世にある日々

現世(うつしよ)は 愛おしくもあり 疎ましくもあり・・・・

悲しみの時

2011-03-18 | ひとりごと










悲しみが ・・・・

悲しみが ・・・・

悲しみが地にへばりつく


今の頃 北の方では
光りが少しばかり多くなり
うす紫の透明な空気の中で
人々は春の予感に こころをなごませる

その よろこびを破るように
因果の理法という神は
この地上をはげしく叩かれた

いかに偶業*といえども
こころ清く 優しく生きていた人も
愛の中に生きていた人も
この人生の幕を閉じられてしまう

この神計らいの中で
人々は何を学ぶのだろう

この地が 悲しみで包まれるとき
涙して途方に暮れる人々は
諸行無常の風に吹かれ
一杯の水を手ですくうように
自分の人生をすくい上げ 呆然として見つめている


ああ 悲しみが ・・・・

悲しみが ・・・・

悲しみが 地にへばりつく


この やるせなさをどうしようか

痛いほど肌を刺す
人々の悲しみを どうしようか

それでも 北の(まち)は
やがて 春が来て 花が咲きほころぶ

いかに 悲しみが深くても
やがて 春が来る

我もまた 愛する者を亡くし
呆然とした日々を過ごし 痛むこころで春を迎えたように

人々もまた
そのような春を迎えるのだろうか

突如として
悲しみがこころを切り裂く痛みを
顔色を変えずに感じていくのだろうか


この悲しみを
ただ祈ることしかできない僕は
この痛みに 思いをはせることしか
できないのです





Prelude  Song Of The Gulls





                                                 * 偶業 (ぐうごう) 個人の業ではなくて、国民など団体が受ける業のこと