境のあるマイク・カメラの付いたパソコンがあれば、どこにいても受験可能です。

【応募方法】ピッコロシアターの該当ページから願書のフォーマットをダウンロードしてFAXかメールで送信してください。

http://hyogo-arts.or.jp/piccolo/school/download/index.php

【送り先】 FAX:06-6426-1943 Mail:theater@hyogo-arts.or.jp

※PDFやJPGに変換して送ってください。

【締切日】2020年4月22日(水)17:00まで

【受験料】3,000円 ※受験料の支払方法については要相談

【お問い合わせ】 電話:06-6426-1940 (受付時間:月曜日を除く毎日9:00~17:00)

ピッコロシアター 舞台技術学校担当:西岡・木屋村(きやむら) 

 


【ピッコロ演劇学校】出願締切と選考試験の延期について

2020年04月09日 | 演劇学校・舞台技術学校

緊急事態宣言発令にともない、ピッコロシアターは、(木)まで臨時休館いたします。

つきましては、予定しておりましたピッコロ演劇学校〈後期選考〉の出願締切と選考試験の実施〔当初予定411()12()〕については延期させて頂きます。

 

延期日程については未定ですが、現在、月中・下旬の実施を目指し検討中です。

正式には今後の状況等を考慮し決定致しますので、今しばらくお待ち下さいますよう、よろしくお願い致します。

 

◆お問合せ・ご相談◆

ピッコロシアター 電話 06-6426-1940(受付時間9:00~17:00、月曜日を除く)

         メール:theater@hyogo-arts.or.jp

 


ピッコロ舞台技術学校『OBのいま』⑤ 阿蘓まゆ香さん

2020年03月08日 | 演劇学校・舞台技術学校

今日は、ピッコロ演劇学校・舞台技術学校の合同卒業公演を行いました。

新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、残念ながら無観客での上演となりましたが、学校生たちは雨にも負けず、コロナにも負けず、演劇学校・舞台技術学校一丸となって舞台を創り上げました。

連載5回目の『OBのいま』は舞台技術学校26・27期卒業生、『株式会社ツムラエンタープライズ』阿蘓まゆ香さんです。

 

『ちいさな舞台人』

子供のころの夢は「ミュージカル俳優」だったという阿蘓さん。歌うことが大好きで小さい頃から地元の合唱団に所属し、母親の影響もあって宝塚や東宝のミュージカルの鑑賞機会にも恵まれ、音楽劇などにも出演する舞台人のたまごでした。この頃からほんのり「舞台に関わる仕事がしたいなぁ…」と考えていたそうです。

 

『とにかく音楽漬け』

阿蘓さんは中学・高校でも地元の合唱団を続け、部活動も合唱部を選び、忙しくも楽しい音楽漬けな日々を送っていました。習い事の一つとしてヴァイオリンも習っていましたが、こちらはそこまで好きになれず、練習嫌いになってしまっていたそうです。ちなみに、ヴァイオリンを選んだ理由は、「ピアノに比べて初期投資が安いんですよ!(笑)」とのこと。

 

『舞台裏との出会い』

高校に上がって声楽のレッスンを受けるようになった阿蘓さんは、音楽大学に入学。声楽の勉強の一環として、先輩のオペラ公演や自主公演で裏方を務めたことが、舞台技術との出会いでした。

「自分たちでやらなきゃ何もできない」環境で、イチから舞台を作り上げなければいけない!照明・美術・舞台監督…未体験の仕事ばかりでしたが、どんなことでもやってみました。普段は舞台に立つことが多かった阿蘓さんでしたが、舞台裏の世界は想像以上に面白く、「もっとやってみたい!」と思ったそうです。

 

『音大生は就職先が無い?』

音大に入学したものの、演奏家になりたいわけではなく、教職もあまり向いてないかも…と思っていた阿蘓さんは、「音大出ても仕事が無いんですよね」とちょっとリアリストな目線を持っていました。

就職を控えて別の道でも生きてゆける術を身につけたい!と考えていた時、見つけたのがピッコロ舞台技術学校。「今から通えば大学卒業まで2年通える!」「頑張って勉強すれば舞台業界に就職できるかも?」と入学を決めました。

ちなみに阿蘓さんが最も興味を持っていたのは舞台美術でしたが、1年目はあえて照明コースを選びました。その理由は「美術を魅せるためには、照明についても知る必要がある」と考えたから。

そうして1年目は照明を勉強し、2年目は照明の知識を生かして美術コースでプランや大道具の製作を学びました。

 

『舞台が好きすぎて、舞台に関わる仕事がしたかった!』

そして大学4年の時、就活が始まり、1社だけ一般企業を受けたことがありました。友達と一緒になんとなく受けた会社でしたが、なぜか合格!…したものの、やっぱり「舞台の仕事がしたい!」という思いが抑えきれず、内定は辞退。腹をくくって「裏方さん」として舞台の世界で生きていこうと決意したのです!

それからの阿蘓さんは、技術学校の先生に、舞台への熱意を言葉でも行動でもアピールし続けました。そのやる気と腕を恩師であり、今は上司でもある木村先生に見込まれ、現在の会社に入社。見事に夢を叶えました!

 

『職人見習い』

舞台やテレビのセットを作る大道具さんとして働き始めて一年。重い道具の運搬は毎日のようにあり、夜間にセットの立て込みを行う現場もあり…多忙な日々が続きます。はじめは苦労しましたが、「今はだいぶ慣れましたし、やっぱり楽しいです(笑)」とたくましい答え。   

将来の夢は、平凡で穏やかな人生を送りつつ、腕のいい職人になること。いつか講師として、ピッコロ舞台技術学校に里帰りすることを目標に、日々頑張っています!

 

『ピッコロを志す人に一言!』

身長153cm音大うた科卒業の私でも大道具さんになれました!舞台業界に入ってみると、私のように音楽の道から舞台の裏方を目指す人は結構多いなと思います。ピッコロに来て、元気とやる気と舞台技術者になりたいという思いを周りに発信できれば、誰でも道は開けます!プロを目指す人にピッコロ、かなりおすすめです!!

 

「ママチャリと競技用の間の、ちょっといいやつです!」

プライベートでは自転車に乗ることが趣味。音楽の勉強からは離れましたが、歌うことは今でも相変わらず大好きで、よくカラオケに行ってリフレッシュしています。

 

◆過去に掲載された「OBのいま」もお読みいただけます。以下のリンクからどうぞ。

 

「OBのいま」① 渡辺 舞さん(舞台美術家・みらい舞台美術塾)

https://blog.goo.ne.jp/piccolo-town/e/35cba71e5ed9b9a72af6211de56d676f

 

「OBのいま」② 竹内哲郎さん(舞台照明家・株式会社ハートス)

https://blog.goo.ne.jp/piccolo-town/e/b774881da7ed9387da51e4ab406f6aaa

 

「OBのいま」③ 岩花さとみさん(舞台照明家・株式会社ハートス)

https://blog.goo.ne.jp/piccolo-town/e/f24a46b2363b701789b9c942de0e1c0

 

「OBのいま」④ 中村あすかさん(株式会社 俳優座劇場 舞台美術部)

https://blog.goo.ne.jp/piccolo-town/e/414ed406712d3717811c6c4bfc9801d2

 

◆ピッコロ演劇学校・舞台技術学校

http://hyogo-arts.or.jp/piccolo/school/index.php

 


【重要】ピッコロ演劇学校・舞台技術学校 合同卒業公演のチケットの払い戻しについて

2020年03月05日 | 演劇学校・舞台技術学校

新型コロナウイルス感染拡大防止とお客様の安全に考慮し、3月7日(土)・8日(日)に予定しておりました「ピッコロ演劇学校・舞台技術学校 合同卒業公演」は、観客のいない状態で開催することといたしました。

なお、チケットの払い戻しについては、下記のとおりです。

払い戻しにはチケットが必要です。半券を切り落としたチケットは払い戻しできません。

 

窓口での払い戻し

チケットをピッコロシアター事務所窓口へお持ちください。引き換えにご返金いたします。

【受付期限】2020年3月22日(日)まで (午前9時~午後9時 月曜休館)

 

郵送での払い戻し

郵送での払い戻しを希望される方は、下記までご連絡ください。

 

《払い戻し窓口・お問い合わせ先》

〒661-0012 兵庫県尼崎市南塚口町3-17-8

ピッコロシアター「合同卒業公演」払い戻し係

TEL06-6426-1940 FAX06-6426-1943(午前9時~午後9時 月曜休館、祝日の場合は翌日)


ピッコロ舞台技術学校「OBのいま」④ 中村あすかさん

2020年02月20日 | 演劇学校・舞台技術学校

令和最初の合同卒業公演まで、あと2週間あまり。演劇学校生は稽古に、舞台技術学校生はプラン作りに製作にと日々頑張っているところです。

1年ぶりの『OBのいま』は、舞台技術学校27期(昨年度)の卒業生で『株式会社 俳優座劇場 舞台美術部』の中村あすかさんです。

 

『幼い頃から舞台人!?

物心がつく前からバレエやお箏などを習い、人前に立つことも多かった中村さんにとって舞台はすごく身近で大好きな場所でした。将来はバレリーナ?それとも箏演奏家?ご両親の期待をよそに、本人はカメラマン・小説家・警察官に憧れていたという、他の子どもたちと同じよう…な、(のかな?) まあ色んな夢を描いていました。

 

『VS嵐に・は要りません』

そんな中村さんが、初めて大道具に興味を持ったのは小学生のころ。大ファンだった”嵐”の番組を見て「あのセットはどんな風になってるんだろう?嵐のセットを作ってみたい!!」と…。クラスメイトたちがマネージャーやスタイリストなんかに憧れるなか、他の子どもたちと同じよう…(じゃないよね?)な、憧れを持ったのがはじまりでした。

 

『もちろん地元の大学に行く気はなかったです!』

その後、運命的な出会いや事件もなく地元愛媛の高校を普通に卒業し、関西の大学へ!かつて舞台美術に興味を持っていたとはいえ、特別にモノづくりに熱心だったわけでもなく、とにかく都会へ行きたいという一心で、神戸の大学で環境デザイン(建築関係)を学ぶことに。

キャンパスライフは楽しかったのですが、勉強では同級生たちと目指す方向性の違いに温度差を感じていました。子どもの頃なりたかった警察官を目指すも、身長が6cm足らず断念。そんな中、イベントスタッフのアルバイトとしてライブや演劇など生の舞台に触れる機会が多かったこともあり、改めてその魅力にとりつかれ、舞台美術の世界に挑戦してみようと思うようになりました。

目標は定まったものの、いざ勉強するとなると大変。なぜなら中村さんは、もう大学4年生だったからです。経験も知識もない! 時間は1年しかない! 並行して就活もしなくてはならない!と、なかなか無謀な挑戦…

1年で基礎から専門的な事まで学べるところは?と探してみつけたのが『ピッコロ舞台技術学校』。すぐに入学することを決めましたが、ここでも大学時代のような違和感を覚えるようだったら、その程度の夢だったのだとあきらめて、実家のみかん農家を継ごうと考えていました。

 

『ピッコロ面白いっ!、俳優座スゴイ!』

「ピッコロ舞台技術学校は期待していた以上に面白く実践的な場でした。わずか1年ではありましたが現場で必要な様々なことを学べた気がします。また同期生は、みんな個性的で舞台技術以外にも学ぶことが多く、社会に出る前のわたしには、とても参考になりました。」

そんな中、忙しい合間を縫って東京まで観に行った芝居の舞台セットが凄すぎて、これぞ運命の出会い!絶対仕事にするぞー!!…、とはならず、「自分には絶対作れない~」とドン引き。プロなんて無理無理!と諦めかけたのですが、他の舞台の色々なセットを見ているうち「これいいっ!」と思うものがすべて俳優座劇場舞台美術部の作品だったので、一生の思い出作りのつもりで受験したところ、驚異の倍率だった狭き門をくぐり抜け見事合格!まさかのプロの道が開けたのでした。

実際に演劇学校公演で使われる舞台美術を製作

 

FRIEND SHIP

昨年4月に無事入社を果たして1年。今は研修生として、図面から立体にしていく大工・背景・経師・造形の仕事をされています。出来たものを劇場やTV局で立て込み、バラしたりを決められた期間で巡回する毎日。1月からは造形課でスチロールを削ったり、鉄工作業で溶接などにも挑戦中です。「最初の頃は、常に筋肉痛で湿布が手放せないほど苦しんでいましたが、身体がついてきだすと仕事は楽しいです! 工場内で流れる打ち合わせの放送や台車に積まれているセットを見るだけでワクワクします!」と、なかなか充実の様子。

まだまだ勉強はこれからですが、中村さん曰く「将来は同業者に注目されるようなセットを作ってみたい。また同じように愛媛から出てきて役者として頑張っている友達が立つ舞台のセットを自分の手で作ってあげたい。」と夢を語ってくれました。

いまは、各部署をまわって いろんな作業に挑戦中!

 

『今、いちばんハマってることは~♪』

「そりゃあ、ゲームです! すみません(笑)」

毎日忙しくて大変そうですが、プライベートはちゃんと大事にしているようです。

「写真も好きなので休みの日には、街や動物園なんかに出かけていろんなものを撮ってます。でも渋谷や原宿みたいな街には、ほとんど行きません。」それはもったいない。せっかくの東京暮らしなのに…。

もはや趣味の域を超えているのでは?という中村さんが撮った写真

 

『後輩たちへ!舞台技術者を目指す人たちへ!』

「…って、まだコメントできるほどじゃないけど、この学校はすごくいいよ!ってことだけは言っておきたいです。私は小学校から大学まで学校というところに本当に何気なく通っていました。そんなわたしに”青春”を教え、あたえてくれたのが『ピッコロ舞台技術学校』です! 学校ってこんなに楽しいんだ! たくさんいる生徒の中のひとりでなく、“中村あすか”というひとりの人間として見てもらえる空間で学べたことが本当にうれしかったです。

普通の学校と違って、同級生の年齢や職業など、みんなバラバラの人たちと共に学び、本当にたくさんの刺激を受けました。

私にとっては、確実に何かが変わった学校でした。あなたもきっと何かを見つけられるんじゃないかと思います。

何年後かに同じステージ(現場)で出会えたらいいですね!」

 

 

◆過去に掲載された「OBのいま」もお読みいただけます。以下のリンクからどうぞ。

「OBのいま」① 渡辺 舞さん(舞台美術家・みらい舞台美術塾)

https://blog.goo.ne.jp/piccolo-town/e/35cba71e5ed9b9a72af6211de56d676f

 

「OBのいま」② 竹内哲郎さん(舞台照明家・株式会社ハートス)

https://blog.goo.ne.jp/piccolo-town/e/b774881da7ed9387da51e4ab406f6aaa

 

「OBのいま」③ 岩花さとみさん(舞台照明家・株式会社ハートス)

https://blog.goo.ne.jp/piccolo-town/e/f24a46b2363b701789b9c942de0e19c0

 

◆ピッコロ演劇学校・舞台技術学校

http://hyogo-arts.or.jp/piccolo/school/index.php

 


【特別講義】平田オリザ先生

2020年01月30日 | 演劇学校・舞台技術学校

1月25日(土)は、ピッコロ演劇学校の特別講義を開講しました。

講師は劇作家・演出家で青年団主宰の平田オリザ先生です!

 

『演劇を学ぶとは・・・』というテーマで、まずは資料室にて座学を。

学校生たちは平田先生のお話に興味津々!!

夜は会場を中ホールに移し、平田先生が実際にワークショップで行っている身体を使ったゲームや、戯曲の一部を素材に言葉をどう伝えるか…など、具体的にわかりやすくご指導いただきました。

3月7日(土)・8日(日)の卒業公演に向け、今回の授業で学んだことを活かして頑張りましょう!!

 

演劇学校担当 山中


ピッコロ演劇学校「体験入学」行いました。

2020年01月22日 | 演劇学校・舞台技術学校

 1月19日(日)、ピッコロシアター大ホールにて、ピッコロ演劇学校の体験入学を開講しました。

 参加者の皆さんには学校概要の説明会を行った後、現役の本科生とともに演劇の授業体験をしていただきました。

 

シアターゲームではチームに分かれて試行錯誤し、最後は発表会形式でお題を見せ合いました。

みなさんとっても楽しそうで大盛り上がりでした!

 

ピッコロ演劇学校・舞台技術学校では、次年度募集を開始しています。

少しでも興味のある方はぜひ!一緒に一歩踏み出しましょう!

 

資料請求やお問い合わせは

http://hyogo-arts.or.jp/piccolo/school/request/index.php

電話06‐6426‐1940 FAX06‐6426‐1943

  

演劇学校担当 山中