或(あ)る人はいう。
「 天才は忍耐なり 」 と。
まことにも天才は一つの目的に
精神力を粘着せしめて放さない人である。
一心になれば何でも一度きいたことは
忘れないで記憶することができる。
アブラハム・リンコルンは子供の時教会できいた話を
家(うち)へ帰ると、そのまま口移しに少しも間違わずに
復唱することができたという。
これは説教を聴聞している際に
完全に精神が説教に集中していたからである。
学校でも先生の顔を見詰めて一心に傾聴している生徒は
屹度(きっと)成績優良である。
『 生長の家 』 誌 昭和二十四年七月号
「 困難の受け方に就いて 」 二十四日の法語 谷口雅春先生