印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

印鑑の文字、篆書の“子”

2009年02月28日 | 印鑑の文字

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。
今日は第4土曜日で店は休みにしております。
シャッターを閉めて店の中でブログを書いています。

前回のブログで女性の名前にある“子”について触れさせていてだきました。
今回は、印鑑の文字、篆書(てんしょ)の“子”の文字についてご紹介します。
篆書は楷書と違って、1つの文字で数種の文字があります。

下に紹介した、“子”の字も「篆刻辞林」の辞書で10種の文字が出てきました。
仕事の中で、「由子」さんと「優子」では違う文字を使います。というのは、どの文字と組み合わせるかで、文字の形が変わるわけです。画数が少ない字との組み合わせでは画数の少ない“子”を、画数の多い字との組み合わせでは、画数の多い“子”を、という具合です。これを篆刻三法(てんこくさんぽう)の中の字法といいます。

また、3文字のお名前の場合、1行でなく、2行で作ることもままありますが、こんな時は、はじめの2字が右行、“子”だけが左行に来て横幅狭く、縦幅は2文字分で長い、ということになります。
横幅が狭いスペースに入りやすい“子”字が選ばれます。


▲篆書(てんしょ)の“子”の字のいろいろ。最下段の10字が印鑑に使われる篆書。その上段の6字は金石文字。

楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com

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