日生劇場の「カム フロム アウェ」のマチネ公演を観てきました。
劇場のロビーには、大きな世界地図。
いつもならキャストボードがあるのですが、今回は見当たりません。
その代わりに、物語の背景を解説するボードが隣に並んでいました。
この物語は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロの裏側で起きていた真実の出来事を描く、1幕ノンストップ100分のミュージカルです。
すごくテンポが早いので、ざっと目を通しておいてよかったです。
日生劇場名物、ストーリーを象徴するリスのジオラマ。
このミュージカルは、テロのために行き場を失った38級の飛行機たちを受け入れた、カナダのニュー・ファンドランド島のガンダーという小さな町の住人たちと、遠くからやってきた乗客たちとの人種や言語や宗教をこえた心のふれあいの物語。
それが伝わってくると思いませんか?
この作品は、安蘭けい・石川禅・浦井健治・加藤和樹・咲妃みゆ・シルビア グラブ・田代万里生・橋本さとし・濱田めぐみ・森公美子・柚希礼音・吉原光夫(50音順)の12人の豪華なキャストが100の役を演じ分けます。
それぞれ主役を張れる方々ですが、その12人が、場面場面でアンサンブルになって、コーラスや大道具の移動も行っているのです。
万里生くんは、ケビンというゲイの役から、アリというイスラム教徒の乗客に早変わりをします。
禅ちゃんは、イギリス人のニックと現地人のダクという、性格の異なる、でも愛すべき二人の男性を演じわけています。
浦井くんは動物の声も演じていて、笑い声を誘っていました。
女性陣がアンサンブルに徹する時には、オーラを消して、メインに復帰するとばっと華やかになるのもすごいなと思いました。
開演前は写真撮影できました。
椅子とテーブルと木々だけのシンプルな舞台おお装置です。
中央近くの折れた2本の木は、貿易センタービルの象徴だそうです。
今回、GS席のA列というちょっと遠いけど、眺めのいい席でした。
この物語には同時多発テロという、大きな悲劇を背景にしているし、その後の復讐の連鎖の記憶やガザの現状など、いろんなことを考えさせられる劇ですが、観終わった後の感覚は爽やかで明るく、希望を感じられるものでした。