昨日見たNHKの『シリーズ 証言記録 兵士たちの戦争』
素晴らしかった。
太平洋戦争でアジア各地へ送られた郷土部隊。
フィリピンでのあまりにも絶望的な市街戦。
多くのフィリピンの人々を巻き込み、追い詰められていく日本兵の姿。
とてつもない狂気と絶望。
その場を語る元日本兵の御爺さんの目を、
僕はテレビの画面越しですら直視する事が出来ませんでした。
そんな地獄から生還された方々のインタビューと
当時の映像で構成されたこの番組の意味はあまりにも大きい。
戦場を体験された方々も、既に80歳代となっている今、
こういう記録番組を作る事はとても大切な事です。
僕らは戦争なんて全く知らない。
「知らない」ままでいる事は恐ろしい。
ほんの60年前に、僕らの先輩達が一体何を見て体験したのか。
それは出来れば知りたくない「地獄」です。
でもあの時代、僕たちと同じ日本人であり、
16歳たらずの若者達が、国や家族の為に戦い死んでいったのです。
勿論、戦争は例外無く馬鹿げている。
どんな理由があろうと。
だからこそ「知らない」ままにしてはいけない。
同じ事が繰り返されない為に、僕らは「知る」事から逃げず、
地獄から生還した方々の言葉を聞かなくてはいけない。
神風特攻隊の前偵察を行ない、自分の報告次第で
子供の様な年齢の兵士達が命を落としに飛び立つ。
そんな悲しい経験を持つ知り合いの御爺さんがいまして、
もう10年位前になるけど、その方と二人でお酒を飲み、
当時の話を聞かせてもらった事があります。
「私は戦犯なんですよ、ハヤシくん…」
普段無口な大先輩が、お酒のせいも多少ありはしても、
ジッとテーブルを見つめそう言った姿は
僕はきっと、一生忘れる事は出来ない。
なんだか
とっても
いろんな事を考えた夜だった。