僕の水道タンク

2007-09-06 | Weblog


「大谷口配水塔」
僕の思い出の配水塔。
僕らの呼び方は「水道タンク」
この全長31.8メートルの歴史ある巨大で偉大な
コンクリートの塊の足元に、僕の祖母の家があります。

幼い頃から、あたりまえに立っていた水道タンク。
なんと、昭和6年(1931年)からあるのですもの。
僕どころか、母が生まれた時にも彼は既にそこに立っていたのです。

水道タンクの真下は、小さな公園になっていて、
その恐ろしい程の存在感の横で、僕はボールを追いかけ、
犬に追い掛け回され、弟に内緒で駄菓子屋で買ったお菓子を食べ、
こっそりとお年玉を数えた。

のんびりした住宅地の中に立ち、
彼は何時でもそんな僕や町を見守っていました。

しかし彼も、遂に昨年、
その長い歴史に幕を下ろしました。

ボロボロで、まっ黒になって、窓は鉄板を貼り付けられていたけど、
それでも彼は、何時までもそこにいるものだと思ってた。
そこに居てくれないと困るもの。

残念。。。
仕方がないけどね。。。
長い間、本当によく頑張ったんだもの。。

あぁ、大谷口水道タンクよ!
大きくて優しい大谷口水道タンクよ!
ありがとう!

大人になってしまって、
あまり会いに行かなくてごめんよ。
だって、何時でもそこに居てくれると思ってたんだもん。




彼の立っていた場所には、東京都水道局により
平成21年頃に、新たに彼の意匠を受け継いだ配水塔が
建設される予定だそう。

子供が後を継ぐのです。
楽しみに待ちましょう。

あ、彼の双子の弟である野方配水塔は、
現在も中野区江古田にしっかりと立っていらっしゃいます。
見た目は瓜二つだけど、弟だからちょっとだけ小さくて30.9m♪