実在した人物シルクウッドのお話。
なかなかDVDが手に入らなかったのですが、やっと見ることができました。
1974年、全米を揺るがした実在の事件を映画化。プルトニウム工業で汚染し、謎の交通事故死を遂げたカレン・シルクウッド事件に材を取った社会派ドラマ。
会社の隠蔽工作や被曝していく労働者をただそのまま黙って見過ごすわけにはいかず、組合で運動をすすめていくわけですが、実際の話だけあって、彼女の正義感と行動がそのまま受け入れられるわけではありません。
同じ職場の労働者は、彼女の運動によって、工場が閉鎖され失業するのを恐れ、彼女から離れていきます。
会社の嫌がらせもエスカレートしていき、命の危険にさらされ、そして実際に事自動車故死という結末が待っています。
その一年後に工場は閉鎖されたようですが、この原発推進の体質がこれで改善されたわけではなく、すべては闇に葬られ・・・となったかどうかは分かりませんが・・・
シルクウッドさんが実際にどのような人かは知りませんが、正義感バリバリの活動家というのでなくて、本当に普通の女性・・・タバコは離さないし(子どもの前でも平気ですってて、タバコを持ちながらでも普通に抱きしめたりしちゃいます)、ブラジャーしないので、若かりし日のメリルさんの体の線がそのままリアルに見えちゃいますし、とても自由奔放な感じで結構キレるし、その辺にいるお姉ちゃんって感じが好感持てます。そういう普通の人が運動してるってところがとても良いです。そして、命の危険から身を守りたいという、ストレートでシンプルな要求なので、強い信念を感じさせます。
メリルさんの演技はすごすぎる。ガサツ(?)な感じ、あんなにタバコをすって、まさに命がけですね。タバコの印象が強すぎて、マジで体のことを気にするんならタバコのほうをやめろといいたくなりそうなぐらいタバコが出てくる。
カートラッセルさんは今とほとんど変わらないです。
放射線の人体への影響というのは、まだまだ基準があいまいな状態で、会社から何の説明も去れないまま労働者は働いています。学者さんみたいな人が言ってました。炭鉱ではカナリヤを使うが、ここではあなた方がカナリヤなんだと。しかも、体調を崩した労働者は闇に葬られていったのでしょう。
時計の針の夜光塗料を塗るのに筆をなめるのでそこから多くの女性労働者が体に偏重をきたしたことや、「これが原発だ」の本での被爆者の口封じなんかを思い出します。
結局、原発という代物は昔から今に至るまで、事実を隠してつくり上げられた体制なんですね。だから、何か起こったときにも事実を明らかにすることができない。事実を出してしまったら、すべての原発を止めなければいけなくなる。そうなると、原発で利権をむさぼる企業のみなさんが困っちゃうという構図になっているのでしょう。
だから、撤退を決めたドイツだってうまくいってないとか、企業が海外に移ってしまうとか、ウソのごまかしをさらにしていくわけですね。やらせまでして。
そして、そんな馬鹿な隠蔽工作を棚に上げて、中国の隠蔽体質は攻撃してぼろくそに言う。結局それで争点そらしをしたいのだろうけど・・・マスメディアまでにぎられちゃってるんでしょうね。
でも今となっては原発の問題はシンプルになってると思います。
国民の命を危険にさらす原発事故がおこって、それをいまだに収束できないでいる状態・・・ようは、事故を防ぐ能力も、事故が起きた後にそれを収束させる能力を持たない状態では、撤退意外に選択肢はないということです。
それでうまくいくのか、という意見に対して言いたいのは、それをみんなで考えれば良いじゃないかということです。
電力供給ができなくなるというのもウソだということが今では常識ですが、それだって、100歩譲ってそうだとしても、それならば、電力を抑える社会にどうして行くかを考えて実践すればいいだけじゃないですか。
海外に企業が行っちゃうというけれど、海外は今電力不足で悩んでいる状態だそうで、誰もそれを理由には海外移転はしないだろうし・・・
がんばろう日本とか、国民に押し付けるだけじゃななくて、大企業にこそ、日本で復興のために踏ん張ってもらえばいいじゃないですか。ちょっといらいらしてきました。
目先の儲け優先で原発にいまだに固執している連中のカナリヤになりたくないです。
もう3時過ぎてます。まいった・・・