印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

秦の始皇帝の文字統一

2015年01月31日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

昨日、30日(金)は雪が降りましたが、途中で雨に変わり店頭の雪かきをしないで済みました。それでも、所々に氷のような残雪が少し見られます。

中国の古代の国(斎、楚、燕、魏など)で使われていた漢字をご紹介したいと思います。前回のブログで書いた『匠の技展』で東京都印章技能士会が出しているミニパンフレットに掲載されていました。

印鑑に使われている漢字の書体は、篆書(てんしょ)が多く選ばれます。印鑑の文字らしい、古風なイメージがあります。篆書は私たちが日常に書いている楷書と、古代の象形文字との中間的な存在の書体です。この篆書は、秦の始皇帝が統一しました。下記にあるのは統一する前に各国が使っていた文字です。私の目から見て篆書のようには見えませんが、「古代の文字の書体」ということなるかと思います。

秦の始皇帝は、焚書坑儒(ふんしょこうじゅ、言論統制のため書物を燃やし、儒者を処刑)、通貨の統一(半両銭)、万里の長城の構築など多くの政策を実施しましたが、その中に漢字の統一もありました。現在、印鑑にある篆書のルーツは紀元前220年代に始皇帝が統一した文字です。



▲統一される前に各国が使っていた「馬」の文字です。



▲「馬」の文字で、上から2番目から5番目は篆書、
下段の3つは、上から、楷書、行書、草書です。




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