千万長者といわれるような人たちは何(いず)れも一度は
破産者または、破産同様の関所を越えてきた人ばかりである。
もしそうでなく安易に一千万円を得たならば、
それは間もなく煙のように消えてしまうに違いない。
もっとも美しき、もっとも強き、もっとも高邁(こうまい)なる性格は、
温室のような環境では育たないのである。
それはもっとも美しき筋肉美が、重きものを動かす運動をしないで
発達しないのとおなじことである。
環境の重圧に耐えて来た魂の筋肉美こそ最も美しいのである。
『 生長の家 』 誌 昭和二十四年七月号
「 困難の受け方に就いて 」 十九日の法語 谷口雅春先生