< 国家の品格は 先祖への尊敬心に始まる >
もと外交官であった岡崎久彦氏は、マスコミの 「 冷戦時代 」 の報道について、
次のように述べている。
< ベルリンの壁が崩れ、ソ連が崩壊したとき 気の早いマスコミは
「 これで冷戦時代は終結した 」 と はしゃぎましたが、冷戦が終わったのは
ヨーロッパだけのことで、極東は 全然違うのです。・・・・・・
極東に関するかぎり、ボーダレスなんて言葉はまったく関係ない。
これまでヨーロッパを主要な舞台としていた国際戦略論の舞台が、
極東に移ってきたと見るべきなのです。>
岡崎久彦氏と言えば、40年間 外務省に勤務し、最後には 特命全権大使に
任命された方である。< 特命全権大使というのは 天皇陛下から認証される
認証官ですので、位階としては 次官よりも上になります。>
岡崎氏は、下記の本を、渡部昇一氏と対談形式で著述されている。
『 賢者は歴史に学ぶ 日本が 「 尊敬される国 」 となるために 』
著者 渡部昇一氏、岡崎久彦氏 クレスト社
( 上記の書籍は絶版状態にあり、これが改訂・改題したものではないかと思います。
『 尊敬される国民 品格ある国家 』 著者 渡部昇一氏、岡崎久彦氏 ワック株式会社 )
上記の内容で、興味深かったのは、< もし、日本が大東亜戦争に突入していくのを
防ぐとすれば、どの時点までなら可能だったでしょうか。戦争のコースを変える
としたら、いつがラスト・チャンスだったか > という両者の見解でした。
どちらも、 共通するものがありますが、岡崎氏は、< その鍵を握るのは、
日英同盟 です。もし、日英同盟さえ維持していれば、日本は戦争(大東亜戦争)を
しなくとも済んだというのが私の観察です。>
櫻井よしこ氏も、日英同盟の破棄の時点から、「 日本は開戦を避けることができない状況に
陥った 」 と述べている。
一方、渡部氏は、日露戦争後の「 桂・ハリマン仮条約 」 ( 南満州鉄道を日米合併で
経営する) を破棄しなかったら、< 満州事変も起こりえなかったし、また日米関係も
緊張しなかった> という。
わが国の近現代史において、北清事変(1900・明治33年)、日英同盟(1902・明治35年)、
日露戦争(1904~1905・明治37~38年)前後あたりから詳しく把握してゆくことは、
とても大事であると考える。
また、渡部昇一氏は上記の本の中で、スマイルズの 『 品性論 』 から下記の文章を引用して
< 国家の品格は 先祖への尊敬心に始まる >と述べている。
< 国としての品格は、自分たちは偉大なる民族に属するという感情から、その支持と力を
得るものである。先祖の偉大さを受け継ぎ、先祖の遂(と)げた栄光を永続させるべきだと
いう風土がその国に出来上がったときに、国家としての品格が高まる >( 渡部昇一 訳 )
なお、わが国の近現代史について、下記の書籍も、貴重な示唆を与えてくれるものである。
『 年表で読む 明解! 日本近現代史 』 渡部昇一著 海竜社
2回 通読したが、とても読みやすい。
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