印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

くりかえし符号 1

2010年06月25日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

このところ、朝の五時過ぎくらいに目が覚めることが多く今日も5:10過ぎに起きてリビングに行きました。中三の息子も試験勉強をするつもりらしく起きてきました。なぜかテレビのスイッチをオン、まだワールドカップサッカーの対デンマーク戦を中継していました。最後の10分くらいを見ていたら3点目のシュートを見ることができました。

「々」の文字について少し書いてみます。これは正式には文字ではなく「記号」です。『JIS漢字字典』財団法人 日本規格協会刊行によれば「仮名または漢字に準ずるもの」の分類の中で「繰返し記号」と出ています。今月の上旬に読売新聞のコラム「なぜなぜ日本語」にも「々」が取り上げられて「々」は「くりかえし符号、重ね字、踊り字(おどりじ)などと呼んで下さい」と説明されていました。「々」そのものには音読み、訓読みはありません。

印を作る職人として、「々」の記号を篆書でどう表現するか、これは書体によって違ってきます。一番多く使われている苗字は「佐々木」さんです。2番目にくるものは「々」ですね。
篆書(てんしょ)だと、繰返しの符号は漢数字の「二」の線の間が短くなったものを使います。
これで上にある文字と同じという意味になります。その他の書体の場合なら「々」をその書体に近い作風に書いていきます。「々」は『篆刻字林』に出ていません。前出の『JIS漢字字典』にあるので、おそらく日本で作られた字だと思われます。

篆書は文字を縦長に入れることで文字に躍動感が出せるので、佐々木さんの場合、「々」が短いぶんだけ「佐」と「木」が伸びやかに入れられるということになります。


▲これで「佐々木」さんです。
篆書の「々」は間の狭い横線二本です。


八王子 印鑑 楽善堂のホームページ http://rakuzendo.com

楽善堂の印鑑リフォーム専用ページhttp://inkan-reform.com

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