中国、ノルウェーに次々「制裁」 ミュージカルも中止(朝日新聞) - goo ニュース
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天安門事件と民主化宣言の立役者にノーベル平和賞を送ったノルウエーに対して中国は日本に行なったと同様強行な措置を繰り出しています。日本はこれをみて実は少しほっとしているのではないでしょうか。なぜなら尖閣諸島問題はあくまで二国間の問題で、中国は無理筋なことを平気でやるものだ、と世界にはアピールできたかも知れませんが所詮日中以外の国々にとっては「他人事」でしかなかったからです。ですが今回は世界に向けて中国は同様のことをしていると感じているのではないでしょうか。
ノーベル平和賞という極めて政治色の強い賞とはいえ世界で最も注目され権威のある賞を中国の反体制活動家が与えられたことは、GDP世界第2位の経済大国となった中国がこれにいかに大人の対応を見せるかということを世界の衆目の前で試されたとも言えるでしょう。
残念ながら中国の対応は極めて脊髄反射的な判りやすいものでした。「経済以外の自由は認めない」という国家のありかたが、少なくともフランス革命以降西欧を中心に二十世紀まで世界の主流となってきた自由民権の思想に背を向けるものであることは明らかで、しかも何ら悪びれる事もなく「うちはこのようなやり方ですけど、なにか?」と開き直っているようにも見える中国の姿勢は日本人は慣れてしまっていますが、西欧諸国からはかなり異質に見えていると思います。
日本は戦前まで現在の中国と同じで経済は自由だけれど政治的自由は制限されていたので(それでも昭和初期までは議会政治が機能していましたが)中国贔屓の人には現在の中国の体制に違和感を抱かない人も多いようです。そして中国14億人の潜在購買力と不況の中でも発展しているように見える経済力、増加する軍事力をもって中国がアメリカの次の世界覇権国になると明言している人も多くいます。
私は中国が中国という地域の中で覇権国になることはあっても、とても世界の覇権国になることはないだろうと思っています。なぜなら中国には米国やその前の覇権国の英国のような魅力がないからです。アメリカには20世紀中盤において他国にはない豊かさと映画などの文化、そして自由や一旗揚げる「アメリカンドリーム」といったものがありました。その前の英国にも産業革命によってもたらされた文明や科学技術、経済力がありました。他の帝国主義列強も疑似英国になることを目指していたと言えるでしょう。翻って中国が他の国々があこがれるような何かを持っているでしょうか。古い中国文化は別として共産中国には文化と呼べるようなものは皆無です。他国の模範となるオリジナルの技術や社会形態があるでしょうか。皆無です。皆さん現在の中国に移住して「終の住み処」にしたいでしょうか。今の中国にあるのは購買力と軍事力だけです。中国三千年の歴史において中国の地で覇を唱えた王朝はさまざまありましたが、現在の漢民族による共産党王朝もしばらくは中国の地において覇権国となるでしょうが、多少勢力範囲が延びることはあっても(朝鮮半島くらいまで)それ以上の国々を従える覇権国にはならないでしょう。
ノーベル平和賞に対する中国の反応をみて、私は中国はアメリカを引き継ぐ覇権国にはとてもなれないなと強く感じました。中国贔屓で目がかすんでいる人には判らないでしょうが、西欧諸国やアジア諸国にもそのことは伝わったのではないかと思います。
話しは変りますが、日光市ではこの度中国の金持ちを相手にした「医療観光事業」を本格化する検討会が学会形式で行われたというニュースがありました。中国の病院や観光業者が提携して日本において観光を兼ねて健康診断や医療を受ける事業を進めるということのようです。日本で医療ツーリズムを受けるメリットは諸外国(特にアメリカ)に比べて医者や看護師の人件費が安く、しかも医療技術が高いからだそうです。私は医師として日本人に対する医療で精一杯なのに、この上観光業者を儲けさせるために安く使われてはたまらないから医療ツーリズムには反対です。この医療ツーリズムに見て取れるのは中国の魅力を「購買力」としてしか見ていない日本人の発想の貧しさです。中国の金持ちは希望すれば中国国内でも優れた医療を受けられるし、必要とあればアメリカなりに行って高度な医療を受けることもできます。本当に中国で医療を必要としているのは中流以上の1.5億人ではなく、貧しい残り12億人の方です。12億人が現在の日本人と同様の医療を受けられるようになることはかなり意味のあることだと思いますが、金持ちに日本で金を落してもらうために我々が駆り出されるのはご免被りたいと思います。医療ツーリズムの思想は日本においても中国に魅力を感じているのは購買力のみだという証拠です。
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天安門事件と民主化宣言の立役者にノーベル平和賞を送ったノルウエーに対して中国は日本に行なったと同様強行な措置を繰り出しています。日本はこれをみて実は少しほっとしているのではないでしょうか。なぜなら尖閣諸島問題はあくまで二国間の問題で、中国は無理筋なことを平気でやるものだ、と世界にはアピールできたかも知れませんが所詮日中以外の国々にとっては「他人事」でしかなかったからです。ですが今回は世界に向けて中国は同様のことをしていると感じているのではないでしょうか。
ノーベル平和賞という極めて政治色の強い賞とはいえ世界で最も注目され権威のある賞を中国の反体制活動家が与えられたことは、GDP世界第2位の経済大国となった中国がこれにいかに大人の対応を見せるかということを世界の衆目の前で試されたとも言えるでしょう。
残念ながら中国の対応は極めて脊髄反射的な判りやすいものでした。「経済以外の自由は認めない」という国家のありかたが、少なくともフランス革命以降西欧を中心に二十世紀まで世界の主流となってきた自由民権の思想に背を向けるものであることは明らかで、しかも何ら悪びれる事もなく「うちはこのようなやり方ですけど、なにか?」と開き直っているようにも見える中国の姿勢は日本人は慣れてしまっていますが、西欧諸国からはかなり異質に見えていると思います。
日本は戦前まで現在の中国と同じで経済は自由だけれど政治的自由は制限されていたので(それでも昭和初期までは議会政治が機能していましたが)中国贔屓の人には現在の中国の体制に違和感を抱かない人も多いようです。そして中国14億人の潜在購買力と不況の中でも発展しているように見える経済力、増加する軍事力をもって中国がアメリカの次の世界覇権国になると明言している人も多くいます。
私は中国が中国という地域の中で覇権国になることはあっても、とても世界の覇権国になることはないだろうと思っています。なぜなら中国には米国やその前の覇権国の英国のような魅力がないからです。アメリカには20世紀中盤において他国にはない豊かさと映画などの文化、そして自由や一旗揚げる「アメリカンドリーム」といったものがありました。その前の英国にも産業革命によってもたらされた文明や科学技術、経済力がありました。他の帝国主義列強も疑似英国になることを目指していたと言えるでしょう。翻って中国が他の国々があこがれるような何かを持っているでしょうか。古い中国文化は別として共産中国には文化と呼べるようなものは皆無です。他国の模範となるオリジナルの技術や社会形態があるでしょうか。皆無です。皆さん現在の中国に移住して「終の住み処」にしたいでしょうか。今の中国にあるのは購買力と軍事力だけです。中国三千年の歴史において中国の地で覇を唱えた王朝はさまざまありましたが、現在の漢民族による共産党王朝もしばらくは中国の地において覇権国となるでしょうが、多少勢力範囲が延びることはあっても(朝鮮半島くらいまで)それ以上の国々を従える覇権国にはならないでしょう。
ノーベル平和賞に対する中国の反応をみて、私は中国はアメリカを引き継ぐ覇権国にはとてもなれないなと強く感じました。中国贔屓で目がかすんでいる人には判らないでしょうが、西欧諸国やアジア諸国にもそのことは伝わったのではないかと思います。
話しは変りますが、日光市ではこの度中国の金持ちを相手にした「医療観光事業」を本格化する検討会が学会形式で行われたというニュースがありました。中国の病院や観光業者が提携して日本において観光を兼ねて健康診断や医療を受ける事業を進めるということのようです。日本で医療ツーリズムを受けるメリットは諸外国(特にアメリカ)に比べて医者や看護師の人件費が安く、しかも医療技術が高いからだそうです。私は医師として日本人に対する医療で精一杯なのに、この上観光業者を儲けさせるために安く使われてはたまらないから医療ツーリズムには反対です。この医療ツーリズムに見て取れるのは中国の魅力を「購買力」としてしか見ていない日本人の発想の貧しさです。中国の金持ちは希望すれば中国国内でも優れた医療を受けられるし、必要とあればアメリカなりに行って高度な医療を受けることもできます。本当に中国で医療を必要としているのは中流以上の1.5億人ではなく、貧しい残り12億人の方です。12億人が現在の日本人と同様の医療を受けられるようになることはかなり意味のあることだと思いますが、金持ちに日本で金を落してもらうために我々が駆り出されるのはご免被りたいと思います。医療ツーリズムの思想は日本においても中国に魅力を感じているのは購買力のみだという証拠です。