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椎名誠『カツ丼わしづかみ食いの法則-ナマコのからえばり』2017・集英社文庫

2023年11月20日 | シーナさんを読む

 2017年のブログです

     *

 シーナさんの『カツ丼わしづかみ食いの法則-ナマコのからえばり』(2017・集英社文庫)を読みました。

 とってもおもしろかったです。

 シーナさんはじーじより10歳先輩。

 もう結構なじいじのはずですが(シーナさん、ごめんなさい)、実はまだまだ若く、じーじは正しいじいじのあり方(?)をいつもシーナさんから学んでいる(?)ような気がします。

 そのせいか、本書を読みながら、うんうん、そうだそうだ、などと頷く場面が多々ありました。

 シーナさんのエッセイを読むと、これまでも、そういうことが多くあったのですが、今回は特にいっぱい、うんうん、してしまいましたので、感想文を書いてみます。

 例えば、「世界遺産」という言葉。

 シーナさんは、大騒ぎをする国民やマスコミをよそに、その安易さには疑問を呈します。

 まったくだとじーじも思います。

 昔、白神山地のスーパー林道建設に反対をした人ですから、偽物の観光化には敏感です。

 さらには、「美しい日本」と叫ぶ政治家。

 そういう政治家が自然を破壊し、原発を再稼働するという矛盾を糾弾します(シーナさんはもっと、やわらかい言葉でですけどね)。

 あるいは、大雨の際の電力会社のダムから放流による人為的な洪水の問題。

 電力会社が住民の味方でないことが次々と明らかになってしまうのは、なぜなのでしょう。

 住民にとって一番大切な存在のはずなのですが、巨大化しすぎた弊害なのでしょうか。

 巨大な組織はそれ自体の存続が最終目標になってしまうという社会学の考えの通りなのでしょうか。

 大切なのは電力会社を支えている住民なのですがね。

 はたまた、コンビニでビールを買おうとすると、シーナさんのようなじいじでも年齢確認のボタンを押さなければならない問題。

 これは本当に馬鹿らしいことで、じーじなどはこの夏のひとり旅で、これがいやで、ビールは農協のスーパーで買っていました。

 その他、もろもろ。

 じーじにもうなづける諸問題が目白押しでした。

 シーナさんの文章は、日常の何気ない、うっかりすると見過ごしてしまうような問題に、時に鋭く、疑問を呈します。

 場合によっては、みなさんが疑問を持たないでいることを指摘したりもしますので、ソクラテスさんが周囲から糾弾をされたように、時に危ない目にもあいます。

 しかし、それを恐れずに書き続ける勇気に敬意を表します(それでも、以前よりはだいぶまるくなってきましたが…)。

 いつまでも元気なシーナさんでいてほしいと思います。  (2017 記)

      *

 2021年秋の追記です

 4年ぶりに再読をしました。あいかわらず、とっても面白く読めました。

 今回、感動したのは、あやしい雑魚釣り隊のドレイ(?)で元Jリーガーの竹田聡一郎さんの解説。

 シーナさんのお孫さんの風太くんが、あやしい雑魚釣り隊に参加した時のエピソードをいい文章で綴ってくれています。 (2021.10 記)

 


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2 コメント

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椎名さん (えの)
2018-02-08 19:48:20
椎名誠さんの2017年の作品の紹介、ありがとうございます。
探検隊シリーズとか、白い手、岳物語など読みましたが最近はご無沙汰してました。
また読んでみたいと思います。
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ナマコもおしまい? (どさんこじーじ)
2018-02-09 19:02:04
シーナさんのナマコシリーズもそろそろ終わりらしいですよ。
今が読み時です!(なんか、宣伝みたいになっちゃいました)
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