唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

ジェネラル・ルージュの凱旋(上)(下)

2012年04月04日 | 
ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)
海堂 尊
宝島社


ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)
クリエーター情報なし
宝島社


やっぱり、ナイチンゲールを飛び越えて映画化されただけのことはあって、面白いです。
映画を最近見たので映画のイメージに引きずられちゃったところもありながら、逆にそれはイメージする助け舟にもなってよかったです。

そして、映画と違っていることが良かった。

ナイチンゲールと重なるところはいやなことを思い出させるような感じがあったけど、それ以外はナイチンゲールのようなうるささや鼻に付くところもなかったので、素直に読むことができました。

でも、やっぱり、セリフが理屈っぽいかな・・・自然なセリフというのとはちょっと違和感を感じるときがありました。沼田なんかは、悪過ぎなくもうちょっと言葉を選んでほしかったです。あれじゃ、誰が見たって悪モンとして出ていますって感じですもんね。ちょっと小物っぽい。

そして、最後、もしかして、リスクマネジメント委員会のところで終わってしまうような空気がちょっとあった気がして、映画で見た最後の事故のところはもしかして、映画でつくったのかなと、ちょっと思って、そうあってほしいなと思ったら、やっぱりありました。だからと言ってがっかりというわけではなくて、普通に流れで読めたんですが。

映画では、あの査問のときにピコピコ電話が鳴り出してってかんじで、あまりにもできすぎだったけど、今回はそのあまりにもというところは消しても良いかなと思うぐらいのできすぎ感でした。

小説の方が、採算取れない中で必死にやりくりしてあがいてる感じがでてました。佐藤ちゃんも映画ほどいやな感じがしなかったし。あと、看護師さんが小夜と違ってとても好感持てる感じだったのでそれにも助けられました。そして何より、黒崎教授がかっこよかった。

結構小説のいいところを映画は削ってますね。