6月27日、桂米朝さんを支え続けた妻 中川絹子さんが亡くなられました。
資料室は落語関係の本をたくさん保有しておりますが、その中から2冊をご紹介いたします。
『桂米朝 私の履歴書』桂米朝/著(日本経済新聞社、2002年)
落語少年だったころのお話や、絹子夫人との出会い、初の独演会のことなど、敗戦後、上方落語の隆盛を担い「人間国宝」となった米朝さんの半生記。
『なにわ華がたり 中川絹子 桂米朝と一門をささえた半生記』廓正子/著(淡交社、2004年)
駒ひかるとして活躍したOSK(大阪松竹少女歌劇団)時代や、終戦後の混乱の中での芸能活動、そして米朝さんとの結婚など、波乱万丈なお話が満載です。
米朝一門をささえ続けた絹子さんの半生記。
『なにわ華がたり』には、米朝さんの“ご挨拶”が掲載されており、自分に続いて夫人の半生記が出版されたことを、素直に喜んでいらっしゃいます。この二冊を読み比べてみると二人の記憶に少々食い違いがあるそうなのですが、探してみるのも面白かもしれませんね。
米朝さんも、「そこはご愛嬌、笑いながらご容赦ください」(『なにわ華がたり』p.1)とおっしゃっています。
資料室担当:高橋