唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

運命の逆転

2011年08月15日 | 映画 あ行
運命の逆転 [DVD]
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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


話の流れは、弁護する側の話だけなので、それに有利にことが進んだりすると、映画を見ている人は当然喜んじゃうわけです。自分の頭の中で、あの旦那さんは犯人じゃないと思い込みます。作り手側にしてはしてやったりかもしれません。

そして、彼が殺人を犯したかどうかではなく、検事側の物的証拠が正しいかどうかにいつのまにかすりかわっているわけです。

裁判は真実が明らかにされることが一番大事なことなのに、実際の現場は必ずしもそうなっていないのかもしれません。
皮肉にも、その前の明らかに無実の(と言っている)黒人2人の死刑判決は覆らないわけですし・・・

真実以外の力で勝ち負けがついてしまうとしたら、人の裁がなぜ必要なのか、わからなくなってしまいます。特定の人を守るための都合のいい判決が出てしまったら、それこそ裁判所自体が力のあるものを守る場所でしかなくなってしまう。

哀しいことに、人は人をだます能力を持っていて、自分の都合のいいように話をねじ曲げちゃうこともできます。その問題とは関係ないことを持ちだして相手の印象を悪くさせようということもできるわけです。

検察側も物的証拠をでっち上げた。真実がどうかという目的でなく、犯人を仕立て上げるためにやった。この裁判の目的が、真実を明らかにするというところが二の次になって、検察側の主張が正しいのかどうかの検証が優先され、ずれた争いになっていく。むしろ、弁護側もそこに持ち込んだということなのかもしれませんが。

結局旦那さんは犯人だったのか、そうでなかったのか、それはいまのところ旦那さんのみが知っているわけです。あと、植物人間になった奥さんも(?)
無罪は人が出した結論たったとしても、無罪が事実かどうかの判断にはならないわけです。そこのところはあいまいになっています。

この弁護士の先生のうまいところは、法律上の戦いでは勝利したけれども、本当の白か黒かはあなたの良心にゆだねます。と、言い捨てていったことですね。犯人だとも犯人じゃないともいってないけれど、それを明らかにするのは私の役割じゃなくて、あなた自身の問題だということです。だまされながら正義を訴える馬鹿にはならないという表明だったのかもしれません。

エクスペンダブルズ

2011年05月26日 | 映画 あ行
エクスペンダブルズ [DVD]
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ポニーキャニオン


DVDで2度目見ました。何となく普通な感じでした。
暗闇での戦闘は何をやっているのか、どっちがどっちをやっつけたのかも誰が誰なのかも、よくわからなかったり…

まあ、それでもスタローンが一生懸命頑張っている姿は好感が持てます。

あれだけ殺戮しておいて、あんな笑顔ができるのもすごいですがね。


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エクスペンダブルズ・・・
この響き・・・ランボー怒りの脱出のコー・バオとのやり取りをすぐに思い出しちゃいます。
ランボーがウジウジしながら、「おれは捨石だから・・」
コーさんが死ぬ時にも、きらきらした川面の中、「あなたは捨て石なんかじゃない…」と言って捨て石のように死んでいったのを思い出します。

ランボーからのテーマともいうべき「捨て石」
それが題名になっているので、かなり期待を持っていました。
しかも、最後の戦場の後ですからね。
あのレベルの戦闘を期待しちゃうわけです。

いやあ・・・まず驚いたのが、ロッキーと、ランボーに感じなかったスタローンらしさ。
前の二つは、どこかスタローンっぽくない気がしてたんだけど。今回は、スタローン顔してました。やせたかな?

この映画の売りのいろんなスターが出てるところも、結構良かったです。まあ、シュワルツェネッガーとブルースさんはご愛嬌としても、ミッキーロークは存在感を出していました。っていうか、この人、かっこいい…
ネコパンチ以来、日本からは潮が引くように忘れ去られていった印象のこの人、この前のレスラーから、また、確実にファンが戻ってきているのではないでしょうか。
かなりかっこいいですよ。あれだけの出演なのに、一番印象に残る、一番演技をしていました。

ストーリーはいりません。
でも、昔のスタローンの映画のように、アメリカ万歳ではないですね。
今回も、直接アメリカが悪とは言ってないけれど、どこかそういう匂いを持たせてます。昔のようにアメリカが正義。アメリカの敵は悪。というアメリカの時代の終焉はアメリカ映画そのものが物語っている気がしますね。

そのミッキーロークの苦悩のシーンは結構ジーンとくるところですが、あのシーンは、この映画そのものが成り立つのか、考えてしまいますね。
平気でバンバン人を殺して、気になる女の子のために大量虐殺をしてしまうこの映画、大量殺人の罪を一つの命を助けることで救いを求めたわけだけど・・・

人対人の関係での愛情と、敵味方での非情、この使い分けって、かなり矛盾があるわけです。その矛盾を引き起こすのが戦争なわけですが・・・
痛快な殺戮で死んでいった無数の命の一つ一つの人生を考えるときに、この映画の持つ意味はかなり違う意味が出てきます。

そこで、こんな映画の展開も面白いかもと思うんですが、最初の30分ぐらいでどんどんぱちぱち大量に人を殺しておいて、その死んだ一人ひとりの生活とか描いて、あらためて、またその最初の戦闘のシーンを30分ぐらい展開するの。
まあ、オースティンパワーズは、それを面白おかしくやってるけどね。

なかなか見ごたえのある。でも、これはいい映画とか言ってはいけない部類の映画だと思いました。

あと、アクションがすごい。CG全盛の時代に、この「80年代アクション」は、すごいです。

最後まで見続けると、なんか変な日本語の歌が始まりました。開いた口がふさがらないようなくさい歌詞の連続に、新人のB級メタルバンドかと思って聴き続けていると、なんか、どこかで聴いた声のような気がしてきて・・・臭い歌詞とこの声、ああ、長渕か!ここまでこうなっちゃったんだ・・・メタルになりきらないメタルなのは、フォークソングをただ楽器を激しくしてごまかしただけだからだったんですね。B級メタル(というものがあれば)の皆さんに謝らなければ・・・
日本だけの挿入歌みたいだけど、何でこんなことしちゃうのかな?映画が台無しですね。
DVDでは、差し替えてほしいです。
エンディングを最後まで見続けて、がっかりするっていう映画もめずらしい。
余韻も吹き飛ぶこの演出。
まったく・・・やれやれだぜ・・・・

2010-10-23 23:02:04

愛の伝道師 ラブ・グル

2011年05月15日 | 映画 あ行
愛の伝道師 ラブ・グル [DVD]
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パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


映画の評判はとても悪いみたいです。
たしかに、ウェインズワールドやオースティンパワーズにくらべると、見劣りしてしまいます。
キャラクターが中途半端な気がしました。まあ、オースティンパワーズのあとにそれ以上の個性を出すのは難しいと思いますけど。どっちにしても、マイクマイヤーズさんは素だととても平凡な顔しているので、つくってくるしかないかもしれません。新しい濃いキャラを見つけ出してまた頑張ってほしいものです。


下ネタの連発がだんだん嫌になってくる。バランスが大事ですね。
英語のギャグがサッパリわからない。

ジェシカアルバさんは、本当にかわいいですね。

しゃべるミニミー。やっぱりミニミーだと思っちゃうので、きりかえられないです。
全編にわたって、どうしてもオースティンと比較してしまいます。

石内尋常高等小学校 花は散れども

2011年05月14日 | 映画 あ行
石内尋常高等小学校 花は散れども [DVD]
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バンダイビジュアル


新藤兼人監督は何歳でしたかね。90才を超えていましたよね。
それでも映画をつくる情熱が衰えていない。それだけですごいと思っちゃいます。
どの映画とも違う、新藤監督の独自の絵が見えてる感じが面白いです。
大袈裟で恥も外聞もないところが監督らしい感じがします。

リアルさとか、みんなに共感してもらおうというよりは、自分の世界で、自分の感じ方を前面に出しているというか。子どもの絵に似てるかな?自分が感じたところは絵が大きくなってあとはそこにつけたすみたいな。その自分のイメージを絵にしたくて仕方がないのではないでしょうか。

正直、観る側の自分としては、我慢しなくてはならないところもたくさんあります。病気で倒れてからの先生の会話とか、校歌もそうでした。同窓会のシーンもそうです。どこか外れてる。リアルさがない大袈裟さがあります。でも、リアルじゃないからダメということではなくて、これが新藤監督のイメージなのか!と思うと、妙に納得いくような気もしれしまうから不思議です。
年齢的なものが何だかごっちゃになっちゃうキャスティングな気もします。

川上麻衣子さんの先生の奥さん役が、何となくその大袈裟な世界の中でまともな演技をしていてちょっと安心させてくれます。その落ち着きはらった雰囲気でいながら、校歌を歌う時には、その普通さで指揮をしだすところがなんか面白いし、自然に出てくるセリフがとても美しく感じます。コスモスの花の話のときに、「花は、見てもらうために美しいんですよ」とかサラッといって、やけに説得力があります。

情熱の度を越した大竹しのぶさんの演技は、新藤監督の一番のお気に入りなんでしょう。あの、攻撃的な明るい歌声。普通の女優さんが恥ずかしくてできないようなことも、この人はやりきっちゃう感じがします。

同窓会のシーンで、みんなが戦争で普通の暮らしが破壊され苦しんで生き抜いてきた話のあと、主人公の中途半端な生き方が、とても恥ずかしいようにも見え、その時の村道監督の気持ちの表れだったのかもしれませんが、地に足がついていない生き方がとても印象的でした。

そして、みどりさんも苦労はしているんだけど、過去に縛られていて現実の苦労にどっぷりつかって生きているほかの人たちとは違う浮足立ったものを感じます。

2人にとっては、あの時の小学校の思い出が縛りになって、他の人のように、歳をとれなくなってしまったのではないかと思ってしまいました。

それでプロポーズのシーンは結構ジーンときます。
緑さんは、35年間ずっとそれを待ち続けてきたわけですね。でも、それを言ってくれたときには、それを受けることができない。受けることで脚本をあきらめさせることは主人公の幸せにならないし、そんな妥協させて結ばれても、望む幸せは来ないと思ったのでしょう。彼の生きがいを奪ってしまうことになる。
あの時の2人のやり取りはとてもみじめでとても素敵に見えました。

新藤さんは海のシーンにこだわりを持っている気がします。
新藤さんの海をみてると、生と死の境界線のような位置づけにしているんじゃないかと思います。
その海の波の激しさが死の恐怖をあらわしたり、生きる力をあらわしたり、心の激しさをあらわしている気がしたり・・・。

あの、午後の遺言状の海に入っていくシーンが強烈だったからなのかもしれませんが…

アンストッパブル

2011年05月03日 | 映画 あ行
アンストッパブル ブルーレイ&DVDセット〔初回生産限定〕 [Blu-ray]
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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


貨物列車が無人で暴走しちゃって、それを止めるという話です。

整備不良、運転手の判断ミス、そんなことが重なって、取り返しのつかないことに。さらに会社の利益、なるべく損害を少なくしたいという意思が、結果的に傷口を広げてしまい、もうどうにもとまらない状態!救うのは誰だ!?クビを宣告されたベテランと、コネで入ってきた若造が立ち向かった!

自分も後ろから引っ張れば良いのに!と、素人感覚で思ってましたが、単純に引っ張ったからって、止まらないんですね。最後までどうなっちゃうのか、どきどきしながら見ました。
でも、あの、最終版の歓声は、ハリウッド的でいやでした。

あしたのジョー

2011年02月25日 | 映画 あ行
あしたのジョー - goo 映画

かなり期待してしまった映画です。
ちばてつやさんも認めてるみたいに聞いたので・・・

よかった点は、何と言っても力石の存在感です。軽量のシーンは、思わずううう・・・とうなってしまいました。心の中で、「こわいよ~おなかに角があるよ!おじいさーん!」と叫んでしまいました。
マンガに忠実な町並みも、そんなに違和感はなかったです。
オープニングの曲の最初のところはしびれました。ほんとに最初のイントロだけだったけど。

残念な点は、マンガやアニメ・・・特にアニメの方の明日のジョーだと思いましたが、の雰囲気を壊さないようにという心がけはわかるんだけど、その結果、何でわざわざ実写にしたのか、わからなくなっているところですね。
それと、忠実にしておきながら、微妙にずらしているところもなんか気持ち悪い感じがしました。
たとえば「うどん野郎」の西が食堂でうどんを鼻から出しているシーン、マンガファンに喜んでもらいたいだけの遊び心だとは思うけど、あそこであのせりふって何なの?と思ってしまいました。

ウルフとの因縁も描かれてないのもちょっと残念。ウルフだけ忠実じゃないのも残念。ジムが違うし。

白木洋子の設定も、結局微妙。葉子さんもはかなり熱い人だと思うんだけど、その強さが見えないのはちょっとだけ残念。金持ちの冷たさみたいのは出てたけど、ジョーが裁判所で思わず動揺してしまったようなああいう、オーラは見えませんでした。(当たり前か?)
マンガの醍醐味は、ジョーと葉子の戦いでもあるわけで、そこが、短い時間の中で薄れてしまっているのも残念。あのスポーツ施設計画は、マンガでは、ジョーが廃ビルで子どもたちの前でババーンと、再開発計画を出したことが元になっているんだろうけど、ちょっと・・・ねえ・・・あ、でも、理屈的にはうまくまとめたかもしれないなあ・・・

がっかりな点は、ドヤ街の人たちと、子どもたち。いかにも、私たち貧乏庶民です~みたいな演技は正直見ていられなかったです。子どもたちもいてもいなくてもあまり関係ないそんざいになってましたね。マンガでは最初はかなりすさんでいたのに。

笑ってしまったのはクロスカウンター。実写でマジメにやってるのがおかしかったです。ジョーの余裕のなさそうなノーガード戦法も面白かったです。サルかお前!って感じでした。リアルなノーガード戦法を追及したのかもしれないけれど、あれはグダーっとしないとジョーじゃない。

なんにしても、結局、あの世界を表現するのに2時間ちょっとは短すぎたということでしょう。

知り合いに、「入場料の元をとれたか」と聞かれました。レイトショーで1,400円。うーん・・・見終わった後に後悔はしていないけれど、1,400円を払ってみる価値はあったのかどうか・・・元を取ったと素直にいえないところが苦しいところです。

疑問に思ったのは、マンガやアニメを見てない人はこのストーリーは楽しめたのかどうか、急ぎ足過ぎてわからないんじゃないかということですね。同時にマンガやアニメを見て育った人には、結局中途半端な気がします。

マンガやアニメで成立していても、実写では破綻することもあるということでしょうか。

いい雰囲気を持っていながら、どう処理していいかわからない、残念な映画でした。

ウォール街

2011年02月18日 | 映画 あ行
ウォール街 (特別編) [DVD]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


世界は金で動いている・・・
金金金の世の中で、その金の流れの仕組みがわかっているほんの一握りの人の中で、世界が動いている・・・

この話の中でゲッコーさんや主人公のフォックスさんがなにをしているのか、よくわからなかったです。わかってしまう人は、かなり儲けている人か、失敗している人かも。・・・あ、でも、これぐらい一般常識なのかな?経済の仕組みはよくわかりません。

でも、お話としてはとても面白かったです。どうやって儲けになるのかよく分からなかったけれど、儲けていることはわかったし、巨額の富を得るためには、人を踏みつけなければいけないこともわかったし、それをやっても生きていける人だけが巨額の富を得ると思いました。

最後、主人公は、その金儲けの鉄則に徹しきれなかったことで、金も地位も失いましたが、人間を取り戻しました。
インサイダー取引で逮捕され、手錠をかけられオフィスから去っていく時の涙は情けない涙だけど、真実の涙な気がしました。あれだけ強気な主人公があんな弱気に泣くのはなんか見てて痛々しい。

主人公「おれを誇りに思うようになるよ」、父「それより自分を誇れるようになれ」・・・みたいな飲み屋の会話がありましたが、あれが結構この話の最後にきいてきましたね。

この映画が上映されてから、20年以上たつのでしょうか。
当時よりも金の動きは大きくなり、世界を飲みこんでしまっている感じです。だんだん風船のように金の額だけが膨らんで、中身は何もない状態。
そんな時代になって、今上映中のウォールストリートは、どんな映画になっているのでしょうか。

自分に金がバンバン入るような状態になってしまっても、その金を維持するだけでも気が休まらないでしょうね。その富を失う恐怖で新たな富を求める世界なのかな?

金金金で世界が動いている・・・金が人間を動かしているのかな?
でも、人間が世界を動かす・・・これが、本当の世界だとおもうので、金に縁のない自分はこれで残された人生も生きていきます。

エアベンダー

2011年02月13日 | 映画 あ行
エアベンダー スペシャル・エディション [DVD]
クリエーター情報なし
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


アンって言いましたかね。この子。
知り合いの高校生にそっくりです。目がくりくりっとしているところなんか。
よく、映画に出てくる顔だって言われるらしいです。

自分も前に言われたことがあります。
「ハリウッド映画の戦争もので、最初に死ぬ人に似てる」と・・・。
なんのこっちゃって感じですが、ちょっとだけなるほど・・・と思ってしまいました。
顔が云々もそうだけど、キャラ的にヒーロータイプでも、悪役タイプでもなく、流れの中で埋もれていくタイプ、良くも悪くも一般人タイプなんだろうと・・・しかも、中途半端な正義感と、柔軟になれない思考回路、猪突猛進型か、逆に優柔不断型、どっちにしても、最後まで生きることができずに殺されてストーリーの肉付けをするだけのキャラ。そう考えると・・・なるほど・・・思い当たる節がある・・・って感じです。

ホラー映画でも、たぶん、2番目ぐらいに死ぬキャラだと思います。両手に食べ物を持っていて、振り返るとギャーって感じで。シャワーや、セックスのシーンで死ぬキャラではないですね。

ゲームで言うと、2面目ぐらいに出てくる火をまっすぐに吹くザコキャラか?
ぜんぜん強くないんだけど、かわいげがないみたいな・・・

と言うわけで、エアベンダー・・・
完結じゃないのかよ!

アマデウス

2010年12月26日 | 映画 あ行
アマデウス [DVD]
クリエーター情報なし
ワーナー・ホーム・ビデオ


オーケストラの最後の場面が残ってしまって、何となくクラシックマイブームになってます。まあ、いつまで続くのやらって感じですけど・・・

それで、ちょっと前に、友達が「キースリチャーズがモーツァルトを聴いてロックだと言った」と言っていたのを思いだして、何となくアマデウスを借りちゃったわけです。

天才というのは、すごいですね。
頭の中で音楽が完成されていて、それも、音がちょっと変わると破綻をきたす、そういう微妙なメロディの構成が頭の中にびっちりと組み込まれていて、それを音符に書き込むだけ。頭の中に音がわき出てくるんでしょうか。

サリエリがモーツァルトの譜面を読んでいるときに頭の中にその楽器一つ一つの音が重なってきて感動するシーンがありましたが、譜面を見るだけで、音が頭の中で構成されていくのもすごいと思いました。

サリエリが自分が神に求めても手に入れられなかった才能をモーツァルトが持っているということに嫉妬し、モーツァルト(めんどくさいので今後、モーさんと書きます)を苦しめ、殺そうとするという話ですが、でも本当は、サリエリは、モーさんのつくった音を心底愛してしまっているんですね。

本当はモーさんを愛したいと思っていたのですが、モーさんに出会ったときに音と人間性のギャップでショックを受けちゃったんですね。
天才というのは、どこかああいうところがあるのかもしれません。
生活にだらしなく、人とのコミュニケーションもまともにできない。思ったことを簡単に口にしてしまう。自分は、音楽を極めるために神に誓って、よい行いをして純潔を守り生きてきたのに。そういった、純粋な精神によって純粋に素晴らしい音楽はできるはずだと思っていたのでしょうが…よりによって、あんなげすやろうにあんな美しい音楽を神は与えるなんて!神はなんと無慈悲な存在であろうか。
清く正しく生きてきたサリエリさんはここでひねくれて不良になってしまいました。

モーさんのセリフで、「自分はガサツな人間だ!でも、僕の音楽は違う!」みたいなことを言ってましたが、あの言葉がとても印象的でした。

純粋に美しい音楽、心に響く音楽は、必ずしも人の生きざまを反映するわけではないんですね。

モーさんが最後の方にサリエリのことを誤解していたと謝るシーンがあります。
あそこもとても印象的でした。もーさんは、サリエリは自分のことをとても心配してくれていい人だと思って死ぬわけです。彼に追い詰められたことも知らずに。でも、これは、もしかしたら、違う可能性、本当に友人になれる可能性が存在していたことも事実で、サリエリが愛したモーさんの音楽と同様にモーさん自身も愛する・・・いや、愛するまでいかなくても、存在を認めてあげるだけでよかったのかもしれないけれど、それだけで、展開は違っていたかも知れません。

そして、モーさんを支えた親友として歴史に名が残ったかもしれません。

しかし、そうはならなかったのは、やっぱり、モーさんの存在は、サリエリの、自分の生きてきた生きざまの否定、人生の否定、人間の否定だったからでしょうね。自分を立てるには、自分を否定するモーさんの存在を消してしまうしかない。そういうことでしょう。
ただ、じっさいに、モーさんを消してしまったけれども、モーさんの作った音楽を消すことはできなかったわけです。サリエリ自身の頭の中からも、その音楽は消し去ることはできないわけです。

でも、よく考えたら、社会的には存在を否定されてしまったのは、モーさんの方だったんですよね。最後の集団墓地みたいのにドスンと遺体を落とされるシーンは、とてもむなしい話です。美しい音楽をつくた人の人生そのものは、音楽のようには美しくはならなかった。社会的にはサリエリのが成功しているのも皮肉なもんですね。

いのちの山河 日本の青空Ⅱ

2010年12月21日 | 映画 あ行
目黒のパーシモンホールというどでかいホールで上映会をしていました。
最初の日本の青空は憲法制定が国民の機運の高まりのなかで、日本人の手によってつくられたものだというお話でしたが、今回は、憲法25条に焦点を当てています。

沢内村の深沢さんという村長さんが、村の貧しさが命の格差になっている実態の中で、冬の雪道を開通させバスを走らせる、医療に力をいれて、高齢者の医療費を無料にするなど、村の人たちと一緒に実現していくお話しです。

住民の声をきき、問題の解決方向を見据えて、住民とともにつくっていく。民主主義のあり方、地方自治の在り方、政治の在り方を見せてくれたような気がします。

少しわざとらしいところとか、学芸会的な感じのところもありましたが、それでこの作品の意味が失われるわけではありません。

村長さんが病気で亡くなって、村に帰ってきたときに、村の人たちが出迎えるシーンはやばいです。

雪深い村での撮影は大変だったと思いますが、厳しさを感じる景色です。きれいなんだけど、そこで暮らすことのつらさは相当なものなんでしょうね。でも、そんなところでも人間は生きているんですね。そして、みんなで力を合わせれば、あれだけのことができてしまうんですから、すごいですね。人間というものは。

これが憲法の本来持っている力なのかもしれません。

THE WAVE ウェイヴ

2010年08月09日 | 映画 あ行
THE WAVE ウェイヴ [DVD]

アット エンタテインメント

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内容(「Oricon」データベースより)
高校生たちに行われた心理実験。たった5日間で、独裁制が復活した…。実話に基づく、戦慄のシチュエーション・ムービー。ドイツのとある高校で行われた、“独裁制”をテーマとした授業。教師べンガーは、クラスを独裁国家に見立てた、心理実験のような授業を提案する。初めは誰もが嫌悪感を示すが、今まで経験したことのないクラスの一体感に魅せられていき、やがて走り出した集団は、コントロールを失っていった…。

・・・という話です。

でも、ちょっと疑問に思ったところもあります。授業が「独裁制」ではなかったような気がするのです。
あのクラスでやったことがすべて独裁制のプロセスだとは思えないです。かなり自由にみんなアイデアを出したりして。
それに、先生に何にも従ってないし。
団結とか、ユニフォームをそろえるとか、足を鳴らすとか、それをやると独裁っていうのは安易な感じもするし…

なんというか、独裁制の結末が先にあって、それにいろんな要素をつなげて行ったという感じで、そこに至る必然みたいなものは感じませんでした。
チームを作って、ユニフォームをそろえて、シンボルマークもつくって、というのは普通にありますよね。みんなでアイデアを出して。そこまでは独裁制とは全く関係がない普通の生徒の会話だったのに…
それがなぜ、危険な方向に生徒が行ってしまったのか。そこが全く分からないのです。ウェイブのロゴを街にいっぱいつけてしまうところがちょっと唐突すぎる気がしました。

しかも、1週間でそこまで行くとは全く思えないし。

白い服を着てこなかった生徒への徹底的な無視は独裁制の排除というよりは、ただ気に入らない生徒への陰湿ないじめみたいになってるし。これが独裁という要素では全くないですよね。

ただ、独裁制が機械的で抑圧的な統制から始まるのでなく、表向きに民主主義的な形をとりながら、いつのまにか国民が統制されていくのだろうから、民主的に見える生徒の議論が独裁とは無縁の光景とも言えないとは思うのだけれど・・

なにが違和感あるのかな?

楽しくて夢中になっている中で、先生が絡め取っていくというか、いつのまにか自由を奪っていた。みたいなものを期待していたので、逆に生徒が勝手に暴走して、それが独裁だみたいに思いこんでいるところになんか違和感を感じたのか?

うーん・・・なんか、実感がわかない。

ただ、人間の心なんて、案外簡単に操作できるような気もしているので、思いこませてしまう授業をすること自体は面白そうだけど、かなり危険なものだと思う。
体験をさせて独裁の気持ちよさを体験させてしまうのではなくて、どのように国民が熱狂していったのか、事実を伝え、理性的に独裁を排除するように考える力を養うのが授業なんじゃないのかな?

まあ、展開は面白かったけどね。こじつけっぽいところが、やっぱり納得いかない。









OK牧場の決斗

2010年06月14日 | 映画 あ行
OK牧場の決斗 [DVD]

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

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2人の友情・・友情という何か甘っちょろいものじゃなくて、絶対的な信頼というか、心の通じ合いが面白いです。お酒を飲むシーンが何度か出てくるんだけど、2人が向かい合って、2人ともお酒を持っているシーンは最後だけだったような気がします。お互いに通じ合っているんだけど、表面的にけん制していた感がそれまではあったんだけど、それが最後、2人でお酒を飲み交わすことで、表面上もがっちり来るということなのかと思ったんですが、その割には、やっぱり同じだったといいますか、命を削って無茶な酒を飲み続けるドクターに対して、あっさりと別れを告げて去ろうとします。後ろ髪をひかれつつも、あっさり別れようと体が動いてしまう・・・「男」の矛盾ですね。

「男」であろうとすることで、自分の意にそぐわない決断をしなければいけない、宿命といいますか。「女」にとってはどうでもいいことに振り回される男はこっけいですね。「男」のプライドのために命まで失ってしまうわけですからね。

ここに出てくる女は現実的でありながら、結果的に男に振り回されてしまう存在なんですね。
結婚までしながら、たたかいにいく男を止められなかった女、大事な子どもを殺された女たち。何で男たちは、争いごとに明け暮れ、殺し合いをしなければならないのか。これは、理解できないでしょう。普通は理解できないです。でも、その社会が、「男」を作ってしまったんですね。

ワイアットアープさんは、好きな女性と幸せに暮らすために、今まで付きまとってきた争いや殺しの世界から離れようとするわけだけれど、兄弟の応援要請にこたえてしまうわけです。とても悲しいシーンですね。お互い愛し合っているのに、別れなければいけない。とても辛いところです。

女性の、そこでどっちを選ぶかを突きつけるというところに、その女性の強さを感じました。そして、男の選んだ道をそのまま受け入れる。いや、受け入れるというよりは、相手の選んだ道によって、自分の意思を曲げない強さですね。受け入れたわけではないですね。男の意思を受け入れたのではなくて、男がその道を選んだ事実だけを受け入れたとでもいいますか。
まあ、愛し合っていても別れなければいけないということもあるんですね。
死別のように、どうしようもない別れもあるけれど、お互いの生き方での妥協できない部分で別れるというのも、結局どうしようもない別れなのかもしれません。

ドクターの恋愛は悲しいですね。これも、お互いに愛し合っていたのに、「ツキ」がかわった。お互いにつれなくしていてもいっしょにいるときはいっしょにいたのに、よりを戻したいと思っても、お互いが離れる行動に出てしまう。お互いに自分の意思とは反対の行動に出てしまう。悲しいですね。

あと、あのビリーのお母さんがかわいそう。愛する子どもをそうやって失ってしまって。そんな決闘なんて何の価値もない。愛するものを失うだけなのに。

あと、2枚目はうらやましいと思いました。狙いをつけた女性の行動を毎日観察して、偶然を装い近づいて、自分でそのことを白状したのに、2枚目が白状しても、それはかっこよく見えるから不思議です。
自分がやったら、ただのストーカーですよ。それこそ、保安官に捕まっちゃいますよ。
自らが保安官という地位を利用して、なお且つ、2枚目であることをいいことに、あんなふうに女性を落とせるなんて、うらやましい!

あの女性のあふれ出す品のよさがいいですね。
あのネックレスをいじってうじうじするというか、期待に胸躍らせるというか、そういうしぐさがとても良かったです。あんなことされたら、もう、たまらんですね。

主人公の人、この前に映画にも出てたけど、別人のようなかっこよさ。この前の下品な感じがまったくなかったです。

ドクターの方も、いい味を出していて、今なら、ショーンペーンがやったりしたらいいなあ・・・なんて、ちょっと顔の感じが似てるだけで思いました。
カードをしているときのほんとに体の一部になっている感じがとてもよかったです。
あと、咳き込み方がすごい。
この人は、きっと、アカデミー肺炎男優賞をとったにちがいありません。

その後の話としては、下のような作品もあるんですね。ちょっと観たくなりました。

墓石と決闘 [スタジオ・クラシック・シリーズ] [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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ワイアットアープという人は、日本で言う、宮本武蔵みたいなもんだといってました。OK牧場は、巌流島ですね。中国で言う、ウォンフェイフォンみたいなもんかな?
何度も映画化されているようです。

ワイアット・アープ 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ

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荒野の決闘 <特別編> [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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トゥームストーン [DVD]

パイオニアLDC

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ヴェラクルス

2010年06月08日 | 映画 あ行
ヴェラクルス [DVD]

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景色がすごい。メキシコの景色は日本では信じられないような景色です。
ピラミッドみたいのが並ぶ中の行列、古く寂れた街。遺跡のような教会。すべてが世界遺産みたいな景色です。今でも同じように残っているのでしょうか。
映画は、その時代の風景を写すものとしても貴重だと思いました。

革命軍に追われて、街から外れて平原を横並びに馬が走るところは、圧巻です。
地獄の黙示録のヘリコプターを思い出しました。

最初からずっと最後まで、あいまい、あやふやな信頼関係ガ面白いです。誰との関係をとってみても確固たる関係がない中での駆け引きです。
最後は一番確固とした信念を持ったものの、本来手にするべき人のところの手に渡るわけですね。


でも、全体的にちょっと退屈だったかな?96分ぐらいだったと思うんだけど、もっと長く感じました。
最初から退屈な感じで最後まで行っちゃう感じです。

題名思い出すまですごく時間かかりました。
・・・というか、思い出せなかったので、「西部劇」で検索。「西部劇 メキシコ」で検索。アがついたかな?と思って、「西部劇 ア」で検索。「エ」で検索したらエルドラドが出たりして・・・「ウェスタン」でも検索。ウェスタン村が出ました。「ウェスタン メキシコ」「ウェスタン 1950年代」「ウェスタン1960年代」と、ミッションインポッシブルのイーサンハントがパスワードを探すように検索、検索。まったくでなくて。
そして、友達の言葉を手がかりにOK牧場を検索して、その俳優さんの出演作品を検索・・そしてこの作品の題名にたどり着きました。
それまで、売れる前のチャールズブロンソンがでてるといっていたのも思い出して、チャールズブロンソンも検索しましたが、当然出てきませんでした。


大いなる西部

2010年06月02日 | 映画 あ行
大いなる西部 [スタジオ・クラシック・シリーズ] [DVD]

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大いなる西部・・・ビックカントリー。
友達は、力で支配してきた古いこれまでの社会の終焉と、新しい秩序の到来をこの映画に感じるといってました。(正確ではないですが…)

この映画を見ながら、どんな時代につくられた映画なのか気になりました。
その力の支配の終わりと新しい法と秩序の到来をなぜ描こうと思ったのか、その辺のところが知りたかったからです。調べてませんが・・

東部から来た主人公。みんなの前では売られたケンカも買わないし、西部の町では、そんな彼の態度は、ただの弱虫にしか映らないわけです。なんか、昔の映画じゃなくて、今のことを言っている感じがしました。
北朝鮮がいつ攻めてくるかわからない。あんな無法な国があるのに、こっちが武力で警戒しないでどうするんだ!?自衛隊の擁護にとどまらず、アメリカ軍の駐留も、それで認めてしまうわけです。普天間基地で話題になっている「抑止力」ですね。要は、無法には無法を!この連鎖です。マイケルムーアは、この間の映画で、国民をだますのに恐怖をあおりたてたといってましたが、その「恐怖」によって、「話し合いで解決を」なんて言っている連中は、軟弱だ!となってしまうわけです。

婚約者との関係は終わってしまいました。そうなる前に気付けよってところもありましたが、たしかに、黒髪先生の方が、魅力的ですからね。自分がしっかりしているし。2人の友達関係もいいなと思っていましたが、これもこの先は続かないかもしれません。

親が死んだあとに、娘はどうするでしょうか。

あの、太った親分さんもちょっとかわいそう。息子を自分の手で殺すしか、自分の道理を通すことができなかった。哀しい結末でした。



アダモちゃんおそらく誕生25周年記念DVD 1万台の監視カメラが捉えた衝撃の映像 私はアダモち・・・

2010年05月29日 | 映画 あ行
アダモちゃんおそらく誕生25周年記念DVD 1万台の監視カメラが捉えた衝撃の映像 私はアダモちゃんを見た!!

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題名が50字におさまってません。
アダモちゃんおそらく誕生25周年記念DVD 1万台の監視カメラが捉えた衝撃の映像 私はアダモちゃんを見た!!
という題名です。
いやあ・・・くだらないのを見ちゃった・・・
でも、不思議と観終わった後は気持ちいいです。
ダチョウ倶楽部とのやり取りで、最初は険悪な感じで少しひいてみてたけど、外に出てから、熱湯プールが面白かったです。ハチャメチャで。女王さまが良かった。定休日が水曜日というのも、良かったです。
ダチョウ倶楽部まで我慢が必要かも。

水着の着替えのところは違う意味で面白かったです。

島崎さんって、歌上手ですね。